ゼネラル・エレクトリックがベーカー・ヒューズと買収交渉 

ウォールストリート・ジャーナルによるとゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)が石油探索のドリルビットを作っているベーカー・ヒューズ(ティッカーシンボル:BHI)と買収交渉に入っているそうです。

これは素晴らしい買収だと思います。

まずベーカー・ヒューズの前身はヒューズ・ツールで、米国の石油産業では特に信頼を置かれてきたブランドのひとつです。

シェール開発は、膨大なデータを集め、それを解析し、ターゲットを定めると斜めの方向や水平な方向へ自在に掘り進むことが出来る、自走式ドリルを使います。自走式ドリルは自分の位置を、常にセンチメートル単位で把握できます。またセンサーなどによりちゃんと石油を含んだ層に到達したかどうか、自分で察知できます。

穴を掘った後は、ケーシングと呼ばれる、コンクリートを流し込み、油井を固定した後、パーフィング・ガンと呼ばれる、ダイナマイトを仕込んだ金属製の筒の中で爆発させ、岩盤に亀裂を入れるわけです。その際、使用後のプラグは、ナノテクノロジーにより自分で消滅します。

このようにシェール開発には先端技術が惜しみなく投入されており、ベーカー・ヒューズはそのハードウェアの提供企業としてはNo.1です。

ゼネラル・エレクトリックは「旅客機が飛行中にジェットエンジンの具合を自己診断する」というようなことを可能にするプレディックスと呼ばれるソフトウェアを持っています。つまりインダストリアル・インターネットのリーダー企業なのです。

このようなGEが目指している今後の方向性とベーカー・ヒューズのビジネスは親和性が極めて高いと思います。

もちろん、石油・天然ガスむけの機器は、最近の原油価格の低迷で売り上げが落ち込んでいます。先に発表されたゼネラル・エレクトリックの決算発表でも石油・天然ガス産業向けの事業部の不振が目立ちました。

しかしこれは原油価格低迷がもたらした一時的な問題であり、長期でみれば今後石油開発のビジネスはどんどんハイテクを利用することになるので、インダストリアル・インターネットを提唱するのであれば、是非、参入しなければいけない市場なのです。

下はGEがインダストリアル・インターネットに関する調査レポートの中で明らかにしたインダストリアル・インターネット導入によるコスト・セービングスの機会です。

1

プレディックスの活用などにより航空燃料が若し1%節約できたら……航空業界全体で300億ドルの節約が実現できます。同様に石油・天然ガス業界でドリリング予算の1%を削減できれば、それは900億ドルの節約になるのです。

GEがベーカー・ヒューズを買収すれば、インダストリアル・インターネットにおけるイノベーションを自ら率先して現場に応用できる機会を手に入れられるというわけです。

【関連する記事】
ベーカー・ヒューズは教科書的な「買い場」を提供している


from Market Hack http://markethack.net/archives/52025471.html
via IFTTT

コメント

このブログの人気の投稿

【Amazonサイバーマンデー】iPad(第8世代)用のSmart Keyboardが10%OFFとか珍しくない?

ESTメールマガジン 第71号

Googleクラウドに小売業向けに特化した新サービス