ESTメールマガジン 第31号(2009.2.25)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ESTメールマガジン 第31号(2009.2.25)
発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 

□主な内容

【近畿ESTシンポジウムの開催結果(概要)をアップしました】
 近畿地方でのESTモデル事業についての全体を総括するため、近畿ESTシンポ
ジウムを開催しました。開催結果の概要は、ESTポータルサイトに掲載されていま
す。
 
【モビリティマネジメントシンポジウムが中ノ島で開催されます】
 近畿運輸局が大阪国際会議場においてモビリティ・マネジメントの推進に向けて、
シンポジウムを開催します。
 
□目次

1.寄稿�「環境的に持続可能な交通を目指して」(第31回)
●「航空部門のEU-ETSへの組み入れ決定からの雑感」
              【武蔵工業大学環境情報学部環境情報学科 講師 岡
田 啓】
2.寄稿�「地方から全国に向けた情報発信!」(第31回)
●「水島コンビナートにおけるエコ通勤への取り組み」
                 【倉敷市建設局都市計画部交通政策課主任 下
村隆之】
3.ニュース/トピック
●近畿ESTシンポジウムの開催結果(概要)をアップしました【EST普及推進委員
会】
●路面電車の乗り継ぎ等実証実験の実施について【国土交通省】
●FTD燃料を使用したバスの実証走行試験を実施します【国土交通省】
●わが国のカーシェアリングの会員数が1年間で倍増【交通エコロジー・モビリティ
財団】
●はちのへ市営バス運行情報のサービス開始のお知らせ【八戸市】
●3月1日からぐりーんバス・路線バスに新ルートを追加しました。【流山市】
●カーシェアリングと公共交通とを組み合わせたモデル事業の実施【東京都交通局】
●神奈川県地域交通研究会の開催状況が更新されました【神奈川県】
●3月1日(日)〜7日(土)は山口市民公共交通週間です【山口市】
●中心部循環路線運行開始!【福山市】
●蓮町駅前にて利用者専用のパーク&ライド実験を実施、2月16日〜【富山ライト
レール】
●東武鉄道では、宇都宮線「野州平川駅」・桐生線「治良門橋駅」・日光線「東武金
崎駅」にてパーク・アンド・ライドサービスを開始します【東武鉄道】
●近鉄百貨店阿倍野本店「パーク&ライド」サービスの試験実施結果についてのご報
告【近畿日本鉄道】
4.イベント情報
●「北九州市環境首都総合交通戦略」策定記念シンポジウム【2009/2/25】
●「歩くまち・京都」総合交通戦略シンポジウム【2009/2/28】
●交通権学会関東部会【2009/3/7】
●モビリティマネジメントシンポジウム in 中之島【2009/3/10】
●東京第二弁護士会シンポジウム【2009/3/18】
5.その他
●EST創発セミナー講演録
●記事募集中!

==================================================================
1.寄稿�「環境的に持続可能な交通を目指して」(第31回)

●「航空部門のEU-ETSへの組み入れ決定からの雑感」
              【武蔵工業大学環境情報学部環境情報学科 講師 岡
田 啓】
 京都議定書の中で、削減の対象となっていない排出源が交通部門にある。それは、
国際航空と国際海運である。どちらも国をまたいで航空機や船舶が移動するために、
その移動の間に排出された温室効果ガスをどの国のガスとするのか国際的な合意が得
られていないためである。このようなGHGの削減のための枠組みや制度について、2つ
の国際機関(国際民間航空機関、国際海事機関)において、加盟国の合意を形成する
べく話し合いが行われてきた。国際民間航空機関が2007年に航空部門における排出権
制度に関するガイドラインを発表するなど一定の成果を出しているものの、世界を巻
き込んだ制度の実施には到っていない。(なお、国際海事機関で本格的な議論に入る
のはこれからである。)
 このような中、EUが、航空機から排出されるCO2を、EU域内で2005年より実施して
いる排出権取引制度(EU-ETS)に2012年より組み入れることを今年1月に決めた。こ
れにより、2012年よりEUの空港を離発着する航空機(一部除外有り)を持つ航空会社
は、運航時に排出されたCO2と同量のCO2排出権を所持しなければならなくなる。ここ
で着目すべき点は、離発着する航空機とは、国内線のみならず国際線も含むことであ
る。例えば、成田−フランクフルト間の航空機を運航するためには、EU-ETSのCO2排
出権が必要となる。
 つまり、EUは、環境問題解決のためではあるものの、EUの法制度の域外適用を行っ
たことになる。この制度のEU域外への一方的な域外適用には、多数の識者、国際機
関、企業が問題であると発言している。他方、英国航空のように、気候変動を解決す
るための方法を実施することにおいて、ある地域が他よりも早く動くことも必要だと
の見解を示す企業もいる。
 上記のEUの決定は、国際的な環境問題解決のために次の2つの選択肢のどちらを選
択していくのかという問題を提起していると私は考える。第一の選択肢は「世界的な
合意ができあがった上で制度を実施する。ただし、いつその合意が形成されるのかは
不明」、第二の選択肢は「域外適用の問題があるにせよ、地域的な制度を、ある年限
までに他国を巻き込みつつ実施する」である。双方の選択肢に一長一短がある。私
は、現時点においては確たる立場をまだ決めていないのであるが、後者の選択が良い
のではないかと考えている。読者の皆様はどのようにお考えであろうか。

--------------------------------------------------------------------

2.寄稿�「地方から全国に向けた情報発信!」(第31回)
●「水島コンビナートにおけるエコ通勤への取り組み」
                 【倉敷市建設局都市計画部交通政策課主任 下
村隆之】

 瀬戸内海に面し、本市の南部に位置する水島コンビナートは、約2万2千人の従業員
が勤務し、市内従業員数の57%を占めるなど、本市の主要な産業拠点であり、全国的
にも有数な臨海工業地帯です。
しかしながら、従業員の約9割が自家用車で通勤していることなどから、近年、水島
臨海鉄道などの公共交通の利用者が減少し、特に路線バスにおいては減便や廃止が拡
大しています。
そこで、水島コンビナート企業主要8社に通勤する従業員約13,200人を対象に、一人
ひとりが環境及び交通に関する課題について考え、普段の通勤を自家用車から、公共
交通の利用へ転換してもらう方策を検討するため、平成20年11月18日(火)から11月
28日(金)まで、水島臨海鉄道の水島駅、三菱自工前駅から無料シャトルバスを運行
するなど、エコ通勤の実証実験を実施しました。
今後は、昨年の原油価格の高騰や経済悪化など、めまぐるしく社会情勢が変化して
いる状況ではありますが、持続可能な公共交通体系を目指して、水島コンビナート地
域における、今後の低炭素地域づくり計画の方向性について検討し、エコ通勤の推進
及び地域の活性化を図っていきたいと考えています。
【水島コンビナート・エコ通勤実証実験】
水島臨海鉄道を活用した、モビリティ・マネジメントによるエコ通勤の実証実験
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/koutsu/teitanso-eco.html
--------------------------------------------------------------------
3.ニュース/トピック
●近畿ESTシンポジウムの開催結果(概要)をアップしました【EST普及推進委員
会】
 豊中市、交通エコロジー・モビリティ財団、EST普及推進委員会、国土交通省近
畿運輸局、豊中市ESTモデル事業推進委員会の主催で、近畿地方でのESTモデル
事業についての全体を総括するため、近畿ESTシンポジウムを開催しました。本シ
ンポジウムの概要について、以下のURLにて掲載中です。
 http://www.estfukyu.jp/forum_kaisai_kekka3.html

●路面電車の乗り継ぎ等実証実験の実施について【国土交通省】
 国土交通省は、都市内交通の円滑化、地球環境負荷の軽減、超高齢社会への対応と
いった観点から、路面電車の利便性を向上させ、その利用を促進することを目的に実
証実験を行います。実証実験では、路面電車と他交通機関との乗り継ぎの円滑化を図
り、その有効性や課題等を検証します。
 http://www.mlit.go.jp/report/press/city09_hh_000002.html

●FTD燃料を使用したバスの実証走行試験を実施します【国土交通省】
 「次世代低公害車開発・実用化促進プロジェクト」の一環として、FTD燃料
(Fischer-Tropsch Diesel燃料の略。Fischer-Tropsch製法により天然ガス、バイオ
マス、石炭等、多様な原料から合成可能な液体燃料)を使用する自動車の開発や走行
試験を実施してきました。この度、2月1日(日)より1年間程度、トヨタ自動車
(株)等の協力を得て、FTD燃料を東京都内の路線バスに使用して実証走行試験を
実施します。都市内を運行する路線バスにFTD燃料を長期間使用することで、排出
ガス性能や部品への影響等を調査し、今後のFTD自動車の実用化・普及に向けた課
題を把握することを目的としています。
 http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000024.html

●わが国のカーシェアリングの会員数が1年間で倍増【交通エコロジー・モビリティ
財団】
交通エコロジー・モビリティ財団による2009 年1 月の調査では、わが国のカーシェ
アリング車両ステーション数は357カ所(前年比20%増)、車両台数は563台(同10%
増)、会員数は6,396人(同97%増)でした。
http://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_top.html

●はちのへ市営バス運行情報のサービス開始のお知らせ【八戸市】
 八戸市では、3月1日より携帯端末、パソコン及び市内の主な停留所で、市営バス全
路線の走行状況及び、到着時刻予測をリアルタイムに把握することができるバスロ
ケーションシステム「はちのへ市営バス運行情報」を運用開始します。
 http://www.city.hachinohe.aomori.jp/news/index.cfm/detail.1.20711.html

●3月1日からぐりーんバス・路線バスに新ルートを追加しました。【流山市】
 流山市では、『流山ぐりーんバス』の「美田・駒木台ルート」を新設し、「江戸川
台西ルート」の路線変更を行います。また、『東武バスイースト(株)』では、「宮
園循環」と「南柏駅西口〜南流山駅」路線を新設します。これらはいずれも3月1日か
ら運行開始されます。
 
http://www.city.nagareyama.chiba.jp/section/toshikei/04koutuusitu/koutuutop.
htm

●カーシェアリングと公共交通とを組み合わせたモデル事業の実施【東京都交通局】
 〜都営地下鉄浅草線10駅近傍にカーシェアリングステーションを設置〜
 環境局及び交通局は、オリックス自動車(株)と環境負荷の低減を図るため、カー
シェアリングと都営交通(浅草線)とを連携させたモデル事業を実施します。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/newsevent/news/subway/2009/sub_p_200902091_h
.html

●神奈川県地域交通研究会の開催状況が更新されました【神奈川県】
 神奈川県地域交通研究会は、神奈川県内の公共交通のあり方や、公共交通に係る
様々な交通施策に関し、情報交換、調査、検討などを行うための研究会です。平成12
年5月に、県内の生活交通確保方策及びバス活性化施策などを検討するために設置
し、平成17年8月には鉄道やタクシーも含めた公共交通の利用促進を図る観点からの
情報交換などの場としても活用できるように拡大改組し、現在に至っています。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/tosikeikaku/koutsu/chiiki/chiikikoutuuke
nkyukai.html

●3月1日(日)〜7日(土)は山口市民公共交通週間です【山口市】
 山口市では、自動車の過度な利用は交通渋滞の増加や二酸化炭素排出量の増大と
いったさまざまな問題の原因となるため、安心して住み続けられる車に頼りすぎない
交通まちづくりを目指して、鉄道や路線バスなどの利用促進、利便性の向上に取り組
んでいます。その一環として、3月1日(日)から7日(土)を「市民公共交通週間」
に設定しました。
 http://www.city.yamaguchi.lg.jp/dannai/soshiki/sogoseisaku/kotsu/kotsuday.
htm

●中心部循環路線運行開始!【福山市】
 福山市では、「人・まち・環境にやさしいバス交通」を目指すオムニバスタウン事
業の一環として、バスの利用促進と中心市街地の活性化を図るため、2009年(平成21
年)2月21日から、市内中心部の各公共施設や商業施設などを結ぶ中心部循環路の運
行を開始しました。
 http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/life/detail.php?hdnKey=4477

●蓮町駅前にて利用者専用のパーク&ライド実験を実施、2月16日〜【富山ライト
レール】
 富山ライトレールでは、蓮町駅前において、ICカード「パスカ」を活用した、
ポートラム利用者専用のパーク&ライド実験を実施します。通勤や買い物に是非ご利
用ください。
 http://www.lrt-jikken.com/

●東武鉄道では、宇都宮線「野州平川駅」・桐生線「治良門橋駅」・日光線「東武金
崎駅」にてパーク・アンド・ライドサービスを開始します【東武鉄道】
 東武鉄道では、宇都宮線「野州平川駅」と桐生線「治良門橋駅」では2009年2月9日
(月)から、東武日光線「東武金崎駅」では2009年2月23日(月)から、駅前に駐車
場を整備し、座席指定の特急列車をご利用のお客さまに駐車料金を割引くパーク・ア
ンド・ライドサービスを開始します。また、これと同時に現在、パーク・アンド・ラ
イドサービスを実施している宇都宮線「おもちゃのまち駅」の駐車台数を拡大しま
す。
http://www.tobu.co.jp/file/1832/090202.pdf
http://www.tobu.co.jp/file/1845/090216.pdf

●近鉄百貨店阿倍野本店「パーク&ライド」サービスの試験実施結果についてのご報
告【近畿日本鉄道】
 近鉄および近鉄百貨店では、環境に優しい交通機関である鉄道の利用を促進し、渋
滞緩和や環境負荷軽減を図りたいと考え、近鉄百貨店阿倍野本店のお客さまを対象と
して、平成20年1月8日から「パーク&ライド」サービスを試験的に実施してまいりま
した。平成21年1月7(水)をもって1年間の試験実施を終了し、利用実績およびアン
ケート調査の結果がまとまりましたのでご報告します。
 http://www.kintetsu.jp/news/files/P&R20090202.pdf

--------------------------------------------------------------------
4.イベント情報
●「北九州市環境首都総合交通戦略」策定記念シンポジウム
 日時:平成21年2月25日(水) 13:20〜16:00
 場所:ステーションホテル小倉 5階 「飛翔」
 主催:(仮称)北九州市環境首都総合交通戦略推進連絡会
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEX
T_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24867

●「歩くまち・京都」総合交通戦略シンポジウム
 日時:平成21年2月28日(土) 13:00〜16:00
 場所:立命館大学朱雀キャンパス大講義室 京都市中京区西ノ京朱雀町1 
 主催:京都市,「歩くまち・京都」総合交通戦略策定審議会
 http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000056491.html

●交通権学会関東部会
 日時:平成21年3月7日(土) 13:30〜17:00
 場所:明治大学駿河台キャンパス 
 主催:交通権学会
 http://www009.upp.so-net.ne.jp/kotsuken-gakkai/division/kanto.html

●モビリティマネジメントシンポジウム in 中之島
 日時:平成21年3月10日(火) 13:00〜17:00
 場所:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)特別会議場
 主催:近畿運輸局
 http://www.kansai.meti.go.jp/3-9enetai/ontai-kaigi/calender.html

●東京第二弁護士会シンポジウム
 クルマ社会を考える─「真に必要な道路」を問う
 日時:平成21年3月18日(水) 18:00〜20:30
 場所:弁護士会館3階会議室 
 主催:東京第二弁護士会 環境保全委員会
 http://homepage3.nifty.com/sustran-japan/datafile/20090318_niben_douro.pdf

--------------------------------------------------------------------
5.その他
●EST創発セミナー講演録
EST創発セミナーの講演録をESTポータルサイトにアップしました。発表資料に加
えて、講演内容の詳細がわかるものとなっています。ESTや交通環境対策の学習資料
としてご利用ください。
http://www.estfukyu.jp/sohatsu.html

●記事募集中!
本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。EST、または「交通と環境」に関連す
る取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
→ E-mail:EST@ecomo.or.jp(担当:市丸)

==================================================================
 発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
     (交通エコロジー・モビリティ財団)
配信申込、バックナンバー閲覧はこちらから
http://www.estfukyu.jp/mailmagazine.html
配信停止はこちらから
http://www.estfukyu.jp/mailmagazine_cancel_form.html
ESTポータルサイト:http://www.estfukyu.jp/

コメント

このブログの人気の投稿

【Amazonサイバーマンデー】iPad(第8世代)用のSmart Keyboardが10%OFFとか珍しくない?

ESTメールマガジン 第71号

Googleクラウドに小売業向けに特化した新サービス