ESTメールマガジン 第47号(2010.6.25)

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ESTメールマガジン 第47号(2010.6.25)
発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
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□主な内容
【国土交通省ホームページに"−これから導入を進めるための−ESTデータベース"を開設】
 国土交通省は、これからEST実現に取り組む地域のみなさまの参考となるよう、情報提供を行うためにESTデータベースを開設しました。

【土木と学校教育フォーラム開催!】
 土木学会主催、交通エコモ財団共催で「第2回土木と学校教育フォーラム」が開催され、専門家と実践者の双方で交通環境教育などを検討します。

□目次

1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第47回)
●「英国の交通計画制度の「かたち」と温暖化対応」
       【名城大学理工学部建設システム工学科 准教授 鈴木 温】
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第47回)
●「北九州市環境首都総合交通戦略の取組み状況」
        【北九州市建築都市局計画部都市交通政策課 泊 伸明】
3.ニュース/トピック
●国土交通省ホームページに"−これから導入を進めるための−ESTデータベース"を開設【国土交通省】
●平成22年地域公共交通活性化・再生優良団体表彰について【国土交通省】
●平成22年度「地域公共交通活性化・再生総合事業計画」等の公募結果について(3月公募)〜 全国で新たに194件の計画を認定しました〜【国土交通省】
●2010年国際交通フォーラムにおける表彰について〜JR東日本 ハイブリッド車両が受賞〜【国土交通省】
●モビリティ・マネジメント教育を実施される小中学校を支援します【交通エコロジー・モビリティ財団】
●エコドライブキャンペーンの開催【岩手県】
●大阪府電気自動車タクシー導入事業費補助金の対象事業者を募集します【大阪府】
●夏のエコスタイル・エコドライブキャンペーンについて【山口県】
●地域公共交通の活性化、利用促進に向けた取組みに補助を行います!【宮崎県】
●スポーツ業界初の「自転車通勤」を社内制度化【ゴールドウイン】
4.イベント情報
●交通経営マネジメント研究会 第27回交通経営マネジメント研究会「岐阜市の公共交通政策(仮)」【6/26】
●公共サービス研究会 第19回公共サービス研究会「交通プロジェクトはなぜ動かないか」【6/26】
●LRTフォーラム【6/26】
●まちづくりフォーラム2010 Vol.1【7/3】
●交通・観光カーボンオフセット支援システム説明会(仙台)【6/29】
●第5回 日本モビリティ・マネジメント会議【7/30, 7/31】
●第2回土木と学校教育フォーラム【8/6】
5.その他
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
●エコドライブを推進しています!
●交通・観光カーボンオフセット モデル事業を募集中!
●記事募集中!

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1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第47回)
●「英国の交通計画制度の「かたち」と温暖化対応」
       【名城大学理工学部建設システム工学科 准教授 鈴木 温】

 日本では地球温暖化対策基本法案が、一旦、廃案となりましたが、英国では世界に先駆け、2008年に「気候変動法(Climate Change Act)」を制定しています。気候変動法によって、2050年までに1990年比80%減という高い温室効果ガスの削減目標を設定するとともに、期間ごとの排出量を定める炭素予算(Carbon Budget)も導入されました。英国はすでに1990年比で20%以上の排出量削減を達成しており、順調に温暖化対策が進んでいると言えます。
 交通分野では、我が国でも英国同様、温室効果ガス削減に向けた様々な政策・施策が実施されていますが、英国と決定的に違う点があります。それは、我が国の交通計画は、他の個別部門計画との整合性が希薄であるという点です。英国では、2004年にRegionレベルの交通計画が土地利用や環境等の個別計画とともに空間戦略に包含されました。さらに、2009年には、経済戦略とも統合され、Regional Strategy(以下、RS)となりました。これにより、土地利用等、交通と密接に関わる個別計画と交通計画との調整が図られやすくなり、交通政策の効果が有効に発現することが期待されています。
 また、RSは、気候変動の緩和や適応に貢献する政策を含めることや、戦略的環境アセスの要件を満たした持続可能性評価を実施することが義務付けられています。すなわち、大元であるRSに温暖化配慮を義務付ければ、内包される個別計画も必然的に配慮することになるわけです。国の歴史や仕組みは違いますが、温室効果ガスの削減目標を着実に達成している英国の計画制度の「かたち」に学ぶことは多そうです。

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2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第47回)
●「北九州市環境首都総合交通戦略の取組み状況」
        【北九州市建築都市局計画部都市交通政策課 泊 伸明】

 北九州市では、過度のマイカー利用から、地球環境にやさしい公共交通や自転車への利用転換を目指して、今後の都市交通のあり方と短中期の交通施策を盛り込んだ「北九州市環境首都総合交通戦略」を平成20年12月に策定しました。
 この戦略は、「意識」「公共交通」「道路交通」の3分野、計28施策で構成されており、モビリティマネジメントの実施、交通結節機能の強化、幹線バス路線の高機能化、「おでかけ交通」(コミュニティバス)の支援強化、レンタサイクルの普及の5つを重点施策と位置づけています。
 この戦略に基づき現在まで、市民、小中学校、企業を対象としたモビリティマネジメントの実施、広告付きバス停やモノレール停留場への駐輪スペース整備、バスレーンのカラー舗装化、おでかけ交通の新規支援メニューの創設、小倉都心地区と八幡東区東田地区でサイクルステーション10箇所、電動自転車116台を24時間無人で貸出・返却できるコミュニティサイクルの導入・利用促進を進めています。
 また、本戦略の推進体制として、市民、企業、学識経験者、交通事業者、行政で組織する「北九州市環境首都総合交通戦略推進連絡会」を設置し、各施策の事業内容、スケジュール、事業主体などを盛り込んだ実施計画を作成しました。
 今後、引き続き市民・企業・交通事業者・行政が一体となって、戦略の理念である「みんなの思いやりと行動が支える、地球にやさしく安心して移動できるまち」を目指して、施策の推進に取り組んでいくこととしています。

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3.ニュース/トピック
●国土交通省ホームページに"−これから導入を進めるための−ESTデータベース"を開設【国土交通省】
 国土交通省では、平成16年度から平成18年度にかけて、公共交通機関の利用促進や自動車交通流の円滑化などによりEST (Environmentally Sustainable Transport)の実現を目指す先導的な地域をESTモデル地域として27箇所選定し、関係省庁の連携により集中的に支援を実施して参りました。
この"−これから導入を進めるための−ESTデータベース"では、これまでの選定地域を対象に成果のとりまとめや分析・検証の結果を、これからEST実現に取り組む地域のみなさまの参考となるよう、情報提供を行うために開設しました。
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/est_database/index.html

●平成22年地域公共交通活性化・再生優良団体表彰について【国土交通省】
 国土交通大臣は、地域公共交通の活性化・再生に積極的に取り組み、顕著な功績のあった方を表彰しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo03_hh_000048.html

●平成22年度「地域公共交通活性化・再生総合事業計画」等の公募結果について(3月公募)〜 全国で新たに194件の計画を認定しました〜【国土交通省】
 地域公共交通の活性化・再生に主体的に取り組む地域を支援する『地域公共交通活性化・再生総合事業』を活用するために必要な、「地域公共交通総合連携計画策定調査実施計画」(調査事業)及び「地域公共交通活性化・再生総合事業計画」(計画事業)について、新たに194件(調査事業:82件、計画事業:112件)を認定しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000024.html

●2010年国際交通フォーラムにおける表彰について〜JR東日本 ハイブリッド車両が受賞〜【国土交通省】
 このたび、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)がJR小海線で運行するハイブリッド車両が、公共交通分野におけるイノベーションに寄与したとして、ドイツ・ライプチヒで開催された「2010年国際交通フォーラム」(当省から辻元副大臣他が出席)で表彰されました。
JR東日本は2007年から小海線で世界初のハイブリッド営業車両キハE200形を運行しており、燃料消費率や排気中の有害物質の低減等の環境負荷低減効果が評価されたものです。
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo01_hh_000021.html

●モビリティ・マネジメント教育を実施される小中学校を支援します【交通エコロジー・モビリティ財団】
交通エコモ財団では、モビリティ・マネジメント教育(交通環境学習)の実施に意欲的な教員に対して、ノウハウの提供や資金面での支援を行う制度を新たに設けました。小中学校の教育課程において実施されるモビリティ・マネジメント教育を広く募集しています。
http://www.ecomo.or.jp/general/newsrelease/20100610.html

●エコドライブキャンペーンの開催【岩手県】
 岩手県は「温暖化防止いわて県民会議 温暖化を防ごう!いわて環境フォーラム エコ8キャンペーン」の一環として、平成22年7月1日(木) から 平成22年7月31日(土)の一ヶ月間、エコドライブキャンペーンを行ないます。
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?cd=26400

●大阪府電気自動車タクシー導入事業費補助金の対象事業者を募集します【大阪府】
 大阪府では、電気自動車(EV)を活用したタクシービジネスを行う事業者(50台分)を募集します。補助事業者には、EV1台につき、上限100万円を助成します。この取組みは、「大阪EVアクションプログラム」の一環として実施するもので、EVタクシーの定着をめざすとともに、多くの府民がEVの魅力を体感できる機会を創出し、「EVリーディング都市 大阪」を発信していきます。
http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=3852

●夏のエコスタイル・エコドライブキャンペーンについて【山口県】
 山口県では、地球温暖化を防止するため、「夏のエコスタイル・エコドライブキャンペーン」に取り組むこととしています。特に、6月は環境月間であることから、「ノーマイカー強化月間」としてノーマイカー通勤を強化することとしています。
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/201005/016019.html

●地域公共交通の活性化、利用促進に向けた取組みに補助を行います!【宮崎県】
 宮崎県の地域公共交通機関は、モータリゼーションや少子・高齢化の進行等により、利用者が減少し続けています。利用者の減少は交通事業者の収益を悪化させ、それがサービスの低下につながり、さらなる利用者の減少を招くと考えられます。このような状況を少しでも改善し、地域公共交通の活性化を促すことを目的に、関係機関・団体等が実施する利用促進活動等に対し支援を行います。
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/kenmin/kotsu/josei/page00028.html

●スポーツ業界初の「自転車通勤」を社内制度化【ゴールドウイン】
 株式会社ゴールドウインは、新たな社内制度として、自転車通勤の運用を開始しました。制度の対象者は、本社ビルを起点として走行距離半径2km以上20km以内に居住している社員で、希望者が申請書を提出することで自転車通勤を許可します。又、本社ビル地下1階の駐輪場を提供し、申請者に対しては、距離に応じて通勤手当も支給されます。飲酒運転や過労運転など7つの禁止事項や、ヘルメット・グローブの着用、任意保険の加入を義務づけ、他の通勤者および近隣環境への安全配慮や制度利用者個々人の倫理観醸成を目的とした制度運営をしながら、自転車ブランド有する企業として、注目を集める自転車通勤スタイルの模範を目指していきます。
http://www.goldwin.co.jp/corp/pr/2010/05/post-31.html

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4.イベント情報
●交通経営マネジメント研究会 第27回交通経営マネジメント研究会「岐阜市の公共交通政策(仮)」
 日時:2010年6月26日(土)13:30-15:30
 場所:吉田キャンパス総合研究2号館東側1階 大講義室
 主催:京都大学 経営管理大学院
http://www.si.gsm.kyoto-u.ac.jp/scty/tr/info/27.php

●公共サービス研究会 第19回公共サービス研究会「交通プロジェクトはなぜ動かないか」
 日時:2010年6月26日(土)15:30-17:30
 場所:吉田キャンパス総合研究2号館東側1階 大講義室
 主催:京都大学 経営管理大学院
http://www.si.gsm.kyoto-u.ac.jp/scty/pb/info/19.php

●LRTフォーラム
 日時:2010年6月26日(土)13:30-16:30(開場13:00)
 場所:横浜みなと博物館 訓練センター第1会議室
 主催:横浜にLRTを走らせる会、横浜の公共交通活性化をめざす会
http://lrt.cocolog-nifty.com/

●交通・観光カーボンオフセット支援システム説明会(仙台)
 日時:2010年6月29日(火)14:00−16:00
 場所:仙台サンプラザ1階「パール」
 主催:交通エコロジー・モビリティ財団
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/data/setumeikai_100629.pdf

●まちづくりフォーラム2010 Vol.1
 日時:2010年7月3日(土)13:30-16:30
 場所:福井市立郷土歴史博物館 講堂
 主催:福井市
http://www.city.fukui.lg.jp/d360/compact/suisin/2010-1.html

●第5回 日本モビリティ・マネジメント会議
 日時:2010年7月30日(金)、31日(土)
 場所:広島県福山市 まなびの館ローズコム
 主催:(社)日本モビリティ・マネジメント会議
http://www.jcomm.or.jp/

●第2回土木と学校教育フォーラム
 日時:2010年8月6日(金)9:15-17:30
 場所:土木学会 講堂、A,B,C,D会議室
 主催:土木学会、共催:交通エコロジー・モビリティ財団
http://committees.jsce.or.jp/education04/node/16

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5.その他
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
エコ通勤に関する意識が高く、取組を自主的かつ積極的に推進している事業所や自治体を、優良事業所として認証し登録しています。
  平成22年5月末登録数 : 217事業所
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecommuters/ecommuters_top.html

●エコドライブを推進しています!
平成22年度の、当財団認定団体でのエコドライブ講習受講実績は、以下の通りです。
     トラック・バス : 22,826名
     乗用車    :  1,522名
  各地の認定団体で、実際にエコドライブ講習を体験しては如何でしょうか。
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecodrive/ecodrive_top.html

●交通・観光カーボンオフセット モデル事業を募集中!
交通エコモ財団は、交通・観光カーボンオフセット支援システムを用いた取組みの事業計画で、他の交通・観光事業者のモデルとなり得るものを募集しています。
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/20100426.html

●記事募集中!
本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。EST、または「交通と環境」に関連する取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
→ E-mail:magazine@ecomo.or.jp(担当:市丸)
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 発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
     (交通エコロジー・モビリティ財団)
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