ESTメールマガジン 第57号(2011.4.25)

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                ESTメールマガジン 第57号(2011.4.25)
          発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
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□主な内容
【「モビリティ・マネジメント教育にかかわる学校支援制度」支援校募集中!】
 交通エコロジー・モビリティ財団ではモビリティ・マネジメント教育(交通環境学習)を実施する小中学校を6月30日まで募集しています。

【「第6回 日本モビリティ・マネジメント会議」開催地変更について】
 第6回 日本モビリティ・マネジメント会議の開催地が宮城県仙台市から青森県八戸市に変更されました。

□目次

1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第57回)
●「過疎地域の地域公共交通における課題」
                   【岡山大学大学院環境学研究科准教授 橋本 成仁】
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第57回)
●「地域ニーズに応じたデマンド交通『電話で予約バス』の運行」
       【可児市企画部総合政策課総合政策係長 肥田 光久】
3.ニュース/トピック
●「電気自動車による公共交通のグリーン化促進事業」公募開始【国土交通省】
●「天神公共交通マップ」、「博多駅公共交通マップ」の配布【国土交通省九州運輸局】
●モビリティ・マネジメント教育にかかわる学校支援制度【交通エコロジー・モビリティ財団】
●「人にやさしいバス(ノンステップバス)」の導入について【宇都宮市】
●コミュニティサイクル社会実験「baybike」がスタート【横浜市、NTTドコモ】
●ひろしまコミュニティサイクル社会実験「のりんさいくるHIROSHIMA」がスタート【広島市】
●バスICカード「りゅーと」を導入【新潟交通株式会社】
●日本初「日本交通タクシー配車」アプリ5万ダウンロード、配車5,000台達成【日本交通株式会社】
●トヨタ博物館にて企画展「未来の交通社会とクルマ」を開催【トヨタ自動車株式会社】
4.イベント情報
●日本交通学会関西部会「5月例会」【2011/5/6】
●LCS(低炭素社会戦略センター)設立1周年シンポジウム —低炭素社会実現に向けたシナリオと戦略—【2011/5/10】
●第6回PIセミナー「文化創造からみた21世紀の国土づくり」のご案内【2011/5/17】
●第15回欧州モビリティ・マネジメント会議(ECOMM2011)【2011/5/18-20】
●東日本大震災・復興まちづくり 私たちは何ができるのか、ともに考える【2011/5/20】
●第28回日本環境会議東京大会【2011/7/2,3】
●【開催地変更】第6回 日本モビリティ・マネジメント会議【2011/7/15,16】
5.その他
●広報ビデオ「グリーン経営認証〜制度の概要と取得の効果〜」の動画を公開しています!
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
●エコドライブ講習を認定し、受講者に修了証を発行しています!
●交通・観光事業者によるカーボンオフセットの取組みを支援しています!
●「モビリティ・マネジメント教育」ポータルサイトを運営しています!
●記事募集中!

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1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第57回)
●「過疎地域の地域公共交通における課題」
                   【岡山大学大学院環境学研究科准教授 橋本 成仁】

 地域公共交通の置かれた状況は、特に、地方部で非常に厳しい状況にあり、超高齢社会やモータリゼーションの進展による地域構造の変化の弊害が様々な形で影響を及ぼしています。
 中国地方は超高齢社会の進展が全国的に見ても早い地域で、限界集落として定義される集落が広範に広がっています。このような地域では、一般に人口密度が低く、地域公共交通の利用密度も低くなっており、生活交通の維持が財政上、極めて困難な状況にあります。また、このような地域で運行されている公共交通機関は、環境的な視点から評価した場合、必ずしも乗用車よりも優れたものとなるわけではないことも問題となっています。
 しかし、このような地域では、商店や医療施設の撤退・閉鎖が相次ぎ、日常的な買い物・通院も徒歩では難しい状況から、生活交通の確保は地域の持続可能性を維持するため喫緊の課題として認識されており、財政上の問題を抱えながらも各地の自治体は地域公共交通の整備に躍起になって取り組んでいます。
 将来の公共交通需要については、高齢者の免許取得率の急激な上昇を背景に、さらに利用が減少するという意見がある一方、高齢ドライバーの引き起こす交通事故増加の対策として、免許返納制度が各地で検討・導入されており、積極的に地域公共交通を活用する交通体系を構築すべきだという意見も見られます。
 ともあれ、人口密度、地域の施設分布から見て、過疎地域においては、将来にわたって、財政的にも、環境的にも必ずしも持続可能とは限らない地域公共交通をどうするべきなのか、地域の持続可能性の議論とどう折り合わせていくべきなのか検討を深めていく必要がありそうです。

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2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第57回)
●「地域ニーズに応じたデマンド交通『電話で予約バス』の運行」
       【可児市企画部総合政策課総合政策係長 肥田 光久】

 可児市では、高齢者等自動車を運転できない市民の社会参加の促進を図ることを目的に、定時定路線の「さつきバス」を運営していますが、週3日の運行など利用者目線でのサービスが提供されているとは言い難く、利用者は減少傾向にあります。
 そこで、地域の需要と移動の実態、経費を踏まえながら、地域に合った形での運行に改善するよう見直しを進め、一部地域においてデマンド運行方式の「電話で予約バス」の運行を開始しました。この「電話で予約バス」は、きめ細かくバス停を設置し事前予約制とすることで、運行区域内であれば短時間で自由に移動できるようにしたもので、運行日数と便数を増やすなど、利用者の利便性向上を図っています。その結果、利用者は「さつきバス」と比較して対前年比約193%となりました。
 また、タクシー事業者が所有する車両を利用し、予約のない便は運行しないことや乗降予約のないバス停には寄らないことから、結果的に事業収支が大幅に改善されました。(補助金削減率約62%)
 さらに環境への影響では、効率的な運行の実施により、CO2排出量は70%以上の削減効果が得られました。
 利用者ニーズに応じたサービス提供及び環境負荷の低減という視点から一定の効果が得られたことから、今後は、市内他地域への展開を進めるとともに、利用者にとってわかりやすい予約システムの検討や、市民の交通行動の変容施策の展開を推進してまいります。

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3.ニュース/トピック
●「電気自動車による公共交通のグリーン化促進事業」公募開始【国土交通省】
 国土交通省は、「電気自動車による公共交通のグリーン化促進事業」の公募を開始しました。観光地等における電気バス・電気タクシーを活用した意欲的な事業展開等を目指す事業者等を強力に支援し、国内観光地等における公共交通のグリーン化と観光振興等を促進するため、平成22年度補正予算(予算額4.5億円)により実施しています。
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha01_hh_000018.html

●「天神公共交通マップ」、「博多駅公共交通マップ」の配布【国土交通省九州運輸局】
 国土交通省九州運輸局では、公共交通のさらなる利便性向上をめざして、西日本鉄道、JR九州、福岡市交通局、福岡市住宅都市局と連携し、株式会社ゼンリンの協力のもと、昨年度作製し好評を得た「天神公共交通マップ」をリニューアルするとともに、新たに博多駅の公共交通に関する情報などをまとめた「博多駅公共交通マップ」を作製し、配布しています。
http://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/press/pdf/2011-0311-koutu01.pdf

●モビリティ・マネジメント教育にかかわる学校支援制度【交通エコロジー・モビリティ財団】
 交通エコロジー・モビリティ財団は、モビリティ・マネジメント教育(交通環境学習)を実施する小中学校を6月30日まで募集しています。ノウハウの提供や資金面での支援を行い、実施校の拡大と新たな教材事例の増加を図ることを目的としています。
http://www.mm-education.jp/gakkou_sien.html

●「人にやさしいバス(ノンステップバス)」の導入について【宇都宮市】
 宇都宮市は、平成23年度におけるノンステップバス導入計画の素案を公表しました。http://www.jcomm.or.jp/award/award_23.html

●コミュニティサイクル社会実験「baybike」がスタート【横浜市、NTTドコモ】
 横浜市とNTTドコモは、平成23年4月25日から、関内、みなとみらい地区などで、IT(情報技術)を活用したレンタルサイクル事業「コミュニティサイクル社会実験」を始めました。実験期間は3年で、その後、新たな公共交通手段としての定着を目指します。エリア内14か所の「サイクルポート」に計300台の自転車が配置され、どこでも貸し出し・返却ができます。
http://docomo-cycle.jp/yokohama/top

●ひろしまコミュニティサイクル社会実験「のりんさいくるHIROSHIMA」がスタート【広島市】
 広島市中心部において、環境省・国土交通省・広島市の三者が共同により、ひろしまコミュニティサイクル社会実験「のりんさいくるHIROSHIMA」が実施されます。期間は平成23年3月13日〜平成25年3月の予定です。広島市では、「自転車都市ひろしま」を掲げ、地球環境にやさしく手軽で便利な交通手段である自転車について、利用環境を整えるなど総合的な施策を進めています。
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1299239093045/index.html

●バスICカード「りゅーと」を導入【新潟交通株式会社】
 新潟交通では、新潟市オムニバスタウン計画の一環として、バスの定時性・走行性の向上に向け、バスICカード「りゅーと」を導入しました。一部路線でサービスを開始し、その後順次利用路線を拡大予定です。
http://www.city.niigata.jp/info/kotsu/by-bus/ic-card.html

●日本初「日本交通タクシー配車」アプリ5万ダウンロード、配車5,000台達成【日本交通株式会社】
 日本交通は、タクシーの配車注文をアプリのみで完結できるサービス「日本交通タクシー配車」のダウンロード数が5万件(Android版を含む)を超え、アプリ経由のタクシー配車台数も5,000台を突破したことを公表しました。同社は2011年1月18日より日本で初めてiPhone向けに提供を開始しました。
http://www.nihon-kotsu.co.jp/about/release/110414.html

●トヨタ博物館にて企画展「未来の交通社会とクルマ」を開催【トヨタ自動車株式会社】
 トヨタ自動車の文化施設であるトヨタ博物館(愛知県長久手町)において、4月21日(木)から7月3日(日)まで、企画展「未来の交通社会とクルマ」が開催されます。企画展では、環境・安全技術のさらなる向上に欠かせない「交通社会とクルマとの関係」について、約50年前から現在までの変遷と共にこれからの可能性を紹介しています。
http://www.toyota.co.jp/Museum/data/h170_1.html

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4.イベント情報
●日本交通学会関西部会「5月例会」
 日時:2011年5月6日(金)14:00〜
 場所:中央電気倶楽部 3階 315号室
 主催:日本交通学会
 http://gakkai.itej.or.jp/bukai.html

●LCS(低炭素社会戦略センター)設立1周年シンポジウム
 —低炭素社会実現に向けたシナリオと戦略—
 日時:2011年5月10日(火)13:00〜16:45
 場所:一橋記念講堂
 主催:独立行政法人 科学技術振興機構(JST)
 http://sympo.adthree.com/lcs2011/

●第6回PIセミナー「文化創造からみた21世紀の国土づくり」のご案内
 日時:2011年5月17日(火)13:00〜17:00
 場所:愛知芸術文化センター12階ホール
 主催:一般社団法人 社会基盤技術評価支援機構・中部
 http://www.criies.jp/information.html

●第15回欧州モビリティ・マネジメント会議(ECOMM2011)
 日時:2011年5月18日〜20日
 場所:フランス トゥールーズ
 テーマ:「景気低迷:モビリティマネジメントのための新しい夜明け(Economic Recession: A New Dawn for Mobility Management)」
 http://www.ecomm2011.eu/en

●東日本大震災・復興まちづくり
 私たちは何ができるのか、ともに考える
 日時:2011年5月20日(金)14:30〜17:30
 場所:キャンパスプラザ京都第二講義室
 主催:(株)学芸出版社、都市計画家協会関西支部
 http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1105higa/

●第28回日本環境会議東京大会
 日時:2011年7月2日(土)、3日(日)
 場所:東京経済大学 国分寺キャンパス 2号館
 主催:日本環境会議(JEC)・JEC東京大会実行委員会、東京経済大学学術研究センター
 http://www.einap.org/jec/taikai/tokyo/preinfo.htm

●【開催地変更】第6回 日本モビリティ・マネジメント会議
 日時:2011年7月15日(金)、16日(土)
 場所:青森県八戸市
 主催:(社)日本モビリティ・マネジメント会議
 http://www.jcomm.or.jp/

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5.その他
●広報ビデオ「グリーン経営認証〜制度の概要と取得の効果〜」の動画を公開しています!
http://www.ecomo.or.jp/environment/greenmanagement/dvd.html

●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecommuters/ecommuters_top.html
  2011年3月末現在、406事業所が認証・登録されています。

●エコドライブ講習を認定し、受講者に修了証を発行しています!
http://www.ecomo.or.jp/environment/ecodrive/ecodrive_top.html

●交通・観光事業者によるカーボンオフセットの取組みを支援しています!
 http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/carbonoffset_system.html
支援システムを用いた取組み事例
http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/carbonoffset_example01.html

●「モビリティ・マネジメント教育」ポータルサイトを運営しています!
 http://www.mm-education.jp/

●記事募集中!
本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。EST、または「交通と環境」に関連する取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
→ E-mail:magazine@ecomo.or.jp(担当:市丸)
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 発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
     (交通エコロジー・モビリティ財団)
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