「テスラ・キラー」中国のEVメーカー、ニオ(NIO, Inc.)がニューヨーク証券取引所にIPO

中国のEVメーカー、ニオ(ティッカーシンボル:NIO)が近くニューヨーク証券取引所に新規株式公開(IPO)します。

BYD、GAC、SAICら、中国の他のEVメーカーが大衆向けの廉価なEVを製造しているのに対し、NIOはテスラ(約12万ドル)より安い価格設定、すなわちプレミアムEV(6万ドルから8万ドル)を作っています。ニオは中国で初めてオリジナルのEVを出した会社でもあります。

テスラは中国に輸入される際、高い関税をかけられる関係で、実際には中国の消費者の1%以下しか手が届きません。それに対しニオはトップ20%の高所得者層なら手が届く価格設定となっています。

中国ではメルセデス・ベンツのEVも売られているのですが、それはテスラよりさらに価格設定が高く、実際には殆ど市場性はありません。

中国は既に世界最大の自動車市場です。今後世界での自動車市場の成長の8割は中国市場で起こるだろうと試算されています。また中国政府は大気汚染を防ぐため、ガソリン・エンジンを規制し、EVを奨励する政策を採っています。すでに中国政府は新しいガソリン・エンジン車の工場を認めない方針を打ち出しています。

すでにガソリン・エンジン車の所有認可は「くじ引き」になっており確実にクルマを所有したければEVを買うほうが早いです。

中国の自動車メーカーは生産の1割をEVとすることを義務付けられています。また消費者がEVを購入する際には政府から大きな補助金(同社の「ES8」の場合1万1千㌦)が出ます。

すでに世界で走っているEVの約半分は中国となっています。今後はEVの過半数が中国となる見込みです。

中国の今年のEV市場の成長率は前年比+90%が見込まれています。

ニオは過去3年に「フォーミュラE」、「EP9」、「ES8」、「ES6」、「ET7」などをローンチした。なかでも同社の主力車種は「ES8」で、これはSUVです。

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「ES8」に搭載されているNOMIスマート・スピーカーは消費者に大変ヒットしています。

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SUVはいま中国でいちばん人気のある車種です。また「ES8」が属するプレミアム・カテゴリーは最も急成長しているセグメントです。

これまでの生産台数は2200台です。現在の従業員数は7千人です。また拠点数は25です。

同社はEVそのものだけでなくサービスにも注力しています。ユーザー・エクスペリエンスを重視し、コネクテッド・サービスをアグレッシブに追及しています。

現在中国国内に80万か所あるチャージステーションは2022年までに500万に増やされる見込みです。これは米国・欧州の20倍です。ニオのバッテリー価格は他社の半値です。

今回売出し株数は1.6億ADSであり初値設定は$6.25~$8.25です。1ADS=1クラスA株であり、ディール後発行済み株式数は10.3億株になります。

2018年上半期の売上高は695万ドル、利益は5億ドルの赤字でした。

幹事構成は:

モルガン・スタンレー
ゴールドマン・サックス
JPモルガン
メリルリンチ
ドイツ銀行
シティグループ
クレディスイス
UBS

となっています


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