やっぱり基本が大事だった!ゲータレードの成功事例に学ぶYouTubeマーケティング7+1の教訓

スポーツドリンクの草分け的存在として世界中で親しまれているゲータレードは、人々に運動を促すようなキャンペーンを継続的に実施してきています。

そして2014年、NFL(プロアメリカンフットボールリーグ)とタッグを組み、学生をターゲットとした動画プロモーション「Sweat It to Get It」(飲みたかったらまず汗をかけ!)を展開しました。

キャンペーン動画は、大学を舞台とした全11本で構成されています。

何も知らない学生が自動販売機でゲータレードを購入しようするが、突然の故障。清掃員の格好をした仕掛け人が学生に対して「汗をかかないと買えないよ」と教えると、間もなくNFLのスター選手が登場するという展開。

重量級の体格を持つJ.J. Wattはポーカーフェイスで自動販売機を担ぎ上げたり、自分の見事な筋肉を見せつけながら、学生たちに「汗をかけ」と促す。

かたや人気兄弟選手Eli ManningとPeyton Manningはコーチ姿で現れ、ゲータレードを手に入れるべく、学生にその場でスクワットや空気椅子などのエクササイズをさせる。

本キャンペーンは合計で1300万回以上再生されるという結果を残しました。この成功の背景にはどのような工夫があったのでしょうか? 1つずつ紐解いてみましょう。

「Sweat It to Get It」に学ぶ7つのキホン

1. タイムリーな話題を取り入れる

本キャンペーンが展開された8月はNFLのプレシーズンであり、開幕を待ち望むNFLファンを巻き込んだことが、バイラルをさらに拡大させる大きな要因となったと言えます。

年中行事のようなイベントと絡めたキャンペーンはマーケティングの定番とも言えますが、本事例は今年に限らず、来年以降もNFLシーズンのたびに人々の目に触れる可能性もあります。1シーズンで終わらず、何度も再生される息の長い企画を考えたいものです。

2. ユーモアを盛り込む

「Sweat It to Get It」はシンプルな構成ながら、その予想外の展開で見る人の目を離しません。それに加え、学生たちの嘘のない正直な表情やリアクションと、NFL人気選手の落ち着いた様子の対比が笑いを誘っています。

人々を楽しませるコンテンツは拡散されやすいことは誰しもが理解していますが、実現するのは非常に難しいものです。しかしバイラルを狙うのであれば、一度は検討したい点です。

3. 真似しやすいコンテンツを作る

動画を企画する上で、真似されやすいシンプルなコンテンツもマーケティング戦略の1つとなります。

YouTuberが注目を集める今、本事例なら、例えば”いたずら系”の動画を得意とする人気YouTuberに真似されることでさらなるバズを生み出し、ブランドを広められる可能性もあります。

またシンプルな企画であれば、ブランド自身も長期的にシリーズ化しやすくなります。例えばOld Spice Guy(過去記事 外部リンク)は、ヒットした翌年に違う人を起用してシリーズ展開し、再び話題を集めました。

20150930_GATORADE_oldspice画像参照元:https://www.youtube.com/watch?v=qt6iEGzLPjg

4. 再生リストを作る

シリーズ動画を1つの再生リストにまとめることによって、1つの動画にたまたま接触した視聴者を、残りの動画に自然に誘導することが可能です。
(※デフォルト設定では、再生リストの次の動画が自動的に再生されるようになっていますが、ユーザー自身が自動再生か否かを設定することができます。)

ただし、再生リストを作るだけでは不十分で、いかにその存在を知ってもらうかが重要になります。

本事例では、各動画の最後の画面に、他の単体動画へのリンクではなく、再生リスト内の動画へのリンクを設置されています。
ソーシャル施策でも、動画単体のURLではなく再生リストのURLを拡散することで、リスト内の多くの動画が視聴される可能性を高めます。

5. 短尺にまとめる

全11本の中に2分を超える動画は1つもありません。それどころか半数以上は1分以内とコンパクトにまとめられています。長尺動画が良くないという訳ではありませんが、短尺の方が視聴者が気軽に楽しめ、シェアの可能性も高まります。

本事例では特に再生リストを作っていることから、1本ずつをリズムよく楽しめ、あっという間に全編を視聴できてしまうという気軽さも奏功していると言えるでしょう。

6. タイトルと説明文を最適化する

検索経由で動画を発見してもらうためにはタイトルや説明文(ディスクリプション)の工夫(動画SEO)が欠かせません。

今回のキャンペーンではシリーズ動画すべてに「Gatorade Sweat It to Get It」というタイトルが付けられ、説明文も部分的に共通の文章を用いています。

20150930_GATORADE_title

このような共通タイトルや説明文により、シリーズ動画どうしの関連度が高いと判断されるため、サイドバーや動画が終了した際に表示される関連動画にシリーズの他の動画が表示されやすくなるというメリットがあります。

しかしその一方で、言葉のバリエーションが少ないほど、検索でヒットする可能性が低くなるというデメリットも生じます。今回のケースでは最後の画面で再生リストへの導線がきちんと設計されているため、単体動画についてはもっと自由度を高め、それぞれでキャッチーなタイトルや説明文を検討しても良かったかもしれません。

7. 明確なコールトゥアクションを用意する

視聴者に何かアクションを期待する場合には、動画の最後でそれを明確にすること、そしてそのアクションをとる手段を用意することが重要です。

本事例では、すべての動画の最後に「SWEAT IT TO GET IT」というコアメッセージが大きく表示しながら、他の動画の予告編を数秒間流すことで視聴者の興味を引いています。視聴者が内容を判断してクリックするための時間を長く設けている点も参考にしたいところです。

20150930_GATORADE_CTA

通常の広告コンテンツの場合、LPへの誘導やチャンネル登録などをCTAとして設置するケースが一般的で、ひたすら他の動画を見せようとする本事例は少々珍しいパターンですが、いずれにしろ、視聴者に起こしてもらいたいアクションを明確に示し、興味を喚起する工夫が欠かせないことは間違いありません。

そして最後にもう1つ……

本事例でさらに工夫できる点を1つ挙げるとすれば、動画サムネイルの選定でしょう。

20150930_GATORADE_thumbs

作り込み過ぎたサムネイル画像は、いかにも”広告”らしさが出てしまい、視聴者に敬遠される可能性もありますが、動画に興味を持ってもらうという意味ではサムネイル画像を工夫することは重要です。

本キャンペーンに関しても、例えば、もっとインパクトのあるシーンを切り取ったり、登場人物のクローズアップを使うこともできたでしょう。せっかく人気選手を起用しても、”引き”のアングルでは何の動画か伝わりにくくなってしまいます。

以上、今回はYouTubeマーケティングの基本的なノウハウをおさらいしましたが、これらの対策を一つ一つきちんと行うことできっと結果につながることでしょう。

この機会に自社のYouTube施策を見直し、改善を図ってみてはいかがでしょうか。



from movieTIMES ムービータイムス http://www.movie-times.tv/feature/7281/
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