ノバルティス (ティッカーシンボル:NVS)が開発したB細胞急性リンパ芽球性白血病治療薬キムリア(Kymriah/CTL019)が 米国食品医薬品局(FDA) から正式承認されました。 これはゲノム創薬の新時代の幕開けを意味します。 キムリアの価格は5,240万円(=47.5万ドル)です。 この価格はアナリスト予想を下回りました。 この白血病治療薬は子供と25歳以下の若者だけに処方が許可されます。 この薬は、いま大注目されている キメラ抗原受容体(CAR) を用いた 遺伝子改変T細胞療法(CAR-T) を援用しています。 CAR-T療法では、癌細胞が隠れているタンパク質を探し当て、狙い撃ちできます。この手法を使えば、これまで治療不可能とおもわれてきた難治性リンパ腫を寛解(かんかい)する可能性があるのです。 具体的なCAR-T療法の進め方ですが、まず癌患者から血液を採取します。 つぎにそのT細胞に遺伝子改変を加えることでCARを実装します。 そしてそうやって作った遺伝子改変T細胞を、もう一度、患者の体内に戻すのです。 戻された遺伝子改変T細胞は、頑固な腫瘍免疫回避機構を突破します。 この方法なら、普通、抗体が届かない中枢神経領域にもアクセスすることが可能です。 米国には20歳以下のB細胞急性リンパ芽球性白血病患者は3,100人居ると言われています。そのうち、既存の治療法が全く効かなかった600人に先ずキムリアが投与されることになると思います。 ノバルティスの他にもCAR-T療法を開発しているバイオ企業はいくつかあります。 そのうちのひとつが カイト・ファーマ (ティッカーシンボル:KITE)で、同社は先日、 ギリアド・サイエンシズ (ティッカーシンボル:GILD)から買収提案を受けました。 また、 ジュノ・セラピューティクス (ティッカーシンボル:JUNO)、 ブルーバード・バイオ (ティッカーシンボル:BLUE)も同様の新薬を準備中です。 from Market Hack http://markethack.net/archives/52053932.html via IFTTT