ESTメールマガジン 第89号(2013.12.25)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
         ESTメールマガジン 第89号(2013.12.25)
     発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

□主な内容
【交通政策基本法が成立しました!】
 交通政策に関する基本理念などをまとめた交通政策基本法案が11月27日の参院本会議で賛成多数で可決、成立しました。

【第2回地域バス交通活性化セミナーを開催します!】
 エコモ財団と東北運輸局は、2月12日(水)に郡山市で第2回地域バス交通活性化セミナー「『バスの力』を考える 〜過度な自動車依存からの脱却を目指して〜」を開催します。

□目次
1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第89回)
●「地域公共交通としてのタクシー活用を考える」
             【公益財団法人 豊田都市交通研究所 主席研究員 山崎基浩】
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第89回)
●「秦野の街と人のために今からできること〜交通スリム化教育〜」
             【秦野市都市部公共交通推進課 主任主事 上松太一】
3.ニュース/トピック
●交通政策基本法の成立について
●平成25年交通関係環境保全優良事業者等大臣表彰について【国土交通省】
●平成25年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者、グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰について【国土交通省、経済産業省】
●「鉄道における交通系ICカードの普及・促進キャンペーン(第2弾)」【国土交通省】
●平成25年度 特殊自動車における低炭素化促進事業の3次公募及び4次公募について【環境省】
●スマートフォン専用アプリ「EV・PHV充電まっぷ」配布開始【愛知県】
●「観光・交通・環境(3K)」活動に関する奨励制度の創設について〜【京都市東山区】
●ハワイにおける日米スマートグリッド実証事業の実証サイトが始動【NEDO、日立製作所、みずほ銀行、サイバーディフェンス研究所】
●新型燃料電池電気自動車「Honda FCEV CONCEPT」を世界初披露【HONDA】
●「イオンモール幕張新都心」にEV・PHV充電クラウドサービスを提供【NEC】
●航空機燃料のバイオケロシンの使用拡大【オランダ社会基盤・環境省】
4.イベント情報
●平成25年度地球温暖化対策技術開発成果発表会【2014/1/16】
●交通・観光カーボンオフセット支援システム説明会(大阪)【2014/1/23】
●シンポジウム/ワークショップ「循環産業の新たな局面へ!連携と協働から考える次の一手」【2014/2/5,2/14】
●第2回地域バス交通活性化セミナー「『バスの力』を考える 〜過度な自動車依存からの脱却を目指して〜」【2014/2/12】
●低炭素杯2014【2014/2/14-15】
●カーボン・マーケットEXPO2014【2014/3/4】
5.その他
●モビリティ・マネジメント教育に取り組まれる自治体を支援します!
●ESTパートナーシップ会員制度に参加する団体を募集しています!
●EST普及推進委員会事務局はTwitterによる情報提供を始めています!
●平成25年度交通・観光カーボンオフセットモデル事業を募集しています!
●交通環境学習(モビリティ・マネジメント教育)メールマガジンを発行しています!
●「グリーン経営認証」に関する情報は、専用ホームページへ
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
●記事募集中!

==================================================================
1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第89回)
●「地域公共交通としてのタクシー活用を考える」
             【公益財団法人 豊田都市交通研究所 主席研究員 山崎基浩】
 昨今、自治体や地域に関わる各種組織が生活交通確保策に主体的に取り組む体制が整えられ、様々な地域公共交通サービスが展開されるようになりました。それらの多くはバス車両を用いた乗合事業として運行されていますが、需要の少ない地域ではその方法が効率的とは言い難い事例も散見されます。よく言われる「空気を運んでいる」状況では、環境にも財政にもやさしくありません。地域特性によっては個別少量輸送での生活交通確保が望ましいケースもあり、実際にタクシー事業者の参画やNPO等による有償運送により、セダン型車両を用いた運行やデマンド形式での乗合運行もなされています。
 さて、この「タクシー事業者」に着目すると、彼らの持つ資源(人・組織・管理システム・車両など)は高いポテンシャルを秘めていると考えられるのですが、地域公共交通確保において十分に活かされていないように思われます。タクシー事業をとりまく環境は厳しく、都市部では車両供給過多で労働環境が悪化し、地方部では利用者が少なく廃業に至る事業者も少なくありません。いわゆる「タクシー新法」において地域公共交通であることが明示されたタクシーですが、地域の協議会では業界が生き残るための共同減車が議論の中心となり、地域公共交通としてのタクシー活性化の議論に至っていないようです。
 タクシー本来の利点「door to door」「少量個別輸送」「24時間対応体制」等の面を活かせば、地域全体の公共交通システムにおいて効率的・効果的なサービス提供につながると考えられます。また、集中的にタクシー車両を次世代自動車に置き換え活用していくことで、環境にも寄与できるのではないでしょうか。ともあれ、まずは実態把握から調査に着手しております。なかなか手強そうなテーマですが・・・。

--------------------------------------------------------------------
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第89回)
●「秦野の街と人のために今からできること〜交通スリム化教育〜」
             【秦野市都市部公共交通推進課 主任主事 上松太一】
 秦野市では、交通渋滞の緩和を主な目的として、平成16年度に秦野市TDM(交通需要マネジメント)実施計画を策定し、平成21年度までの5年間、市民、事業所、交通事業者等との協働により、分散通勤やカーフリーデ—等、11の施策からなる「はだの交通スリム化プロジェクト」に取り組みました。
http://www.city.hadano.kanagawa.jp/kotsu/machi/kokyokotsu/s-project.html
 その取組みを総括して有識者等による秦野市交通需要マネジメント検討会から「はだの交通スリム化に向けた提言」がなされ、秦野市では、その趣旨を尊重し、新たに地球温暖化対策の視点を加え、施策体系を見直しつつ、自発的かつ継続的に取り組むことができる施策の定着化と強化を図ることとしました。
 11の施策の中で将来の街や人のため、着実に取り組んできた施策のうちのひとつが、「交通スリム化教育」です。
 車の利用が習慣化される前の児童を対象に車だけに頼り過ぎない交通利用意識を持つきっかけをつくることを目的に小学5年生が社会科で自動車産業を学習する時期に合わせ、スライド等を使用した「座学」と公共交通や自転車を利用して市内の公園やスーパーへの移動方法を考える「行動プランの作成」で構成した授業を行います。行動プランの作成では、学校を拠点に児童が現実的に移動プランを考えられるよう学校ごとに目的地を工夫しています。また、学習した内容を家庭で話題にしてもらえるように副読本を用意し、児童の保護者にも車の利用を考える機会となるようにしています。
 教育委員会の協力のもと、毎年数校ずつに依頼し、今年度市内全13小学校で2巡目の取り組みが終了したところですが、すべての学校で毎年度、主体的に授業が行えるようにするため、平成22年度から教諭を対象とした交通スリム化教育研修会を開催しています。
研修会では、交通スリム化教育の趣旨を教諭が的確に理解できるよう、有識者による講演と行動プランの作成を実際に体験する模擬授業を実施しています。
 その成果により、今年度はモデル校として2校が主体的に交通スリム化教育を行い、そのうち1校では、筑波大学公共心理研究室(谷口綾子准教授)の御支援をいただき、教室にいながら、空からまちを眺めるような感覚で、目的地の位置や移動距離を感じることができるガリバーマップ(約3m四方の大きな地図)を使用した授業を行いました。ブロックを使って、学習成果を視覚的に確認できるようにする等、ここ数年で作り上げたカリキュラムをさらに効果的なものにするため、新たな取り組みにも挑戦しています。

--------------------------------------------------------------------
3.ニュース/トピック
●交通政策基本法の成立について
 鉄道やバス、航空機、船舶など公共交通機関の維持や整備について基本理念を定めた交通政策基本法が11月1日に閣議決定され、11月27日の参院本会議で可決、成立しました。人口減少で過疎が進む地方の公共交通の維持が課題となっていることを背景に、国や自治体、事業者などが連携して交通網の維持に取り組むことを定めた内容となります。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18505017.htm
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000053.html

●平成25年交通関係環境保全優良事業者等大臣表彰について【国土交通省】
 国土交通省では、12月18日(水)に環境保全に関する活動に積極的に取り組み、顕著な功績のあった企業、自治体に対し、交通関係環境保全優良事業者大臣表彰を行いました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo03_hh_000124.html

●平成25年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者、グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰について【国土交通省、経済産業省】
 国土交通省、経済産業省では、12月12日(木)に「第12回グリーン物流パートナーシップ会議」を開催し、物流分野における地球温暖化対策に功績のあった事業者に対し、その功績を表彰しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000117.html
http://www.meti.go.jp/press/2013/12/20131202003/20131202003.html

●「鉄道における交通系ICカードの普及・促進キャンペーン(第2弾)」【国土交通省】
 国土交通省では、交通系ICカードの普及・促進を図ることを目的として、年末・年始を含む12月から1月にかけて、各鉄道事業者等で実施される交通系ICカードの普及・促進に関する取組みを紹介します。
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo02_hh_000044.html

●平成25年度 特殊自動車における低炭素化促進事業の3次公募及び4次公募について【環境省】
 環境省では、「平成25年度特殊自動車における低炭素化促進事業」の3次公募及び4次公募を開始しました。本事業は、低炭素化・低公害化が遅れており、1台当たりのCO2排出量が多いオフロード車について、大幅な燃料消費量の削減が見込めるハイブリッドオフロード車等を新規導入する事業に対して支援を行うものです。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17467

●スマートフォン専用アプリ「EV・PHV充電まっぷ」配布開始【愛知県】
 愛知県では、EV・PHV用充電器が設置された充電器の場所をEV・PHV利用者の皆様に知っていただく仕組み作りとして静岡県、富山県、石川県、岐阜県及び三重県とともに、EV・PHV用充電器の位置情報がわかるスマートフォン専用アプリ「EV・PHV充電まっぷ」を開発し、アプリの配布を開始しました。
http://www.pref.aichi.jp/0000066610.html

●「観光・交通・環境(3K)」活動に関する奨励制度の創設について〜【京都市東山区】
 京都市東山区では、区内の寺社や企業、団体等の協力を得て、東山「観光・交通・環境」協力会議を設置し、多くの観光客が訪れる東山ならではの「観光・交通・環境(3K)」にかかわる課題の解決と東山の活性化に取り組んでいます。この度、本会議の取組趣旨に合致する活動(3K活動)を行う団体を幅広く応援し、更に魅力あふれる東山を実現するため、活動奨励制度を創設しました。
http://www.city.kyoto.lg.jp/higasiyama/page/0000159559.html

●ハワイにおける日米スマートグリッド実証事業の実証サイトが始動【NEDO、日立製作所、みずほ銀行、サイバーディフェンス研究所】
 NEDOは、日立製作所、みずほ銀行、サイバーディフェンス研究所と共同で取り組んでいるハワイ州マウイ島におけるスマートグリット実証事業の実証サイトの実証運転を開始しました。本実証事業は、日米の政府間合意に基づいて実施されるもので、再生可能エネルギーの効率的な利用や同エネルギー特有の急激な需給変動への対応などを可能とするため、電気自動車を活用し、島しょ地域でのスマートグリッド技術の検証を目的としています。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2013/12/1218.html

●新型燃料電池電気自動車「Honda FCEV CONCEPT」を世界初披露【HONDA】
 Hondaは、2013年ロサンゼルスオートショーにて、新型の燃料電池電気自動車(以下、FCEV)「Honda FCEV CONCEPT」を世界初披露しました。Honda FCEV CONCEPTは、FCEVの本格普及期の始まりと位置づけられている2015年に向けたコンセプトカーで、このコンセプトカーをベースにしたFCEVを、2015年に日本と米国、その後欧州で発売する予定です。また、2020年頃に向けて、さらに小型・軽量で高い性能を有した低コストな燃料電池システムと水素貯蔵タンクをゼネラルモーターズと共同開発することにより、FCEVの本格的普及を推進する取り組みを行っていきます。
http://www.honda.co.jp/news/2013/4131121.html

●「イオンモール幕張新都心」にEV・PHV充電クラウドサービスを提供【NEC】
 NECは、12月20日(金)にオープンした「イオンモール幕張新都心」において、「EV・PHV充電クラウドサービス」の提供を開始しました。本サービスの提供にあたり、「イオンモール幕張新都心」に急速充電器、普通充電器および充電コントローラを設置し、充電器をNECのクラウドにネットワーク接続することで、電子マネー「WAON」による充電器の利用者認証や監視制御(運用・障害情報)、Webやカーナビへの充電器の利用状況(満空情報)の情報提供など、快適・便利に充電器を利用するサービスを提供します。
http://jpn.nec.com/press/201312/20131217_01.html

●航空機燃料のバイオケロシンの使用拡大【オランダ社会基盤・環境省】
 オランダ社会基盤・環境省では、第5回イノベーション・リレーにて、経済大臣や多数の企業のCEOらと、持続可能なバイオケロシン(航空機用バイオ燃料)の使用拡大に関して合意しました。近年、バイオケロシンによる航空機の運航の安全性が実証されており、航空産業の拡大とともにCO2排出量が増加するなか、バイオケロシンの使用によりCO2排出量を80%削減でき、同国の化石燃料依存度軽減が見込まれ、航空産業維持の打開策として期待されています。
http://www.government.nl/ministries/ienm/news/2013/11/15/mansveld-biokerosene-agreement-chain-agreement-on-recycling-plastic-and-green-deals.html

--------------------------------------------------------------------
4.イベント情報
●平成25年度地球温暖化対策技術開発成果発表会
 日時:2014年1月16日(木)14:00〜16:50
 場所:イイノホール&カンファランスセンター Room B1〜3
 主催:環境省
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17501

●交通・観光カーボンオフセット支援システム説明会(大阪)
 日時:2014年1月23日(木)13:30〜15:30
 場所:難波御堂筋ホールHALL 8F−B
 主催:エコモ財団
 http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/data/setumeikai_140123.pdf

●シンポジウム/ワークショップ「循環産業の新たな局面へ!連携と協働から考える次の一手」
 日時:(東京開催)2014年2月5日(水)13:00〜17:30
     (大阪開催)2014年2月14日(金)13:00〜17:30
 場所:(東京開催)東京国際フォーラムG409会議室
     (大阪開催)グランフロント大阪ナレッジキャピタルRoomC05
 主催:環境省
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17517

●第2回地域バス交通活性化セミナー「『バスの力』を考える 〜過度な自動車依存からの脱却を目指して〜」
 日時:2014年2月12日(水)13:30〜16:50
 場所:郡山ビューホテル5階「プリエール」
 主催:エコモ財団、国土交通省東北運輸局
 http://www.ecomo.or.jp/environment/bus/2nd_seminar.html
 http://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/ks/topic-basusemina-koriyama.pdf

●低炭素杯2014
 日時:(1日目)2014年2月14日(金)13:00〜17:30
     (2日目)2014年2月15日(土)13:00〜17:00
 場所:東京ビッグサイト 国際会議場
 主催:低炭素杯2014実行委員会
 http://www.zenkoku-net.org/teitansohai2014/visitor.php

●カーボン・マーケットEXPO2014
 日時:2014年3月4日(火)
 場所:東京国際フォーラム 展示ホール1
 主催:環境省、カーボン・オフセットフォーラム
 http://www.cmexpo.org/

--------------------------------------------------------------------
5.その他
●ESTパートナーシップ会員制度に参加する団体を募集しています!
 7月16日から募集を開始し、29団体が参加しています。
 会員サイトでは、アジアEST地域フォーラムの和訳資料の掲載をはじめています。
 http://www.estfukyu.jp/partnership_gaiyo.html
●EST普及推進委員会事務局はTwitterによる情報提供を始めています!
 https://twitter.com/officeEST
●モビリティ・マネジメント教育に取り組まれる自治体を支援します!(1月31日まで)
 http://www.mm-education.jp/jititai_sien.html
●交通環境学習(モビリティ・マネジメント教育)メールマガジンを発行しています!
 配信申込はこちらから
 http://www.mm-education.jp:80/magazine.html
●「グリーン経営認証」に関する情報は、専用ホームページへ
 http://www.green-m.jp/
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
 http://www.ecomo.or.jp/environment/eco-commuter/index.html
●記事募集中!
 本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。
 EST、または「交通と環境」に関連する取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
 → E-mail:magazine@ecomo.or.jp(担当:熊井)
==================================================================
発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
     (公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)
配信申込、バックナンバー閲覧はこちらから
 http://www.estfukyu.jp/mailmagazine.html
配信停止はこちらから
 https://p.blayn.jp/bm/p/f/tf.php?id=mail_ecomo
ESTポータルサイト:http://www.estfukyu.jp/

コメント

このブログの人気の投稿

【Amazonサイバーマンデー】iPad(第8世代)用のSmart Keyboardが10%OFFとか珍しくない?

ESTメールマガジン 第71号

Googleクラウドに小売業向けに特化した新サービス