エクソン・モービルは堅実に経営されている「全天候型」の銘柄

エクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)は上場石油会社としては世界最大です。

1870年にロックフェラーがスタンダード石油を創業します。ロックフェラーはとてもソロバンの立つ男で、「石油を発見し、生産することも大事だけれど、それをどう集荷、精製し、販売するか? ということも、もっと重要だ」ということに着目しました。

他社より安くケロシンを消費者に届けるには、広範な販売網が不可欠だというわけです。そこでロックフェラーはトラストという手法で次々にライバル会社を傘下に収めてゆきます。

1904年に女流ジャーナリスト、アイダ・ターベルという人が『スタンダード石油の歴史』という本を書きます。

800px-The_History_of_the_Standard_Oil_Company

この本は、今日で言う処のインベスティゲーティブ・レポ―ティングの先駆けであり、ビジネス・ジャーナリズムの古典と言われている名著です。

ターベルは告発本として同書を書いたのではありません。

むしろ、スタンダード石油がどういうカラクリで利益を上げているのかを客観的かつ克明に記した、極めて分析的な本となっています。

この本はセンセーションを巻き起こし、それに突き動かされた最高裁は1911年にスタンダード石油の解体を命じます。この結果、スタンダード石油は:

スタンダードオイル・オブ・ニュージャージー(のちにエッソ、さらにエクソンに改名)
スタンダードオイル・オブ・ニューヨーク(のちにモービルに改名)
スタンダードオイル・オブ・カリフォルニア(のちにシェブロンに改名)
スタンダードオイル・オブ・インディアナ(のちにアモコ、そしてBPに改名)


など15社に分社化されます。

その中でもスタンダードオイル・オブ・ニュージャージーは、一番規模が大きく、のちにヒューストンのハンブル・オイル、さらにモービルなどを買収し、こんにちのエクソン・モービルとなります。

エクソン・モービルは世界の石油会社の中でも最も保守的かつ堅実に経営されています。

同社の確認埋蔵量の分布は下のようになっています。

1

同社のリザーブ・リプレースメント・レシオは常に大手の中ではトップを走ってきました。去年だけは例外的に低かったです。

2

他のオイルメジャー同様、エクソン・モービルの利益の大半は、川上部門があげています。

3

ただエクソン・モービルの川下部門も他社比較では常に高い収益性を維持してきました。その理由は同社がスケールを追求した経営をしているからです。

言い換えれば、エクソン・モービルの川下戦略は、限られた戦略拠点で、度肝を抜くスケールの精油所を展開することでコスト競争力を出しているわけです。

同社のバランスシートは健全です。

4

収益性については、過去2年は原油価格の低迷で落ち込んでいますが、通常は高いです。

5

一株当たりの業績は、下のグラフのようになっています。

6




from Market Hack http://markethack.net/archives/52013551.html
via IFTTT

コメント

このブログの人気の投稿

【Amazonサイバーマンデー】iPad(第8世代)用のSmart Keyboardが10%OFFとか珍しくない?

ESTメールマガジン 第71号

Googleクラウドに小売業向けに特化した新サービス