ドイツ銀行は潰れるのか?

下の動画はKBW証券のアナリスト、フレッド・キャノンに対するCNBCのインタビューです。

話が横にそれますが、フレッドはバンク・オブ・アメリカの財務部に長く務めた方で、彼がIRマネージャーをやっていた頃、オフィスが近かったこともあり、よくお邪魔しました。冷静かつ斬り込む分析をする人だと思います。



彼はドイツ銀行(ティッカーシンボル:DB)の今後について質問され、「ドイツ銀行の場合、問題はバランスシートではない」と答えます。(僕もその意見に賛成です)

そして「今回の危機は、リーマンショックの時の危機とは異なる。今回は、言ってみれば収益性の危機だ」と解説しています。(この点についても、100%、彼の意見に賛成です)

デリバティブのエクスポージャーについてCNBCのケリー・エヴァンスが質問しますが「デリバティブに関してはどんな尺度を用いて、どんな監督機関のガイドラインを当てはめたところで、適正な範囲内に収まっている」そうです。

もちろん、サブプライム危機の当時、住宅抵当証券の強引な販売を行ったことに対する米国の司法省からの課徴金140億ドルの支払いをめぐり、投資家は不安を抱いています。(注:全額払うのではなく、60~80億ドル程度を支払うことになると思います)

その場合でも、バランスシートはOKだろうというのがフレッドの考え方です。

むしろドイツ銀行は今、ぜんぜん利益が出せない体質になっているし、将来、何に収益源を求めるかも手探り状態であり、ドイツ銀行の株はそれを嫌気してずるずる安値を更新しており、こんなに株価が安くなると株式の発行による増資は株主利益の希釈化が激しくなってしまうので出来ない……それが問題というわけです。

さて、ここからは僕の考えですが、先週末、ドイツのメルケル首相が「ドイツ銀行を救済する考えはない」と発言したのはドイツの有権者やEUの他の国に対して配慮した発言だと思います。ドイツでは来年、連邦議会選挙があります。またギリシャ、アイルランドなどの国々の銀行セクターが危機に瀕した際、ドイツはそれらの国に厳しい注文を付けました。その行きがかり上、自分の国の銀行だけを甘やかすわけにはゆかないのです。

しかし本当にドイツ銀行が潰れそうになったら(=その確率は、せいぜい10~20%だと思います)ドイツ政府はためらわずドイツ銀行に資金注入するはずです。(同様の事は、イギリスの銀行でも起こりました)

さらに言えば欧州中央銀行(ECB)は現在、銀行の社債を買い入れ対象から除外していますが、これを含めることにより支援するという手もあります。

あと噂としてはJPモルガンがドイツ銀行を救済買収するという観測も出ています。








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