ESTメールマガジン 第45号(2010.4.26)

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               ESTメールマガジン 第45号(2010.4.26)
          発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
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□主な内容
【交通と環境保全に向けた海外動向】
2009年欧州モビリティウィーク賞をスウェーデンのイェヴレが受賞しました。また、国連環境計画などが、都市のCO2排出量を測る共通基準を公表しました。

【交通・観光カーボンオフセット】
「交通・観光カーボンオフセット支援システム」で初のオフセットが実施されました。モデル事業の募集も始まりました。

□目次

1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第45回)
●「ESTの普及推進のための人材育成の重要性」
        【社団法人交通工学研究会内 旧「EST研究グループ」メンバー 矢部努】
               ((財)計量計画研究所 社会基盤計画研究室主任研究員)
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第45回)
●「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」
             【富山市都市整備部交通政策課交通計画係 主任 杉木光晴】
3.ニュース/トピック
●2009年欧州モビリティウィーク賞にスウェーデンのイェヴレが受賞【欧州委員会環境総局】
●都市のCO2排出量を測る共通基準を公表 【国連環境計画、国連人間居住計画、世界銀行】
●交通基本法の制定と関連施策の充実に向けて−中間整理−について【国土交通省】
●平成21年の燃費の良いガソリン乗用車ベスト10について〜平成21年版「自動車燃費一覧」の公表〜【国土交通省】
●「交通・観光カーボンオフセット支援システム」で初のオフセット実施【国土交通省、交通エコロジー・モビリティ財団】
●2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(確定値)について【環境省】
●自動車からの排出ガスによる大気汚染に対する新たな対策手法について〜「自動車交通環境対策検討会・ロードプライシング制度の在り方に関する分科会」〜 【環境省】
●平成22年度低炭素地域づくり面的対策推進事業の選定結果について【環境省】
●「環境対応車普及戦略」について【環境省】
●エコ通勤優良事業所認証登録された事業所が212カ所に【交通エコロジー・モビリティ財団】
●荷主・荷受人から環境に配慮した運搬を推進するエコ運搬制度!!【川崎市】
●「人吉・球磨地域公共交通総合連携計画」の公表【熊本県人吉市】
●「電車で、ECO MOVE。」キャンペーン企画 〜「環境にやさしい」電車でおトクに出かけよう!〜 4月15日(木)から「エコ乗りフリーきっぷ」を発売します【名古屋鉄道】
●「渥美線サイクルトレイン」の試験運行について【豊橋鉄道】
●モビリタでエコドライブ講習をはじめました【トヨタ自動車】
4.イベント情報
●環境サロン「地球温暖化防止について語る—我が国の地球温暖化対策に係る中・長期計画等について」【2010/4/30】
●都市交通研究成果報告会 平成21年度交通と都市研究分野学生研究成果の報告【2010/5/1】
●第10回 全国路面電車サミット 2010富山大会【2010/5/21】
●交通・観光カーボンオフセット モデル事業募集説明会
●第5回 日本モビリティ・マネジメント会議【2010/7/30,31】
●鉄道技術展 2010【2010/11/10-12】
5.その他
●EST普及推進フォーラムの講演録とEST交通環境大賞のダイジェストを掲載
●記事募集中!

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1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第44回)
●「ESTの普及推進のための人材育成の重要性」
        【社団法人交通工学研究会内 旧「EST研究グループ」メンバー 矢部努】
               ((財)計量計画研究所 社会基盤計画研究室主任研究員)
 
 ESTでは、その目標達成に向けて、地域資源を活かした総合的な都市交通政策を立案し、地域住民など各主体と協働して取組みを継続的かつ戦略的に進めていくことが肝要です。そのために最も重要となるのは、様々な関係主体の間を取り持ち、調整機能を担う組織や人材の存在ではないでしょうか。
 EST推進のための組織としては、関係主体間の利害関係を含めて意思疎通を図る機会を提供することが重要と考えられます。そこでは、行政と民間、道路管理者と交通管理者、行政内部の環境部局・都市計画部局・道路部局など、従来の施策の実施時には時として障害となっていた関係を解きほぐしていく機能が求められます。
 さらには、各地域において専門分野や担当部局に関わる専門的知識を有しながら、ESTの概念と意義を十分理解し、各主体の間を取り持つことができる「ESTエキスパート」と呼べる人材を育成し、活躍してもらうことが大きな課題ではないでしょうか。例えば、(財)計量計画研究所では、ESTの施策としても注目されている「エコ通勤」の推進について様々な形で貢献しており、公益事業の1つとして「エコ通勤推進のための職場MM技術講習会」を毎年6月上旬に開催しております。これは、主に行政担当者を対象として、国が推進するエコ通勤の趣旨や事例研究、及び基礎的な技術手法について講習し周知を図るとともに、各地域のエコ通勤アドバイザー等の人材育成を図ることを目的としたものです。ESTについても、このような人材育成の場を数多く提供し、各地域にESTエキスパートを増やしていくことが重要となっていくと考えています。

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2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第45回)
●「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」
             【富山市都市整備部交通政策課交通計画係 主任 杉木光晴】

 富山市では、今後の人口減少と超高齢化に備え、鉄軌道をはじめとする公共交通を活性化させ、その沿線に居住、商業、業務、文化等の都市の諸機能を集積させることによる『公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり』を推進しています。
 これらの実現に向け、リーディングプロジェクトである富山ライトレール(旧富山港線のLRT化)を初め、JR高山本線における増発社会実験など、鉄軌道を初めとする公共交通の活性化に取り組んでいます。
 平成21年12月23日には、全国初となる上下分離方式による市内電車の新線を開業しました。これによって市内電車の環状運行が開始され、中心市街地における回遊性が向上し、賑わいの創出に大きく寄与しています。将来的にはこの環状線を中核とし、富山ライトレールとの接続や富山地方鉄道上滝線への乗入れが可能となれば、都心地区と富山市の北部から西部、南部までの路面電車ネットワークが形成され、公共交通の利便性向上はもとより、これら地域や中心市街地の活性化がさらに進むものと考えています。
 このような取り組みにより、利用者の増加はもとより、観光地での入込数や、沿線での建築着工件数が増加するなどの効果が生まれており、魅力ある公共交通は、市民や来街者に"選択"され、その沿線での経済活動に大きく資するものとなっており、本市が目指すコンパクトなまちづくりは着実に歩み始めています。
 本市はこのたびの第1回EST交通環境大賞において、特別大賞を受賞いたしました。今後もこれを励みとして、市民や関係者と一丸となって、持続可能なコンパクトシティの実現に向け、取り組んで参りたいと考えています。

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3.ニュース/トピック
●2009年欧州モビリティウィーク賞にスウェーデンのイェヴレが受賞【欧州委員会環境総局】
 スウェーデンのイェヴレは、欧州委員会が主催する2009年モビリティウィーク賞を受賞しました。同市は2009年モビリティウィーク期間中の環境負荷の少ない移動への取り組みが評価され、受賞に至りました。スペインのレオン、クロアチアのイヴァニチ・グラードが次点となっています。
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/10/344&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

●都市のCO2排出量を測る共通基準を公表 【国連環境計画、国連人間居住計画、世界銀行】
 国連環境計画、国連人間居住計画 及び 世界銀行は、ブラジルで開催中の世界都市フォーラムにおいて、世界各都市のCO2排出量を測る共通の方法を公表しました。この「温室効果ガス基準」は、人口一人当たりのCO2排出量を算定するもので、各都市が環境パフォーマンスを比較し、違いを分析することが可能です。
http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.Print.asp?DocumentID=617&ArticleID=6508&l=en&t=long

●交通基本法の制定と関連施策の充実に向けて−中間整理−について【国土交通省】
 国土交通省は、人々が交わり、心の通う社会をめざして、交通基本法の制定と関連施策の充実に向けて、中間整理を発表しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000019.html

●平成21年の燃費の良いガソリン乗用車ベスト10について〜平成21年版「自動車燃費一覧」の公表〜【国土交通省】
 国土交通省は、自動車ユーザーの省エネルギーへの関心を高めるとともに、燃費性能の優れた自動車の開発・普及を促進するため、毎年、燃費の良いガソリン乗用車のベスト10を公表するとともに、「自動車の燃費性能の評価及び公表に関する実施要領」に基づき、自動車の燃費性能を評価して「自動車燃費一覧」として公表しています。この度、平成21年のベスト10及び「自動車燃費一覧」を取りまとめました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000042.html

●「交通・観光カーボンオフセット支援システム」で初のオフセット実施【国土交通省、交通エコロジー・モビリティ財団】
 交通エコロジー・モビリティ財団がシステムを構築(国土交通省推奨)し、2009年12 月より利用申請受付を開始した「交通・観光カーボンオフセット支援システム」において、山梨県甲府市の旅行会社と長野県飯田市のタクシー事業者が初のオフセットを実施しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo10_hh_000036.html
 財団では、支援システムを利用した取組みを促進するため、モデル事業の募集を始めました。募集説明会が5月27に東京で開催されます。
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/20100426.html

●2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(確定値)について【環境省】
 環境省では、地球温暖化対策の推進に関する法律等に基づき、2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(確定値)をとりまとめました。運輸部門は、前年度から4.1%減少し、2億3,500万t-CO2になりました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12390

●自動車からの排出ガスによる大気汚染に対する新たな対策手法について〜「自動車交通環境対策検討会・ロードプライシング制度の在り方に関する分科会」〜 【環境省】
 環境省では、自動車NOx・PM法における環境基準の早期達成に向けた新たな対策の一つとして、自動車交通環境対策検討会内にロードプライシング制度の在り方に関する分科会を設置し、ロードプライシング制度の実現可能性について検討を行い、報告を取りまとめました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12321

●平成22年度低炭素地域づくり面的対策推進事業の選定結果について【環境省】
 環境省では、低炭素型の地域づくりに向けた公共交通の利用促進によるコンパクトシティへの取組などを促進するため、低炭素地域づくり面的対策推進事業の対象地域を選定しました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12347

●「環境対応車普及戦略」について【環境省】
 環境省では、環境対応車に関する今後の市場動向、技術開発の動向を踏まえ、普及目標及び普及拡大に向けた取り組み方針について、環境対応車普及方策検討会にて別添のとおり「環境対応車普及戦略」として取りまとめました。http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12354

●エコ通勤優良事業所認証登録された事業所が212カ所に【交通エコロジー・モビリティ財団】
エコ通勤優良事業所認証制度は、エコ通勤に関する意識が高く、取組を自主的かつ積極的に推進している事業所を客観的に認証し、その取組事例を広く周知することにより、エコ通勤の普及促進を図ることを目的として、平成21年6月に創設されたものです。交通事業者団体や経済団体、関係行政機関などからなる「公共交通利用推進等マネジメント協議会」が認証機関となり、国土交通省と当財団が事務局を運営しています。
平成22年3月末現在、認証登録事業所数は212カ所となりました。
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecommuters/ecommuters_top.html

●荷主・荷受人から環境に配慮した運搬を推進するエコ運搬制度!!【川崎市】
 川崎市では、二酸化窒素に係る対策目標値の早期達成及び地球温暖化対策の推進のため、「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例」を一部改正し、エコ運搬制度を平成22年4月1日から導入しました。エコ運搬制度とは、川崎市内の荷主や荷受人が主体となって、製品や貨物等の出荷、原材料の購入、廃棄物の運搬などの際、運送事業者や取引先事業者に対し、環境に配慮した運搬の実施を要請する制度です。http://www.city.kawasaki.jp/30/30zidou/home/eco-transport/eco-transport-top.htm

●「人吉・球磨地域公共交通総合連携計画」の公表【熊本県人吉市】
 人吉球磨10市町村(人吉市・錦町・多良木町・湯前町・相良村・水上村・山江村・五木村・球磨村・あさぎり町)では、地域住民代表、交通事業者、学識経験者などで組織する人吉・球磨地域公共交通活性化協議会を設置し、地域公共交通の活性化を図り、将来にわたって公共交通を維持するため「人吉・球磨地域公共交通総合連携計画」を策定しました。
http://www.city.hitoyoshi.lg.jp/q/aview/176/1548.html

●「電車で、ECO MOVE。」キャンペーン企画 〜「環境にやさしい」電車でおトクに出かけよう!〜 4月15日(木)から「エコ乗りフリーきっぷ」を発売します【名古屋鉄道】
 名古屋鉄道は、「環境にやさしい」鉄道利用を促進する「電車で、ECO MOVE。」キャンペーンの一環として、ゴールデンウィークをはじめとした、春の行楽の際、電車をご利用いただくため、4月15日(木)〜5月9日(日)まで「エコ乗りフリーきっぷ」を発売します。
http://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2010/1200691_1138.html

●「渥美線サイクルトレイン」の試験運行について【豊橋鉄道】
 豊橋鉄道では、「渥美線サイクルトレイン」を試験的に運行しています。サイクルトレインとは自転車を鉄道車両内に、輪行状態ではなく完成車の状態で持ち込むことができるサービスです。この機会に、渥美半島への行楽や豊橋市中心市街地へのお買い物などに自転車を利用することを勧めています。
http://www.toyotetsu.com/cgi/news/s_news.cgi?action=show_detail&txtnumber=log&mynum=183

●モビリタでエコドライブ講習をはじめました【トヨタ自動車】
 トヨタ自動車は、富士スピードウェイ内のモビリタで、業務や通勤でクルマを使用する方、企業・団体の現場で安全運転を指導する方、企業・団体の安全運転をマネジメントする方などを対象に、各々のニーズに対応した講習プログラムを用意しています。この度、燃費の向上を目指してエコドライブの基本を習得するとともに安全意識の向上を図る講習を開始しています。
http://www.toyota.co.jp/mobilitas/tdc/program02.html

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4.イベント情報
●環境サロン「地球温暖化防止について語る—我が国の地球温暖化対策に係る中・長期計画等について」
 日時:2010年4月30日(金) 18:00-20:00
 場所:(社)環境情報科学センター2F会議室
 主催:(社)環境情報科学センター
http://www.ceis.or.jp/saloninfo_100430.html

●都市交通研究成果報告会 平成21年度交通と都市研究分野学生研究成果の報告
 日時:2010年5月1日(土) 14:00-17:00
 場所:横浜国立大学土木工学棟2階セミナー室
 主催:横浜国立大学大学院工学研究院
http://www.ynu.ac.jp/hus/engk/35/detail.html

●第10回 全国路面電車サミット 2010富山大会
 日時:2010年5月21日(金)午後
 場所:富山国際会議場
 主催:全国路面電車サミット2010富山大会実行委員会
http://romen-densha.toyama.to/

●第18回環境自治体会議ちっご会議
 日時:2010年5月26〜28日
 場所:サザンクス筑後・大川市文化センター・大木町総合体育館他
 主催:第18回環境自治体会議ちっご会議実行委員会、環境自治体会議、福岡県筑後市・大川市・大木町
http://www.town.oki.fukuoka.jp/tiggokaigi/tiggokaigi_1.htm

●交通・観光カーボンオフセット モデル事業募集説明会
 日時:2010年5月27日(木)10:00〜12:00
 場所:アルカディア市ヶ谷(私学会館)7階「白根」
 主催:交通エコロジー・モビリティ財団
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/20100426.html

●第5回 日本モビリティ・マネジメント会議
 日時:2010年7月30日(金)・31日(土)
 場所:広島県福山市 まなびの館ローズコム
 主催:(社)日本モビリティ・マネジメント会議
http://www.jcomm.or.jp/

●鉄道技術展 2010
 日時:2010年11月10日(水)-12日(金)
 場所:幕張メッセ
 主催:フジサンケイ ビジネスアイ
http://www.mtij.jp/

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5.その他
●EST普及推進フォーラムの講演録とEST交通環境大賞のダイジェストを掲載
第3回EST普及推進フォーラムの講演録等と、第1回EST交通環境大賞のダイジェストを、ESTポータルサイトに掲載しましたので、ご覧下さい。
  http://www.estfukyu.jp/

●記事募集中!
本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。EST、または「交通と環境」に関連する取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
→ E-mail:magazine@ecomo.or.jp(担当:市丸)
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 発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
     (交通エコロジー・モビリティ財団)
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