バークシャー・ハサウェイの役員、スーザン・デッカーがネット広告市場の過当競争に警鐘

スーザン・デッカーはウォーレン・バフェットの投資会社、バークシャー・ハサウェイの役員です。

彼女はもともとドナルドソン・ラフキン・ジェンレット(DLJ)という投資銀行のインターネットのアナリストでした。『インスティチューショナル・インベスター』誌のアナリスト・ランキングでトップを10年間走り続けた経歴の持ち主です。その後、ヤフーの財務部長を務めました。

そのスーザンが今日、ブログで「ネット広告市場はプレーヤーの数が多すぎて窮屈になりはじめている!」と警鐘を発しました。

その記事によると2004年から2014年の間に、ネット広告市場の規模は130億ドルから1,420億ドルに増えました。これは年率換算+27%です。

これに応じてネット広告がグローバルの広告市場全体に占める割合も、4%から26%へと増えました。つまり広告主は紙などの従来の媒体からネット広告へ予算をシフトしているわけです。

問題はグローバルの、すべての広告市場で見た場合、10年間の年率換算成長率は僅か+1%に過ぎないという点です。

スーザンは「これは理屈に叶っている」としています。なぜなら消費者が広告に接する時間は限られているし、企業が宣伝広告費に割ける予算は、ほぼ一定だからです。

すると地上波、ラジオ、紙メディアなどの既存媒体から、あとどのくらいネット広告がマーケットシェアを奪えるか? ということに注意を払いはじめるべきだというわけです。

過去10年間のネット広告市場の成長率は+27%だけど、過去3年間の成長率は+19%、+17%、+15%と着実に減速してきているというわけです。

ドットコム・ブームの当時、或るウェブ・スタートアップがビジネスを始めるにあたって必要な初期費用は250万ドルでした。しかし最近は5万ドルもあればウェブサイトを立ち上げることが可能です。

つまり「世界を変えるぞ!」という痛いノリでウェブ企業を始める軽い奴らはゴマンと居るわけです。スーザンは「お手軽にウェブ企業を始められるという事実に注目するのではなく、グーグル、フェイスブックなどのすでにエスタブリッシュされた大企業からビジネスを奪うのがどんなに困難になっているか? という事実に、もっと注意を払うべきだ」としています。

実際、スタートアップ企業が黒字化するまでに必要とした年数は:

グーグル 3年
ヤフー 4年
フェイスブック6年
ツイッター 8年
ユーチューブ 10年(但しグーグルの一部門)
ジロー 11年
トリップアドバイザー 11年


と、だんだん長くなっています。



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