ESTメールマガジン 第55号(2011.2.25)

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                ESTメールマガジン 第55号(2011.2.25)
          発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
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□主な内容
【smart move 実施中!】
 環境省はさっぽろ雪まつり・新千歳空港(北海道)や東京急行電鉄(東横線)と連携し、smart moveを展開しています。

【第4回カーボン・オフセットEXPO in 東京 開催!】
 環境省は過去最大級のカーボン・オフセットフェスタを東京国際フォーラムで開催します。交通エコロジー・モビリティ財団も出展・講演します。

□目次

1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第55回)
●「新興国・途上国の自動車増加に思うこと」
                 【横浜国立大学大学院工学研究院 准教授 岡村 敏之】
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第55回)
●「川崎の事業者から全国の事業者へECOメッセージを発信!!」
        【川崎市環境局交通環境対策課 課長 吉田 美登利】
3.ニュース/トピック
●東京の地下鉄の一元化等に関する協議会(第4回)の開催について【国土交通省】
●「北海道 smart move大作戦」及び「新千歳 ECO AIRPORT 2011」の実施について【環境省】
●カーシェアリング車両台数と会員数の調査結果を発表【交通エコロジー・モビリティ財団】
●パンフレットを作成(うつのみやが目指すまちづくりと公共交通ネットワーク)【宇都宮市】
●「EV(電動)バス運行に関する実証実験」の実施【京都市】
●三室病院発乗合タクシーの実験運行を開始!【奈良県】
●高速道路の無料化及び上限料金制度について(要望)【北海道旅客鉄道、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道、四国旅客鉄道、九州旅客鉄道、日本貨物鉄道】
●東京急行電鉄株式会社と環境省との連携による取組「smart move号」の概要について【東急電鉄、環境省】
●ICカード「マナカ(manaca)」デビュー!【名古屋交通開発機構】
4.イベント情報
●都市交通トーク番外編:世界の都市と交通【2011/2/26】
●地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ推進地域フォーラム〜低炭素社会構築に向けた地域の取組に学ぶ〜【2011/2/28,3/3,4】
●第2回近未来の自動車・交通システムシンポジウム【2011/3/1】
●2010年度土木計画学研究委員会第14回国際セミナー「コミュニティ・サイクルによる都市モビリティ・マネジメント戦略:ロンドンおよび日本の事例にみる新たな自転車共同利用」【2011/3/3】
●とよたエコドライブプロジェクト成果発表会「人とまちへの思いやり。とよたエコドライブ」【2011/3/13】
●第4回カーボン・オフセットEXPO in 東京【2011/3/14】
●第6回 日本モビリティ・マネジメント会議【2011/7/15,16】
5.その他
●「運輸・交通と環境2010年度版」を発行しました!
●グリーン経営認証登録された環境にやさしい運輸事業者を公表しています!
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
●エコドライブ講習を認定し、受講者に修了証を発行しています!
●交通・観光事業者によるカーボンオフセットの取組みを支援しています!
●「モビリティ・マネジメント教育」ポータルサイトを運営しています!
●記事募集中!

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1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第55回)
●「新興国・途上国の自動車増加に思うこと」
                 【横浜国立大学大学院工学研究院 准教授 岡村 敏之】

 新興国や途上国で自動車保有が大きく増加しています。例えばバンコクの人口あたり乗用車保有率は、いまや日本とあまり変わりません。また北京市の乗用車保有率は、東京都の7割強にまで上昇しました。上海は北京の半分程度ですが、これは自動車登録の制限政策に大きく拠っています。北京でも、2011年からの自動車登録の制限政策が発表されました。
 では、交通問題・環境問題の解決に保有制限は有効でしょうか?確かに、交通インフラ整備のための短期的な「時間稼ぎ」には、一つの方策でしょう。しかし、特に途上国や新興国では、自動車台数自体の増加とともに、自動車保有者の生活パターンがどんどん自動車に依存しつつあることがより大きな課題と考えています。加えて、自動車を持っていない人々の自動車志向の強さです。複数の途上国で、自動車の保有と利用の意向を調査したことがありますが、自家用車非保有者のほうが、例えば「できれば公共交通は使いたくない」というような意向が強いのです。
 これらの国々では、自動車を保有しても公共交通を利用する、というような「交通手段の使い分け」にはまだ至っていないと感じます。東京都市圏は、この30年で乗用車保有台数は約6割増加しましたが、自動車分担率にそこまでの大きな変化はありません。一方、厳しい自動車保有抑制策で知られるシンガポールは、乗用車保有率こそ東京都の約半分ですが、1台あたり乗用車走行距離は東京の2倍を大きく越えます。保有の制限は、かえって自動車利用者の自動車依存を高める可能性があります。
 途上国や新興国では、自動車の台数だけでなく利用の増加にも目を向けて、社会の自動車依存を抑制する必要性とその方策について、データに基づいてうったえていく重要性を日々感じています。

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2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第55回)
●「川崎の事業者から全国の事業者へECOメッセージを発信!!」
        【川崎市環境局交通環境対策課 課長 吉田 美登利】

 川崎市は、東京都、横浜市に隣接し、陸・海・空の交通の要として優れた立地特性があることから、首都圏全体の物流拠点として、日々、多くの物流車両が往来しています。そこで、物流車両の排出ガスによる地域環境及び地球環境への負荷の低減を図るため、川崎市条例を一部改正し、平成22年度から『エコ運搬制度』を施行しました。
 この制度は、事業活動に伴う貨物運搬(製品等の出荷、原材料の購入など)が生じる際、川崎市内の事業者から全国の運送事業者や取引先事業者に対して、エコドライブの実施や低公害・低燃費車の利用(=エコ運搬の実施)を要請することにより、全国から川崎市に集まる物流車両にエコ運搬の実施を促していくものです。施行後、約1年が過ぎようとしていますが、この間、積極的にエコドライブに取組む「かわさきエコドライブ宣言」登録事業者が全国的に広がりをみせており、登録事業者数も倍増するなど、着実に制度の効果が表れ始めています。
 さらに、先進的な環境配慮の取組を実施する事業者を積極的にサポートする仕組みとして、これらの事業者を優良事業者として登録し、その先進的取組を広く市民の方々や他社に広めていくための「エコ運搬ポータルサイト」を開設しました。
 これらの取組を通じて、積極的に環境配慮に取組む事業者が広く社会に評価され、取組意欲を誘起し、更なる取組拡大につながる「環境配慮取組の好循環」を形成することを目指しています。
(エコ運搬ポータルサイト:http://eri-kawasaki.jp/ecounpan/ )

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3.ニュース/トピック
●東京の地下鉄の一元化等に関する協議会(第4回)の開催について【国土交通省】
 国土交通省は、東京の地下鉄の一元化、東京メトロの早期完全民営化等の課題を関係者間において共有化し、具体的な解決策やサービス向上策の実現に向けて、実務的な検討を行う協議会を開催しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo04_hh_000026.html

●「北海道 smart move大作戦」及び「新千歳 ECO AIRPORT 2011」の実施について【環境省】
 環境省は、北海道エリアにおける温暖化防止行動の普及啓発を目的とした「北海道 smart move大作戦」の実施及び新千歳空港が展開している「新千歳 ECO AIRPORT 2011」に特別協力を行います。「北海道 smart move大作戦」は、札幌市交通局と連携し、よりCO2排出量の少ない「移動」へのチャレンジを呼びかけるもので、2月7日(月)〜13日(日)に開催される、さっぽろ雪まつり会場での展開を皮切りに、3月15日まで札幌市内で実施します。また、「新千歳 ECO AIRPORT 2011」は、1月15日(土)〜3月31日(木)の期間中、空港内施設と札幌市内を結んで環境イベントを実施します。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13426

●カーシェアリング車両台数と会員数の調査結果を発表【交通エコロジー・モビリティ財団】
 交通エコロジー・モビリティ財団は2011年1月、わが国のカーシェアリング車両台数と会員数を調査しました。その結果、わが国のカーシェアリング車両ステーション数は2,917ヶ所(前年の3.4倍)、車両台数は3,911台(同3.0倍)、会員数は73,224人(同4.5倍)と急増していることがわかりました。
http://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_graph2011.1.html

●パンフレットを作成(うつのみやが目指すまちづくりと公共交通ネットワーク)【宇都宮市】
 宇都宮市は、うつのみやが目指している「まちづくり」と「公共交通ネットワーク」について、市民に関心を持っていただくことを目的にパンフレットを作成しました。同市は、誰もが快適に移動することができる暮らしやすいまちづくりを、市民と一緒に進めていきたいとしています。http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kotsu/18482/018483.html

●「EV(電動)バス運行に関する実証実験」の実施【京都市】
 京都市では、走行中二酸化炭素の排出がなく、環境にやさしいEVバスの実用化に向け、三菱重工業株式会社と共同で、国土交通省の「EVバス運行に関する実証実験」を行いました。また、実証実験の開始に当たり、京都市役所前広場において出発セレモニーを開催しました。
http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000094631.html

●三室病院発乗合タクシーの実験運行を開始!【奈良県】
 奈良県では、公共交通機関による県立三室病院のアクセス環境の改善を図るため、三室病院から、王寺町周辺の地域への乗合タクシーの実験運行を行います。
http://www3.pref.nara.jp/hodo/dd.aspx?itemid=36816#itemid36816

●高速道路の無料化及び上限料金制度について(要望)【北海道旅客鉄道、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道、四国旅客鉄道、九州旅客鉄道、日本貨物鉄道】
 北海道旅客鉄道、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道、四国旅客鉄道、九州旅客鉄道、日本貨物鉄道のJR 7社は、高速道路の上限料金制度や無料化に反対する要望書を国土交通省に提出しました。政府が平日2,000円とする上限料金制度の4月実施を2月16日に発表したことを受け、無料化路線の拡大とも合わせて、(1)環境政策との矛盾 (2)限定される受益者 (3)鉄道事業への大きな影響を理由に、見送りを求めた。環境政策の面では、「環境負荷が少ない鉄道からの転換が生じ、CO2排出量が増加する」と指摘しました。
http://www.jreast.co.jp/press/2010/20110211.pdf

●東京急行電鉄株式会社と環境省との連携による取組「smart move号」の概要について【東急電鉄、環境省】
 東京急行電鉄は、環境省と連携し、東横線内において地球温暖化防止のため「移動」を「エコ」にする取組「smart move(スマート・ムーブ)」をPRする列車「smart move号」を2月21日(月)〜4月19日(火)の期間運行します。この「smart move号」は東急5000系の車体側面と正面に地球にやさしい移動手段である電車の利用促進をアピールするステッカーを添付し、地球温暖化防止を呼び掛けるラッピング車両です。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13506

●ICカード「マナカ(manaca)」デビュー!【名古屋交通開発機構】
 名古屋交通開発機構は、2011年2月11日に名古屋鉄道・名鉄バス・名古屋市交通局・名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)・名古屋ガイドウェイバス・豊橋鉄道で使用できる非接触型ICカード乗車券manaca(マナカ)のサービスを開始しました。
http://www.do758.co.jp/index2.html
http://manaca.meitetsu.co.jp/

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4.イベント情報
●都市交通トーク番外編:世界の都市と交通
 日時:2月26日(土) 15:30〜17:30
 場所:横浜国立大学土木工学棟2階セミナー室
 主催:横浜国立大学
 http://transport-lab.cocolog-nifty.com/pudding/2011/01/post-905f.html

●地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ推進地域フォーラム〜低炭素社会構築に向けた地域の取組に学ぶ〜
【大阪会場】
 日時:2011年2月28日(月) 14:00〜16:30
 場所:大阪国際交流センター 大ホール
 主催:環境省
【広島会場】
 日時:2011年3月3日(木) 14:00〜16:30
 場所:アステールプラザ 中ホール
 主催:環境省
【福岡会場】
 日時:2011年3月4日(金) 14:00〜16:30
 場所:都久志会館
 主催:環境省
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13492
 http://www.challenge25.go.jp/roadmap/forum.html

●第2回近未来の自動車・交通システムシンポジウム
 日時:3月1日(火)  13:30〜17:00
 場所:アクトシティ浜松 コングレスセンター31会議室
 主催:静岡大学
 http://sangakukan.jp/event/right_contents/event/detail.php?eid=1235

●2010年度土木計画学研究委員会第14回国際セミナー「コミュニティ・サイクルによる都市モビリティ・マネジメント戦略:ロンドンおよび日本の事例にみる新たな自転車共同利用」
 日時:2011年3月3日(木)13:00〜16:30
 場所:共立女子大学 共立講堂
 主催:コミュニティバイク研究会
 http://community-bike.com/

●とよたエコドライブプロジェクト成果発表会「人とまちへの思いやり。とよたエコドライブ」
 日時:3月13日(日) 14:00〜16:00
 場所:スカイホール豊田 大会議室
 主催:豊田市
 http://www.city.toyota.aichi.jp/division/al00/al03/1221718_7180.html

●第4回カーボン・オフセットEXPO in 東京
 日時:2011年3月14日(月) 11:00〜17:00
 場所:東京国際フォーラム 展示ホール2(B2F)
 主催:環境省
 http://www.j-cof.org/temporary/offset_expo_201103.html

●第6回 日本モビリティ・マネジメント会議
 日時:2011年7月15日(金)、16日(土)
 場所:宮城県仙台市 仙台市情報・産業プラザ
 主催:(社)日本モビリティ・マネジメント会議
 http://www.jcomm.or.jp/

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5.その他
●「運輸・交通と環境2010年度版」を発行しました!
  http://www.ecomo.or.jp/environment/kotsu2010/kotsu2010_top.html

●グリーン経営認証登録された環境にやさしい運輸事業者を公表しています!
  http://www.ecomo.or.jp/environment/greenmanagement/top.html#5
 2011年2月18日現在、6,977事業所が認証登録されています。

●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecommuters/ecommuters_top.html
  2010年12月末までに400事業所が認証・登録されています。

●エコドライブ講習を認定し、受講者に修了証を発行しています!
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecodrive/ecodrive_top.html

●交通・観光事業者によるカーボンオフセットの取組みを支援しています!
 http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/carbonoffset_system.html
支援システムを用いた取組み事例
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/carbonoffset_example01.html
交通・観光分野でのカーボンオフセットの取組み事例
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/carbonoffset_example02.html

●「モビリティ・マネジメント教育」ポータルサイトを運営しています!
 http://www.mm-education.jp/

●記事募集中!
本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。EST、または「交通と環境」に関連する取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
→ E-mail:magazine@ecomo.or.jp(担当:市丸)
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