ESTメールマガジン 第91号(2014.02.25)

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         ESTメールマガジン 第91号(2014.02.25)
     発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
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□主な内容
【地域公共交通活性化法の改正案を閣議決定】
 国土交通省では、持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生を推進するため、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案を閣議決定しました。

【まち・住まい・交通の創蓄省エネルギーに関するワークショップを開催】
 株式会社日本総合研究所は、国土交通省から委託を受けて、エネルギーの「創」「蓄」「省」でめざす新しい地域づくりを探求するワークショップを開催します。

□目次
1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第91回)
●「環境への配慮は、身近な他者へ意識から?」
                  【山口大学大学院理工学研究科 准教授 鈴木 春菜】
2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第91回)
●「誕生!ひたちBRT(BRTを活かしたまちづくり)」
                     【日立市都市建設部公共交通政策課 関 充夫】
3.ニュース/トピック
●地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案について【国土交通省】
●「トラック輸送の省エネ対策の推進(燃料費高騰対策)」の実施について【国土交通省】
●カーシェアリング車両台数、会員数等の調査結果公表について【エコモ財団】
●交通分野のオープンデータ化事業の開始について【京都市】
●地下鉄東西線開業に合わせたバス路線再編の概要について【仙台市】
●店舗利用型パークアンドライド事業の実施について【松本市】
●「宮古島市小型電動モビリティ等の活用に係る社会実験プロジェクト」の運用開始について【宮古島市】
●モビリティウィーク&カーフリーデー日本アワード2013受賞者決定について【カーフリーデージャパン】
●電気自動車の充電インフラの整備について【NEXCO東日本】
●世界で初めての大型EVリユース蓄電池システム完成について【住友商事】
●電気自動車のシェアリングビジネスへの参入について【日本ユニシス】
●電気利用車両向け非接触充電システムの実証実験開始について【トヨタ自動車】
●新たな目標を定めた気候・エネルギー政策の枠組み発表について【欧州委員会】
4.イベント情報
●シンポジウム「交通政策基本法を考える」【2014/2/28】
●カーボン・マーケットEXPO2014【2014/3/4】
●天然ガストラック普及戦略・京都シンポジウム【2014/3/5】
●IPCC横浜会議・記念シンポジウム〜だめじゃん、地球温暖化。異常気象が日常に!?〜【2014/3/21】
●みんなで交通まちづくりを考える市民フォーラム【2014/3/21】
●京都スマートシティエキスポ2014・国際シンポジウム「グリーンイノベーションがもたらす次世代の都市と産業の創造」【2014/3/26-27】
●13TH UITP ASIA-PACIFIC ASSEMBLY「成長する公共交通〜技術革新、品質向上、効率化を目指して〜」【2014/4/13-17】
5.その他
●ESTパートナーシップ会員制度に参加する団体を募集しています!
●EST普及推進委員会事務局はTwitterによる情報提供を始めています!
●交通環境学習(モビリティ・マネジメント教育)メールマガジンを発行しています!
●交通環境学習を実施される小中学校を募集しています!(3月31日まで)
●「グリーン経営認証」に関する情報は、専用ホームページへ
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
●交通・観光事業者によるカーボンオフセットの取組みを支援しています!
●記事募集中!

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1.寄稿(1)「環境的に持続可能な交通を目指して」(第91回)
●「環境への配慮は、身近な他者へ意識から?」
                  【山口大学大学院理工学研究科 准教授 鈴木 春菜】
 ESTの実現と維持のためには、交通手段そのものの改善のみならず人々が移動を「かしこく選ぶ」ようになることが重要であることは言うまでもありません。
 しかしながら、環境に配慮した行動をしなければと頭では分かっているけれど、なかなか行動できないという人も多いのではないでしょうか?
 それはなぜでしょう。
 「環境問題」が少々高度な関心であることと関係があるように思います。
 大気汚染や騒音の問題が改善されつつある現在では、「環境問題」は子供や孫の世代の環境や資源のことに配慮する、という意味合いが強くなっています。普段、「早く」「安く」「快適に」移動したいと考えている我々にとって、このような問題は「社会的距離」も「時間的距離」も大きなものなのです。普段何気なく「移動」している人が、現在の自分から遠く離れた将来の社会全体の事を突然意識するのは難しいのかもしれません。
 さて、我々の調査では、交通手段の「お洒落さ」のイメージはクルマと比較して公共交通機関の方が少し低いのにもかかわらず、クルマを使う時に「服装に気を遣う」人が26%なのに対して、電車やバスを使う時に「服装に気を遣う」人は60%以上であることが示されました。なぜ、お洒落な交通手段だと思われているわけでもないのに、人々は公共交通を利用するときに服装に気を遣うのでしょうか?
 私は、公共交通には他者がいるからだと考えています。
 クルマでの移動では、移動中に他者の目を感じることがほとんどありません。一方、様々な人が利用する公共交通では、乗り合わせた人に対して恥ずかしくないように服装に気を遣う人が多いと考えられます。
 そうであるなら、子どものころから継続的に公共交通を利用することで移動中の身近な他者への意識や気遣いを育むことができるかもしれません。そして、このような身近な社会への意識が徐々に広がることで、「環境問題」をはじめとしたより社会的で長期的なために意識することが難しい関心を醸成する、基礎になるのではないでしょうか。
 このように、公共交通は身近な他者への意識をもたらすことを通じて、将来の世代に配慮するより幅広い公共心の涵養につながる、「持続的な(社会に資する人を育くむ)交通」であるともいえるのかもしれません。

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2.寄稿(2)「地方から全国に向けた情報発信!」(第91回)
●「誕生!ひたちBRT(BRTを活かしたまちづくり)」
                     【日立市都市建設部公共交通政策課 関 充夫】
 平成24年3月、地方鉄道の日立電鉄線の廃線敷きを活用した、定時性・速達性に優れたバス高速輸送システム(BRT)が運行を開始しました。
 日立市では、少子高齢化という問題が全国より早く進展しており、その影響等から廃線に追い込まれた交通手段を、全国的に注目を集めているBRTという形で新たに誕生させました。
 朝夕の交通需要、道路交通状況などに柔軟に対応できる移動手段の導入は、企業城下町である本市の特徴を活かした取り組みであると考えています。
 旧鉄道は単線であり、隣接地は民家や事業所等が立地している状況から、地形的制約がありましたが、BRTの走行空間となるバス専用道路1車線と歩道を併設しました。これにより、多様な移動手段の選択が可能となり、多くの市民に利用され愛される空間が提供されました。
 また、BRT導入にあたり結成されたサポーターズクラブは、運行ダイヤや停留所配置などを検討するとともに、車両デザインの選定、開通前のPRなど利用促進活動を行うことで、本事業において中心的な役割を担い、地域との協働体制を確立しました。
 本取り組みは、バス交通の優位性や利便性を高め、地域特性に応じた移動手段を確保することで、将来にわたって持続的な公共交通手段の維持・確保につながるとともに、市街地の求心力向上、地域や観光等の活性化、環境負荷の低減等に寄与できるものと考えています。
 今後は、最も需要が多い第2期区間を平成28年度内の供用を目指し、事業を進めるとともに、単なる交通手段ではなく、将来に向けた新たなまちづくりの装置として機能させるため、「ひたちBRTを活かしたまちづくり」の実現を図っていきたいと考えています。

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3.ニュース/トピック
●地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案について【国土交通省】
 国土交通省では、持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生を推進するため、「市町村等による地域公共交通網形成計画の作成」、「同計画に定められた地域公共交通再編事業を実施するための地域公共交通再編実施計画の作成」、「同計画が国土交通大臣の認定を受けた場合における同事業の実施に関する道路運送法等の特例」等について定めた地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案について閣議決定しました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000059.html

●「トラック輸送の省エネ対策の推進(燃料費高騰対策)」の実施について【国土交通省】
 国土交通省では、平成25年12月12日に閣議決定された平成25年度補正予算案において、トラック輸送の省エネ対策の推進(燃料費高騰対策)として、先進環境対応型ディーゼルトラック及びエコタイヤの導入について支援を行います。
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000068.html

●カーシェアリング車両台数、会員数等の調査結果公表について【エコモ財団】
 エコモ財団は、2014年1月、わが国のカーシェアリングの車両台数、会員数等を調査し、わが国のカーシェアリング車両ステーション数は、7,568カ所(前年比34%増)、車両台数は12,373台(同40%増)、会員数は465,280人(同61%増)と、引き続き増加していることがわかりました。
http://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_graph2014.2.html

●交通分野のオープンデータ化事業の開始について【京都市】
 京都市では、「歩くまち・京都」の実現を目指して、交通分野におけるICT(情報通信技術)の活用に取り組んでおり、その一環として交通分野のオープンデータ化事業に着手しました。
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000161927.html

●地下鉄東西線開業に合わせたバス路線再編の概要について【仙台市】
 仙台市では、自動車に過度に依存しない、公共交通利用を中心とした持続可能なまちづくりを進めており、平成27年度に予定している地下鉄東西線開業を機にバス路線の再編を行います。この度、バス路線設定の概要や主な地点における運行頻度などについて取りまとめました。
http://www.city.sendai.jp/report/2013/1212195_1415.html

●店舗利用型パークアンドライド事業の実施について【松本市】
 松本市では、「次世代交通政策」の一環として、平田駅などで実施しているパークアンドライド事業に加え、スーパーマーケットなど、店舗の駐車場を利用した、新しい形のパークアンドライド事業を2014年4月から開始します。
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/kurasi/sumai/doro/osirase/parkandride.html

●「宮古島市小型電動モビリティ等の活用に係る社会実験プロジェクト」の運用開始について【宮古島市】
 宮古島市小型電動モビリティ等の活用に係る社会実験プロジェクト推進協議会(代表幹事:宮古島市)は、離島における超小型EV活用モデルとして、「宮古島市小型電動モビリティ等の活用に係る社会実験プロジェクト」を、平成26年1月28日より運用開始しました。
http://www.city.miyakojima.lg.jp/gyosei/ecoisland/2014-0129_MEVkaishi.html

●モビリティウィーク&カーフリーデー日本アワード2013受賞者決定について【カーフリーデージャパン】
 一般社団法人カーフリーデージャパンでは、モビリティウィーク&カーフリーデー2013において、移動に関する様々な問題を考える機会を市民へ提供し、新しい都市交通政策の展開を進展させるため、「モビリティウィーク&カーフリーデー日本アワード2013」として、まちづくり貢献賞、イベント・プロジェクト賞、市民向けアピール賞、カーフリーデーベストショット賞を決定し公表しました。
http://blog.goo.ne.jp/cfdjapan/e/c4a9e4265d45e6f3c50d04d4f62b9b58

●電気自動車の充電インフラの整備について【NEXCO東日本】
 NEXCO東日本は、地球環境の負荷軽減に向けた電気自動車の普及促進のため、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SA・PA)における充電インフラ整備を、日産自動車株式会社及びジャパンチャージネットワーク株式会社と共同で事業を実施することを決定しました。
http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h26/0129b/

●世界で初めての大型EVリユース蓄電池システム完成について【住友商事】
 住友商事は、電気自動車(EV)で使用した電池を再利用する、世界で初めての大型蓄電池システムを開発、大阪市此花区夢洲に設置し、2014年2月から実証事業を開始しました。
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=27673

●電気自動車のシェアリングビジネスへの参入について【日本ユニシス】
 日本ユニシスは、電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッド車(PHV)向け充電インフラシステムサービスや公共交通向けサービスとの連携によって、新たな地域交通サービスの実現を目指し、EVや小型EVを利用した「カーシェアリング向けシステムサービス」に参入することを発表しました。
http://www.unisys.co.jp/news/nr_140210_smartoasis.html

●電気利用車両向け非接触充電システムの実証実験開始について【トヨタ自動車】
 トヨタ自動車は、電気利用車両への充電の際に、地面に設置したコイルに車両位置を合わせ駐車するだけで充電ができる非接触充電システムを開発し、2月下旬より愛知県内で実証実験を開始します。
http://www2.toyota.co.jp/jp/news/14/02/nt14_004.html

●新たな目標を定めた気候・エネルギー政策の枠組み発表について【欧州委員会】
 欧州委員会は、2030年に向けて、温室効果ガス排出量の削減、エネルギー効率化のための野心的な指標、競争力のある安定したエネルギーシステムの構築を柱とした、気候・エネルギー政策の新たな枠組みを発表しました。
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-14-54_en.htm?locale=en

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4.イベント情報
●シンポジウム「交通政策基本法を考える」
 日時:2014年2月28日(金)13:30〜17:30
 場所:衆議院第二議員会館 第一会議室
 主催:交通権学会
 http://www.kotsuken.jp/active/20140228.html

●カーボン・マーケットEXPO2014
 日時:2014年3月4日(火)10:00〜17:00
 場所:東京国際フォーラム 展示ホール1
 主催:環境省、カーボン・オフセットフォーラム
 http://www.cmexpo.org/

●天然ガストラック普及戦略・京都シンポジウム
 日時:2014年3月5日(水)12:15〜17:00
 場所:京都リサーチパーク内
 主催:近畿スマートエコ・ロジ協議会
 http://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/press/files/1392622993.pdf

●IPCC横浜会議・記念シンポジウム〜だめじゃん、地球温暖化。異常気象が日常に!?〜
 日時:2014年3月21日(金)13:00〜17:00
 場所:横浜市中央図書館ホール
 主催:認定NPO法人気候ネットワーク、公益財団法人横浜市資源循環公社
 http://www.kikonet.org/event/20140321.html

●みんなで交通まちづくりを考える市民フォーラム
 日時:2014年3月21日(金)13:00〜16:00
 場所:草津市まちづくりセンター 3F大会議室
 主催:大津・湖南地域新交通システム検討協議会
 http://www.pref.shiga.lg.jp/c/kotsu-s/e-shinnbunn/files/20140321forum.pdf

●国土交通省事業「平成25年度まち・住まい・交通の創蓄省エネルギー化モデル構築支援事業」ワークショップ
 「エネルギーの「創」「蓄」「省」でめざす新しい地域づくりの探求〜地域特性を活かした人々の暮らしを高める地域づくりのモデル構築〜」
 日時:2014年3月26日(水)13:00〜17:00
 場所:ベルサール三田
 主催:株式会社日本総合研究所
 http://www.jri.co.jp/page.jsp?id=24356

●京都スマートシティエキスポ2014・国際シンポジウム「グリーンイノベーションがもたらす次世代の都市と産業の創造」
 日時:2014年3月26日(水)、27日(木)10:00〜17:00
 場所:3月26日(水)けいはんなプラザ、3月27日(木)国立京都国際会館
 主催:京都スマートシティエキスポ運営協議会
 http://www.kyoto-smartcity.com/index.php

●13TH UITP ASIA-PACIFIC ASSEMBLY「成長する公共交通〜技術革新、品質向上、効率化を目指して〜」
 日時:2014年4月13日(日)〜17(木)
 場所:ホテルメトロポリタンエドモント
 主催:UITP(国際公共交通連盟)
 http://www.asiapacific.uitp.org/13th-uitp-asia-pacific-assembly

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5.その他
●ESTパートナーシップ会員制度に参加する団体を募集しています!
 7月16日から募集を開始し、29団体が参加しています。
 会員サイトでは、アジアEST地域フォーラムの和訳資料の掲載をはじめています。
 http://www.estfukyu.jp/partnership_gaiyo.html
●EST普及推進委員会事務局はTwitterによる情報提供を始めています!
 https://twitter.com/officeEST
●交通環境学習(モビリティ・マネジメント教育)メールマガジンを発行しています!
 配信申込はこちらから
 http://www.mm-education.jp:80/magazine.html
●交通環境学習を実施される小中学校を募集しています!(3月31日まで)
 http://www.mm-education.jp/gakkou_sien.html
●「グリーン経営認証」に関する情報は、専用ホームページへ
 http://www.green-m.jp/
●エコ通勤優良事業所を認証登録しています!
 http://www.ecomo.or.jp/environment/eco-commuter/index.html
●交通・観光事業者によるカーボンオフセットの取組みを支援しています!
 http://www.ecomo.or.jp/environment/carbon_offset/carbonoffset_system.html
●記事募集中!
 本メールマガジンへの掲載記事を募集中です。
 EST、または「交通と環境」に関連する取組みや話題、催し物の案内等を事務局までお寄せください。
 → E-mail:magazine@ecomo.or.jp(担当:熊井)
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発行:環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会事務局
     (公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)
配信申込、バックナンバー閲覧はこちらから
 http://www.estfukyu.jp/mailmagazine.html
配信停止はこちらから
 https://p.blayn.jp/bm/p/f/tf.php?id=mail_ecomo
ESTポータルサイト:http://www.estfukyu.jp/

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