Xperia 1の『トリプルカメラ』をじっくり試した(実機レビュー)

Xperiaといえば、優れたカメラ性能が特徴の一つだったものの、ここ最近では積極的に複眼化する他社スマホに遅れをとっていました。 ついに2眼化したXperia XZ2 Premiumは、ソニー独自の画像融合処理プロセッサ「AUBE(オーブ)」を別途搭載してまで巨大ボディになりながらも、発売当初利用できたのは暗所撮影のみ。 さらに遅れた1ヶ月後にボケ機能やモノクロ撮影をアップデートで搭載してきましたが、イマイチ活かしきれてないモヤモヤが抜けきれませんでした。 それだけに、Xperia 1のトリプルカメラは待望とも言えます。 Xperia初のトリプルカメラは、3つとも有効画素数約1220万画素のイメージセンサーを備えて、それぞれに焦点距離26mm・F1.6 の標準レンズ、52mm F2.4 望遠レンズ、16mm F2.4 超広角レンズを搭載。 Xperia 1のトリプルカメラは、撮影時に焦点距離を変えて撮影ができるという明快なものに。 カメラのUIは基本的には従来のXperiaと変わらずシンプルなもので、「x1」「x2」「W」のアイコンをタップしてレンズを切り替えます。 「x1」・・・焦点距離 26mm・F1.6 標準レンズ 「x2」・・・焦点距離 52mm F2.4 望遠レンズ 「W」・・・焦点距離 16mm F2.4 超広角レンズ 最初はタップして切り替えて使うものかと思っていましたが、アイコンを指で上下にスライドすると、「x1」から「x2」さらに最大で「x10」までシームレスにズーム倍率を変化させられることに気づきました。 なるほど、タップして単焦点レンズ3本を切り替えてる感覚のほか、指のスライドでズームレンズを操作する感覚でも使えます。 ちなみに、どのレンズで撮っても画像サイズは変わりませんカメラの設定から「4:3(12MP)」「16:9(9MB)」「1:1(9MP)」の3パターンで変更することはできます。 そしてXperia 1には、ソニーのデジタル一眼カメラαシリーズに搭載されている、「瞳AF」をスマートフォンとして初搭載。 例えば子供が動いても、そのまま瞳を追いかけてフォーカスをあわせ続けます。 顔認識では顔の部分のどこかにピントがあうという『ある程度の曖昧さ』がありますが、瞳にピントを合わせれば、よりピンぼけを抑えた写真が撮れるというわけです。 スマホの小さいセンサーだと全体にピントがくっきりあうだろうし、瞳にフォーカスする機能あってもなくても撮れる画について変わらないんじゃないかと思ってしまいますが、仮に52mm F2.4 望遠レンズで撮るとなれば精度はやはり問われます。 しかも、きちんと瞳を認識してしているのを画面で確認できるということは、シャッタータイミングがとりやすく狙ったところで撮影できるので、やはりあるとないのとでは大違いです。 今まで広角レンズしか積んでいなかったXperiaと比べても、広角と望遠を使い分けられるようになったおかげで、被写体によって物撮りや人物撮りなど、印象的に切りとれる写真の幅が広がりました。 AF追随とAE(自動露出)追従しながら10コマ/秒の高速連写も可能で、いろいろな表情をみせる子供撮りやスポーツ撮影にも活用できそうです。 ただし、ズーム機能にも欠点はあり「x2」よりも高い倍率で撮るデジタルズームの領域になると明らかに画質が荒くなります。 背景をぼかして撮る「ボケモード」は、1回のシャッターで背景にボケ感のある写真を撮影できます。 Xperia XZ3のようにシングルカメラで2つの画像を撮って擬似的にぼけを作る「ぼけエフェクト」では、2回シャッターをきるため動いている被写体に対しては使えなかったり、ボケの境目がずれてしまう場合もあります。 Xperia 1では、被写体が多少動いていても一発でボケ感のある写真が撮れ、自然な雰囲気になるので積極的に利用したくなります。 それから、「x1」標準レンズでの撮影に限られるものの、より大きなピクセルピッチ(1.4μm)と明るいレンズ(F値1.6)のおかげでよりノイズの少ない撮影ができます。 加えて、デュアルフォトダイオード搭載のイメージセンサーにより、暗がりで撮影する時でもフォーカスの迷いは減り、画像処理エンジン「BIONZ X™ for mobile」のノイズ低減処理のおかげもあって暗所で撮影した写真は今までよりも綺麗に仕上がっていることを実感できます。 バカ正直に言うと、Xperia 1のカメラは良くなっているものの、撮った画像を大きなPCディスプレイで大きく表示してチェックすれば当然ノイズ感はあります。 そこはまだまだセンサーの大きなコンパクトカメラやデジタル一眼カメラには及ばないところです。 ただ、いつでもどんな環境でもサッと取り出して撮れるというアドバンテージがあるスマートフォンにあって、そのカメラ性能が上がるというのは喜ばしいことです。 ほか、4K HDR動画撮影や、フルHDのスーパースローモーション(960コマ/1秒)撮影も可能で、クオリティの高い動画を残せます。 Xperia 1は、光学式と電子式の手ブレ補正をかけあわせた「ハイブリッド手ブレ補正」にXperiaとして初めて対応したおかげで、高画質だと余計に気になる手ブレをしっかりと抑えた撮影ができるようになっているのも強みです。 Xperia 1だからこその、21:9のディスプレイを活かした撮影方法のひとつがシネマ撮影専用機能「Cinema Pro」アプリ。 動画撮影アプリでありながら、カメラアプリの一機能ではなく、一つの独立したアプリになっています。 「Cinema Alta」というソニーの映画撮影用プロフェッショナルカメラ開発チームが画作り、操作画面を監修したというアプリで、映画のような画作り・質感・色表現で撮影できるというもの。 UIも独特でマニアックな設定画面と、シネスコサイズに限りなく近いアスペクト比21:9の動画をフィルムライクな雰囲気で撮影できるので、ちょっとばかり映画監督になった気分で撮影を楽しめます。 いつもの日常の景色がまるで違った雰囲気のある映像になるのでとても新鮮。 この撮影スタイルがこれからの動画撮影のスタンダードになるというような押し付けがましいものではなく、Xperia 1に「21:9 シネマワイドディスプレイ」を載せたからには、そのコンセプトにあわせて撮影にもこだわった楽しみが味わえるよといった提案なのだと思います。 それでももしかすると、今後「Cinema Pro」アプリで撮影した動画で作品を作るユーザーが生まれてくるかもしれません。 筆者も撮った動画を観てみると思った以上に楽しく、さっそく風切ノイズが気になって音声用に専用マイクを装着して撮ってみたいという衝動がさっそく発生してしまいました。 いつも新モデルが出ると楽しみになるものですが、Xperiaシリーズでここまでに物欲の高まったモデルはXperia Zが登場したとき以来かもしれません。 公式サイトのスペックから感じる印象よりも、実際にXperia 1を手にとったときの感動のほうがはるかに大きいものでした。 映画のような映像と音声の体験をする、マルチウインドウを楽しむ、ゲームをプレイする、カメラで撮影すること全てが本気で楽しい。 短期間の試用のため既に手元からレビュー用の実機は返却してしまいましたが、心にポッカリ穴があいたかのようにXperia 1ロスになっています。 カムバック Xperia 1!もう自分のXperia 1を手に入れられる発売日が楽しみで仕方ありません。 関連記事: ここ数年のXperiaとは全く異なる。Xperia 1実機ファーストインプレ 実際どう? Xperia 1『超縦長』ディスプレイの使い心地(実機レビュー)

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