ESTメールマガジン 第53号(2010.12.27)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ESTメールマガジン 第53号(2010.12.27)
発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 

□主な内容
【交通基本法案に関する報告書案をまとめました!】
 国土交通省の交通政策審議会小委員会は、交通基本法の主要な論点である移動権及びその他の論点(まちづくり等との関係や関係者の責務)について審議を行い、報告書案をまとめました。

【「smart move 〜地球にやさしい移動にチャレンジ!〜」キャンペーン開始!】
 環境省は、公共交通機関の利用や自転車活用、自動車の利用方法の工夫など、移動にまつわる様々な環境配慮を「smart move」と名づけ、キャンペーンを開始しました。

□目次

1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第53回)
●「グルノーブル-アルプス都市圏の地域交通戦略」
                   【室蘭工業大学 くらし環境系領域 助教 有村幹治】
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第53回)
●「『自転車のまち宇都宮』の実現を目指して」
                          【宇都宮市 交通政策課 主事 小川恵太】
3.寄稿(3)「地方から全国に向けた情報発信!」(番外編)
●「バスと電車でecoグルメ!」
                           【京のアジェンダ21フォーラム 石崎雄一郎】
4.ニュース/トピック
●「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車のための充電設備設置にあたってのガイドブック」の公表について【経済産業省、国土交通省】
●「交通基本法案の立案における基本的な論点について」報告書案を取りまとめました【国土交通省】
●平成22年交通関係環境保全優良事業者等大臣表彰について【国土交通省】
●広島市におけるコミュニティサイクル社会実験の実施について【環境省、国土交通省、広島市】
●「smart move 〜地球にやさしい移動にチャレンジ!〜」キャンペーンの開始について【環境省】
●環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験について【青森県】
●「減クルマ」チャレンジウイークの取組み結果がまとまりました!【岩手県】
●自転車積載バスの運行について【つくば市】
●BMWグループが電気自動車MINI Eを利用した実証試験を発表【BMWグループ】
5.イベント情報
●新たな交通システムに関するパネル展【2010/12/2-2011/1/4】
●ITSセミナーシリーズ12「ITSセミナーin愛知」【2011/1/18/】
●第34回 都市計画セミナー「都市と成長戦略」【2011/1/25,26】
●—低炭素杯—低炭素地域づくり全国フォーラム【2011/2/5,6】
●第4回 EST普及推進フォーラム【2011/2/7】
●第六回 日本モビリティ・マネジメント会議【2011/7/15,16】
6.その他
●交通・観光カーボンオフセットモデル事業 第2次募集結果公表。現在、第3次募集中!
●グリーン経営認証登録された環境にやさしい運輸事業者を公表しています!
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
●エコドライブ講習を認定し、受講者に修了証を発行しています!
●記事募集中!

==================================================================
1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第53回)
●「グルノーブル-アルプスの地域交通戦略」
                   【室蘭工業大学 くらし環境系領域 助教 有村幹治】

 北海道に暮らしながら小人口社会を迎える地方都市のモビリティのありかたを考えると、ここ数年間のグルノーブルの地域交通の変遷を思い起こします。
 人口約50万人を擁するグルノーブル都市圏はローヌアルプ地域の第二の都市圏であり、現在、74駅で構成される4つのトラムラインと、21のバス路線、14のP&R施設が運用されています。フランスの都市交通制度に関しては、既に多くの研究が報告されておりますが、グルノーブル-アルプス地域についても、地域統合計画と都市圏交通計画(PDU)が連動することにより、都市計画と一体となった交通政策の展開がなされています。都市圏での公共交通の年間利用者数は、PDU制定前の1997年は4600万人でしたが、制定後の2003年には6300万人へと増加し2009年には7600万人を記録しています。
 筆者はヒアリングのために2006年にグルノーブルを訪問しましたが、新規に開発するトラムの敷設予定地上にある日交通量6万台のオーバーパスの爆破解体の瞬間を講堂で映写公開し、将来の都市交通の方向性を強く市民に印象付けていたことが記憶に残っています。このような市民とのコミュニケーションの演出を含めて、地域のモビリティ全般を継続的にマネジメントする組織の存在は大きく、今後の小人口社会を支える地域モビリティを考える上で、制度・財源だけではなく、適切な生活圏域における組織連携のありかたについて広く検討する必要を感じています。--------------------------------------------------------------------

2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第53回)
●「『自転車のまち宇都宮』の実現を目指して」
                          【宇都宮市 交通政策課 主事 小川恵太】

 宇都宮市は、人口約51万人、東京から北へ約100キロメートルの関東平野の北端に位置し、市街地を中心に平坦な地形が拡がっているなど、自転車利用に適した環境にあります。
 また、毎年10月には世界のトップ選手が参加する、アジア最高峰のロードレースである、「ジャパンカップ・サイクルロードレース」が開催され、今年は、本レース前日に中心市街地の大通りを交通規制し、「クリテリウム(都市型周回ロードレース)」を初めて開催し、全国、さらには世界からの熱狂的な自転車ファンなど両日で約10万人の観衆が集まりました。
 このような中、本市では、これまでも平成15年3月に策定した「自転車利用・活用基本計画」に基づき、カラー舗装化による自転車専用通行帯の整備などの施策に取り組んできました。
 さらに、今年度は、「自転車利用・活用基本計画」の計画期間の終了にあわせて、「環境」「健康」「スポーツ」「観光」などの新たな観点からの施策事業を加えた自転車に関する総合的な計画である「自転車のまち推進計画」を策定するとともに、自転車利用者のための利便性向上を目的とした施設「宮サイクルステーション」の設置や宿泊施設と連携した「おもてなしレンタサイクル」の社会実験を実施するなど、新たな取組もスタートしており、これからも市民とともに、人や環境にやさしい自転車を活用したまち「自転車のまち宇都宮」の実現を目指してまいります。
--------------------------------------------------------------------

3.寄稿(3)「地方から全国に向けた情報発信!」(番外編)
●「バスと電車でecoグルメ!」
                           【京のアジェンダ21フォーラム 石崎雄一郎】

 京のアジェンダ21フォーラムでは、京都市で、地球温暖化防止のために公共交通機関の利用を促進する取組として、「バスと電車でecoグルメ!」を実施しています。
 この取組は、公共施設や観光案内所、駅の構内などで配布するキャンペーンのパンフレットに掲載された飲食店を利用する際、その日に路線バスや電車を利用したことが証明できる乗車券等を提示すると、店舗それぞれの特典が受けられるというものです。
 市民や観光客のみなさんに、自家用車の利用から公共交通への転換を促すとともに、掲載する飲食店に対し、地球温暖化防止など環境配慮についての意識啓発を行います。
 環境に優しいものやサービスを促進する方法の一つに、それを使うとお得になるという経済的インセンティブがあります。環境を守らないといけないという義務感に訴えかけるだけはなく、自然とそのようなもの・サービスを使いたくなるような特典を与えることで、もっと楽しく、環境に貢献できます。バスや電車に乗って、このお店に行けば、美味しい料理がお得に味わえる!という気持ちになってもらえれば、楽しく気軽に、温暖化防止の取組ができるわけです。
 パンフレットは、お店だけでなく、地図や観光案内、エコに関わる記事も入った冊子形式で、長く手元に置いてもらえるように作っています。また、表紙はパッと手にとってもらえそうなものをイメージして作りました。読んでいて面白いというのもまた、パンフレットを利用してもらう大きなインセンティブとなります。

<参考>
 第二期(2010年12月1日〜2011年3月31日)のお知らせ
 http://ma21f.sblo.jp/article/41834869.html
 第一期(2010年8月1日〜2010年11月30日)のお知らせ 
 http://ma21f.sblo.jp/article/39910794.html

--------------------------------------------------------------------

4.ニュース/トピック
●「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車のための充電設備設置にあたってのガイドブック」の公表について【経済産業省、国土交通省】
 経済産業省と国土交通省では、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の普及に備えて、充電設備を新たに設置しようとする者が検討すべき事項や注意すべき事項について、関連企業・団体等の協力を得て取りまとめ、「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車のための充電設備設置にあたってのガイドブック」を作成いたしました。
http://www.meti.go.jp/press/20101207002/20101207002.html
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000051.html

●「交通基本法案の立案における基本的な論点について」報告書案を取りまとめました【国土交通省】
 交通政策審議会及び社会資本整備審議会は、両審議会に交通基本法案検討小委員会を設置し、12月24日に報告書案を取りまとめました。基本的な論点について検討するため、まず、交通をめぐる状況及び交通に対する基本的な認識について整理を行い、その上で、主要な論点である移動権及びその他の論点(まちづくり等との関係や関係者の責務)について審議を行いました。
http://www.mlit.go.jp/common/000132576.pdf 
(注)最終報告書は来月公表される予定

●平成22年交通関係環境保全優良事業者等大臣表彰について【国土交通省】
 国土交通省は、環境保全に関する活動に積極的に取り組み、顕著な功績のあった者に対し、国土交通大臣から表彰を行っています。今年度は、環境に配慮した車両の導入や運行施設における省エネルギーの推進及び環境に配慮した事業などに取り組んだ阪神電気鉄道株式会社や、公共交通機関を利用したエコ通勤を推進しグループを挙げて高いエコ通勤比率を達成した八十二銀行グループ等が受賞者となりました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo03_hh_000059.html

●広島市におけるコミュニティサイクル社会実験の実施について【環境省、国土交通省、広島市】
 広島市では、「自転車都市ひろしま」を掲げ、地球環境にやさしく手軽で便利な交通手段である自転車について、利用環境を整えるなど総合的な施策を進めています。環境省の平成22年度地球温暖化対策技術開発等事業(競争的資金)として採択された「ダイバーシティ認証決済システム構築による自転車シェアリングサービスに関する技術開発」の一環として、広島市及び国土交通省との連携の下で広島市をフィールドとしたコミュニティサイクルの社会実験を実施し、本格導入に向けた検証を行います。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13258

●「smart move 〜地球にやさしい移動にチャレンジ!〜」キャンペーンの開始について【環境省】
 環境省は、「チャレンジ25キャンペーン」の一環として、"「移動」を「エコ」に。"をテーマに、よりCO2排出量の少ない「移動」にチャレンジする「smart move(スマート・ムーブ)〜地球にやさしい移動にチャレンジ!」キャンペーンを開始します。このキャンペーンでは、CO2排出の少ない移動にチャレンジし、エコなだけでなく、便利で快適に、しかも健康にもつながるライフスタイルを「smart move」と名づけ、賛同企業・団体と連携しながら、公共交通機関の利用や自転車活用、自動車の利用方法の工夫など、移動にまつわる様々なアクションへの参加を呼びかけていきます。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13217

●環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験について【青森県】
 青森県および青森市は、地球温暖化問題が深刻化する中、CO2排出量が少ない電気自動車の普及に向け、国土交通省都市・地域整備局が実施する充電施設の設置・配置の実証実験に協力しています。
http://www.pref.aomori.lg.jp/kotsu/build/toshikei_ev_zissyo.html

●「減クルマ」チャレンジウイークの取組み結果がまとまりました!【岩手県】
 岩手県公共交通利用推進協議会では、公共交通の利用推進及びCO2排出抑制を図るため、盛岡市・一関市・釜石市と連携し、10月4日(月)から11日(月)まで「減クルマ」チャレンジウイークを実施しました。
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?cd=29636

●自転車積載バスの運行について【つくば市】
 つくば市では、自転車積載バスの運行が、「つくば環境スタイル」をはじめ、「つくば市地域公共交通総合連携計画」、「〜りんりんつくば〜 自転車のまちつくば基本計画」の施策として位置づけられています。今回、つくバス「北部シャトル」において自転車積載バスの実証運行をおこないます。
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/897/008019.html

●BMWグループが電気自動車MINI Eを利用した実証試験を発表【BMWグループ】
 ビー・エム・ダブリュー株式会社は、電気自動車MINI E(ミニ・イー)を利用した実証試験を2010年11月30日より東京で開始しました。実証試験を実施するため、参加者を一般ユーザーから28名募集し、東京電力ならびに早稲田大学とパートナーシップを組みました。
http://news.bmw.co.jp/press/2010/11/bmw-mini-e.html

--------------------------------------------------------------------
5.イベント情報
●新たな交通システムに関するパネル展
 日時:2010年12月2日(木)〜2011年1月4日(火)
 場所:ほんぽーと中央図書館 エントランス
 主催:新潟市
 http://www.city.niigata.jp/info/kotsu/new-system/h22_exhibition.html

●ITSセミナーシリーズ12「ITSセミナーin愛知」
 日時:2011年1月18日 13:00〜18:55
 場所:愛知県立大学長久手キャンパス講堂
 主催:東京大学生産技術研究所先進モビリティ研究センター(ITSセンター)・愛知県ITS推進協議会・愛知県立大学
 http://www.its.iis.u-tokyo.ac.jp/

●第34回 都市計画セミナー「都市と成長戦略」
 日時:2011年1月25日(火)、26日(水)
 場所:早稲田大学国際会議場
 主催:社団法人日本都市計画学会
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/cpij/com/proj/s34.html

●—低炭素杯—低炭素地域づくり全国フォーラム
 日時:2011年2月5日(水) 、6日(木)
 場所:東京大学 安田講堂及び山上会館
 主催:低炭素地域づくり全国フォーラム実行委員会
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13123

●第4回 EST普及推進フォーラム
 日時:2011年2月7日(月)
 場所:スクワール麹町(東京都千代田区麹町6丁目6番:四ッ谷駅前)
 主催:EST普及推進委員会、交通エコロジー・モビリティ財団
 ☆詳細及び申込方法は来月中旬に http://www.estfukyu.jp/ に掲載します。

●第六回 日本モビリティ・マネジメント会議
 日時:2011年7月15日(金)、16日(土)
 場所:宮城県仙台市 仙台市情報・産業プラザ
 主催:(社)日本モビリティ・マネジメント会議
 http://www.jcomm.or.jp/

--------------------------------------------------------------------
6.その他
●交通・観光カーボンオフセットモデル事業 第2次募集結果公表。現在、第3次募集中!(〜2011/1/14まで)
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/20101115.html

●グリーン経営認証登録された環境にやさしい運輸事業者を公表しています!
  http://www.ecomo.or.jp/environment/greenmanagement/top.html#5

●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecommuters/ecommuters_top.html

●エコドライブ講習を認定し、受講者に修了証を発行しています!
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecodrive/ecodrive_top.html
 
●記事募集中!
本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。EST、または「交通と環境」に関連する取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
→ E-mail:magazine@ecomo.or.jp(担当:市丸)
==================================================================
 発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
     (交通エコロジー・モビリティ財団)
配信申込、バックナンバー閲覧はこちらから
http://www.estfukyu.jp/mailmagazine.html
配信停止はこちらから
https://p.blayn.jp/bm/p/f/tf.php?id=mail_ecomo

ESTポータルサイト:http://www.estfukyu.jp/

コメント

このブログの人気の投稿

【Amazonサイバーマンデー】iPad(第8世代)用のSmart Keyboardが10%OFFとか珍しくない?

ESTメールマガジン 第71号

Googleクラウドに小売業向けに特化した新サービス