Appleの危機管理、​7年でどう変わった? iPhone 6以降のバッテリー交換すぐ開始も供給量に制限

※写真は2010年、iPhone 4の「デスグリップ問題」(持ち方で電波強度が変わる)でAppleが行なった緊急会見の様子。 12月28日、Appleが公にした旧型iPhoneのバッテリー問題に対する陳謝と対応は、一般メディアにも大きく取り上げられました。 参考記事: Apple、電池劣化 iPhoneの低速化で説明不足を謝罪 さらにAppleは、交換用バッテリーが当初の計画より早く(すでに)準備できたこと、バッテリー交換代をさらに引き下げること、初期の供給量に制限があることなどをアナウンスしました。 "We expected to need more time to be ready, but we are happy to offer our customers the lower pricing right away. Initial supplies of some replacement batteries may be limited." 実際、日本向けの案内文からも「2018年1月より」という記述は省かれてます。とくに日本語の記述はありませんが「すでに開始されたこと」、同様に「数に限りがあること」は間違いないでしょう。 参考サイト: iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと さて、今回の件で、iPhone 4のデスグリップ問題を思い出した読者も少なくないのではないでしょうか? 参考記事:アップル iPhone 4 プレスカンファレンス 2010年6月24日に発売されたiPhone 4は、その1週間後くらいから、持ち方によって電波が弱まる問題が指摘され始め、次第に大事へ発展していきます。Appleは対応を余儀なくされ、スティーブ・ジョブズ自ら会見を申し開きます。これは「裏の」伝説のプレゼンとも言われ、アイザックソンの伝記でも舞台裏が詳しく書かれています。 このときAppleは、端末の持ち方でアンテナ感度が落ちることは認めつつも、それは業界共通の問題であり、実際に影響を受けるユーザーは少ない(必要なら純正バンパーなしいサードパーティ製のケースを無償で差し上げます)と、ユーザーを「説得する」道を選びました。その1年後、iPhone 4sでは「デスグリップ問題」は塞がれたものの、そのこと自体すでに忘れ去られておりましたので、当初から実害を被っていたユーザーはそんなにはいなかったのではないでしょうか? 少なからずとも話題の新端末の宿命で騒ぎが大きくなってしまった点はあると思います。 今回のバッテリー問題は旧モデルの話ですが、やはりそこはiPhoneということで、大きな話題になっています。 バッテリーの劣化に起因する端末の急なシャットダウンを防ぐためにCPUの性能を低下させることは、批判されるべき罪でしょうか? 実際、ユーザーが体感するほど動作がもたつくわけではありませんし、シャットダウンほどクリティカルな現象はほかにないですから、トレードオフ的な調整をするのは当然という見方もできると思います。 ましてやApple自身が述べているように買い替えを促すためでは決してないでしょう、そんな(○○タイマー)みたいなことが発覚したらそれこそ大問題ですし、そのくらいの危機管理をAppleが行なえないはずがありません。 今回はユーザーに対し説明不足だったことを認め、バッテリーの安価な交換という対応となりましたが、私個人としては、少々寛大すぎる気がします。ユーザーを決して敵に回したくないという考えはわかりますし、このようなコストのかかる対応はApple以外のメーカーはそう簡単に行なえないでしょうから、戦略としての策という側面もあるとは思います。 会見を行なわなかったのは、年の瀬であったとか、新端末の話ではなかったとか、理由はあるかもしれませんが、もう少し信念を貫くといいますか、ユーザーに対しても強気でやんちゃなAppleを心の何処かで懐かしんでしまう自分がいます(ドMな筆者の個人的な想いです)。

from Engadget Japanese RSS Feed http://japanese.engadget.com/2017/12/30/apple-7-iphone-6/
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