【インタビュー】パーソナライズド動画をもっと身近に!IBSが「personalize me」を開発した狙いとその真価

2月14日、15日に東京ビッグサイトで開催された『マーケティング・テクノロジーフェア2017』にインテリジェンス ビジネスソリューションズ(以下、IBS)が出展。ブース内で行われたミニセミナーでは、ローンチしたばかりのパーソナライズド動画サービス「personalize me」の魅力を伝え、CTRやCVRを飛躍的に伸ばす次世代のマーケティングツールとして注目を集めていました。

今回は同サービスの開発を担当した大平竜也氏と佐々木健太郎氏にインタビュー。抜群の品質・スピード・コストパフォーマンスを実現した「personalize me」の独自技術や活用方法についてお話をうかがいました。

高品質・低価格・スピーディを実現した唯一無二の独自技術

編集部:まずは今回、パーソナライズド動画というジャンルに着目し、サービスを開発された理由をお聞かせください。

oohira-sama大平氏:弊社では2000年頃からセールスのアウトソーシングサービスを開始し、約4年前からはAdobeやMarketoと協業してマーケティング領域の運用支援サービスを行っています。今回開発に乗り出したのは、パーソナライズド動画がマーケティングオートメーション(MA)と非常に親和性が高いと考えたからです。
また人口減少傾向にあり人材確保が年々難しくなる現在の社会状況では、人的サービスのみに頼った事業ではなく、パーソナライズド動画のような非人的なマーケティングツールの開発が必要だと感じていました。

編集部:日本国内にもすでにパーソナライズド動画関連のサービスが複数ありますが、「personalize me」ならではの特徴、強みとはどのような点でしょうか?

大平氏:「うまい!」「早い!」「安い!」です(笑)。
パーソナライズド動画とは、動画素材や画像、テキストなどを組み替えて、視聴者一人ひとりに合わせて内容をカスタマイズできる動画のことですが、「personalize me」は高品質で豊富なテンプレートと、可変部分の自由度が大きい「うまい!」設計になっています。
テンプレートは5月頃をめどに、業界別、用途別、目的別で全50パターン用意する計画です。また通常は、既存テンプレートに可変要素を組み込むだけですが、「personalize me」では、シーンごとに分解できるので、異なるテンプレートのシーンを組み合わせることも可能です。たとえばテンプレートAの最後のシーンに、テンプレートBの最後のシーンを使った方が効果的だと判断すれば、お客さま自身が自由にシーンを入れ替えることができるのです。

佐々木氏:ユーザー側でそのような操作が簡単にできるのは大きな特徴だと思います。ITや動画に精通していなくても、テンプレートのシーンの入れ替えや削除などがドラッグ&ドロップのマウス操作だけで直感的に行える機能は「personalize me」にしかありません。

大平氏:豊富なテンプレートが自由に組み合わせられるのでオリジナリティの高いものが制作できます。さらなる独自性を求める場合は、LOCUSさんにカスタムメイドのテンプレート制作を依頼することも可能です。

▽ personalize meを使って制作されたデモ動画のキャプチャ。名前、訴求商品と説明文、インタビュー動画、キャンペーン内容など、さまざまな要素が可変領域となっている

demovideo

編集部:「早い!」に関してですが、制作期間はどれくらいでしょうか?

大平氏:通常、動画を配信するには約3カ月、長ければ4カ月ほどかかりますが、弊社の「personalize me」の標準テンプレートを使用すれば、利用開始から2週間ほどで配信できます。最短1週間も可能です。オリジナルの動画テンプレートを使用した場合も1カ月半ほどですね。とにかく早いです!
リードタイムを短くできるので、毎月のキャンペーンの動画告知のように連続性のある使い方にも対応できますし、A/BテストやPDCAを回してクリエイティブをチューニングしていくことも可能です。特許出願中の独自技術により、システムの技術工程が飛躍的に効率化し、このスピードが実現できました。

編集部:高いコストパフォーマンスも話題になっていますが、安さの秘密は何でしょうか。

大平氏:「安い!」を実現できたのも特許出願中の独自技術に秘密があります。これまで業界では1本108円が最安値だと言われていましたが、「personalize me」はさらに安いサービス価格で提供しています。さらに動画の生成数が多くなるほど1本あたりの価格が安くなる設定になっています。たとえば10万人のお客さまそれぞれの個人名を入れ込んだ10万通りの動画を生成(レンダリング)した場合は、費用は1万通りの場合と比較して半額以下の価格まで下がります。
BtoB企業のお客さまからは、50本や100本などの少数生成を希望する声もありますので、今後は少数にも対応した価格設定も検討したいと考えています。

編集部:テンプレート開発では弊社(LOCUS)もお手伝いさせていただいていますが、動画制作ではどのような点を重視していますか? 

大平氏:もっとも重要なのは、マーケティング目的を達成するためのストーリー設計だと考えています。たとえばEC事業者が商品訴求を行う動画では、名前を入れたオープニングの後に、そのお客さまが過去によく閲覧していた商品を紹介し、次に「あなたと同じような人が多く使っています」「商品を使ったらこんなに効果が出ました」などのエビデンスを提示します。その上で「今なら20%OFF」などのキャンペーン情報を伝えることでクロージングにつなげる、というように、一つ一つきちんとストーリー設計されたテンプレートを準備しています。 

佐々木氏:その動画の目的に応じて必要な情報が的確に伝わるよう、動きやエフェクト、画質も大切ですね。低品質ではダメです。画一的に見えがちなテンプレートだからこそ高い品質が必要だと考えています。その点、LOCUSさんはFastVideoというテンプレート動画制作アプリも提供していて、テンプレート設計のノウハウをお持ちですので、それを存分に活かしていただき、高品質なテンプレートを多く用意していきたいと思っています。

コンサルタントによる設計運用サポートで高い効果を目指す

編集部:パーソナライズド動画の認知度は業界内では高まってきていると思いますが、具体的な設計方法、活用方法が分からないために、導入に二の足を踏んでいる企業も多いのではないかと感じています。

大平氏:パーソナライズド動画を効果的に活用するには、まず、どのような軸でセグメントするか、という点が大切です。年齢や性別などのデモグラフィック、ページ閲覧履歴やアンケートなどから得た嗜好性、それからメール開封や購買履歴、資料ダウンロードなどの行動情報に基づいてセグメントし、それぞれに最適なコンテンツ配信すること高い効果を期待できます。
たとえば不動産業なら、“資料請求→モデルルーム見学→見積もり”という流れがあります。資料請求のみのお客さまと何度もモデルルームを見学したお客さまでは訴求ポイントが異なるので、配信するコンテンツをそれぞれ変えることで効率的にリードを育てることが可能になります。
最初にお話したとおり、MAとの相性が良いのもこのためです。お客様の行動や状況を把握し、より良いタイミングで効果的なコンテンツを出し分けることで、パーソナライズド動画の価値を最大限に発揮できるのです。

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佐々木氏:パーソナライズド動画の効果的な活用方法が分からないという企業さまに対しては、ユーザーの動きや、メールや電話など他のマーケティング施策との併用、どの領域にどのようなパーソナライズド動画が有効なのかなどを一緒に考え、総合的な提案をいたします。
「ツールを提供したらそれで終わり」という会社が多いですが、弊社はマーケティング領域のコンサルティングにおいて豊富な知見を持っていますので、キャンペーンを成功させるためのプランニングなども全力でサポートします。

編集部:効果測定については、どのような指標がとれるのでしょうか?

大平氏:「personalize me」にはメール配信機能が付いているので、配信リストをツールにインポートしていただければ、メールの開封率、動画コンテンツへのリンクのクリック率、完全視聴率、ウェブサイトへのCTRなどが計れます。

佐々木氏:「personalize me」で生成した動画(URL)を既存のMAやメールシステムで配信することも可能です。ただその場合は、効果分析は弊社ではなくお使いのMAツールを使用することになります。「personalize me」とAPI連携している「Marketo」をご利用の場合は、弊社の機能が最大限に利用いただけます。

無限に広がるパーソナライズド動画の活用シーン

編集部:これまでの商談ではどのような反応がありましたか?

大平氏:ありがたいことに多くの企業さまが関心を持ってくださり、すでに商談の機会も多くいただいていますが、特にBtoCのお客さまからの反響が大きいですね。たとえば、スキンケアや、ヘルスケア領域のビジネスを展開されている企業さまでは、クロスセルを目的に、既存顧客向けのメールに違う商材を紹介するパーソナライズド動画を導入してみたいというご相談をいただいています。また、BtoCサービスを提供している企業さまは、会員向けに定期配信しているメルマガ内を動画化するにあたり、パーソナライズド動画の導入を検討されているケースもございます。 

佐々木氏:BtoBでは特に分かりにくい商材を正しく理解してもらう上で動画が有効ですが、中でも、事例動画をたくさん用意して、商材の導入を検討されているお客さまの想定に近い事例を出し分けていきたいというご要望を聞いています。他にも、セミナーやイベントの集客での活用に関心を持たれている企業さまも複数いらっしゃいます。

編集部:パーソナライズド動画の思いがけない活用方法もこれから生まれていきそうですね。

sasaki_sama佐々木氏:動画は非対面の営業活動とも言えますが、「私が担当の○○です」といったように、実際の担当者による挨拶を動画内に組み込んで、対面した時のような親近感を与えるという使い方も考えられますね。
あとは、BtoC、BtoBを問わず、複数パターンのABテストにパーソナライズド動画を使っていただき、もっとも効果の高いコンテンツを見極めるといった使い方もできると思います。
実は今日もブースで、予想していなかったニーズをお聞きしたり、企業ではなく会員を持つ団体さまに興味を持っていただいたりもしました。

編集部:それでは最後に、今後の展開や展望をお聞かせください。

大平氏:現在は配信チャネルがメールだけですので、ソーシャルメディアとの連携は数カ月以内を目標に進める予定です。また広告に活用したいという代理店さまからのご要望も多いので、各種DSPとの連携も早期に開発していきたいと考えています。
最終的にはAIを活用してコンテンツを自動的に出し分けるレコメンド機能を実装したいと考えています。CRMやMAで蓄積したデータをもとに、各セグメントのお客さまにどういったテンプレートを送ればよいのか、可変要素には何を入れると効果的なのかなど、細かなレコメンド機能をAIで実現していきたいですね。
コンサルティングの面においても、現在社内に10名強いるMarketo運用コンサルタントの数を増やし、パーソナライズド動画のプロとして、MAキャンペーンの中での効果的なパーソナライズド動画の活用をご提案できる体制を整えていきたいと考えています。

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ミニセミナー開催時だけでなく、ブースでは常時多くの来場者が足を止めており、関心の高さがうかがえました。
これまでパーソナライズド動画は遠い存在だったかもしれませんが、低価格でコンサルティング体制も充実した「personalize me」の登場により、導入のハードルが大幅に下がったと言えるのではないでしょうか。今後、国内でも多くの活用事例が生まれることを期待したいと思います。



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