ETFの売買手数料がゼロ マネックス証券がウィズダムツリーと共同で展開する「ゼロETF」とは?

今日、ネットセミナーに登壇する前にマネックス証券のお知らせが流れていて(へえー!?)と思いました。

それはマネックス証券が投資運用会社ウィズダムツリーと共同で「ゼロETF」というプログラムをはじめることが説明されていたからです。

これ以上、書き進む前に断っておきますが、僕はこの「ゼロETF」を手放しで褒めようとしているのではありません。たしかに売買手数料ゼロはお得だけれど、このプログラムに固有な問題もあるということです。それは後で説明します。

次に僕は毎月マネックス証券でセミナーをやっている関係上、マネックス証券とは利益相反の関係があります。ウィズダムツリーとは、なんのつながりもありません。

さて、最初にそれを断った上で、話を進めて行きます。

まずサービスの内容ですが、ひらたく言えば「マネックス証券で、ウィズダムツリーの出している28本のETFを売買したとき、それが買い注文だろうが売り注文だろうが、売買手数料がゼロになる」ということです。(ETF運用会社のフィーは対象外です)

実際に「売買手数料ゼロ」にするための方法として、まず通常の米国株の株式・ETFの注文方法で取引が執行され、売買手数料が取られた後、対象商品の取引を行った日から数えて翌月末までに、米ドルで、外国株取引口座に売買手数料がキャッシュバックされるというやり方です。(その他の条件などについては、下のリンクに明記されている留意事項を確認してください)

国内初! 米国ETF手数料実質無料プログラム「ゼロETF」開始

さて、ここからは僕の印象と感想です。

まずETF売買手数料をキャッシュバックすることで実質的に無料化するのは、とても面白い試みだと思います。

するとウィズダムツリーのETFファミリー28銘柄から次の投資対象を選び続ける限り、ずっと売買手数料はゼロにすることが出来るのです。長い目でみれば、これはかなりの節約になります。

ウィズダムツリーには28銘柄のETFがあるので、いろいろな投資家のニーズに応えることが出来ます。

そのような魅力がある反面、注意すべき点もあると思います。

まずウィズダムツリーは若い運用会社なので、運用資産の残高の大きさでは、業界の重鎮であるブラックロック、バンガード、ステートストリートなどには太刀打ちできません。

ETFは、スケールがものを言うビジネスです。資産規模が大きく、出来高が多いETFは、ベンチマークとETFの取引価格の間での価格差が小さくなります。

しかしウィズダムツリーのETFの場合、規模や出来高が中途半端で、ETFを売買する際のBid/Ask、すなわち気配が離れてしまっている場合も散見されます。

なにも考えず、成り行き注文を入れたら、自分のイメージとは違う値段で出来てきた…ということも起こり得るわけです。

このような事を避けるため、注文を出すときは現値、もしくはそれより少し自分に有利な値段に指値するように心がけるべきです。

また相場急変時にはサクサク取引できないリスク、いわゆる流動性リスクも念頭に入れておく必要があります。

それからウィズダムツリーは米国の投資家が為替リスクを気にせずに日本株に投資するためのETFで一世を風靡した会社です。その関係で下のチャートにあるように、運用資産も国際ヘッジ付ETF(橙色)が突出して多くなっています。

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去年末の時点で、国際ヘッジ付ETFが同社のETF運用資産全体に占める割合は46%でした。

そのジャパン・ヘッジドETFは、外人投資家の日本株への関心の変化に応じて、運用資産が激しく増減します。実際、2016年はヨーロッパならびに日本のETFから資金が流出した関係で、ウィズダムツリーの運用資産は-24.5%も減少しました。

これは運用会社の経営の安定という視点からすれば、あまり好ましくありません。

このような難点を理解した上で「ゼロETF」と付き合うとよいでしょう。




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