ロンドンで5Gスマホ「Galaxy Note10+ 5G」を買ってみた(山根康宏)

大手メーカーのフラッグシップモデルは5G対応が当たり前になりつつあります。筆者の住んでいる香港や日本では5Gサービスは始まっていないものの、これから最上位モデルを買うなら通信規格も5Gに対応したものが欲しいなと思うようになりました。以前韓国で5G対応のLG V50 ThinQを契約購入してはいるもののメインに使う端末ではありません(ほぼ韓国専用)。そろそろメイン機として改めて5Gスマートフォンを購入したいと夏頃から考えていました。 筆者が長年使ってきたGalaxy Noteシリーズの最新モデルには5Gに対応した「Galaxy Note10+ 5G」が用意されています。海外通販サイトなどを使えば韓国品が手に入るようですが、韓国品はネットワーク周りの設定に癖があるので韓国以外では使いたいとは思いません。となると他の国のモデルを買う必要があります。 幸いなことに9月上旬はIFA2019の取材でドイツ・ベルリンを訪問しました。IFA2019ではドイツテレコム が華々しく5G開始をアナウンス。Vodafoneと合わせてドイツは5Gのサービス提供国になったのです。 ところがIFA2019の会期中にベルリンのキャリアのお店を訪問しても、Galaxy Note10+ 5GどころかGalaxy S10 5Gも販売されていません。ドイツテレコムのお店では「Galaxy Note10+ 5G販売開始」のような看板を見つけたものの、店で話を聞くと在庫は無し。サービスは始めたものの一般消費者向けの端末販売はまだ数日かかるようでした。 ドイツの家電量販店、Saturnにはサムスンコーナー(Galaxyコーナー)があるのでそこにいるサムスンの販売員に聞いても「まだだよ」と。展示されていたのは4G版だけでした。せっかくドイツで5Gが始まったタイミングで現地にいるのに端末が買えないなんて残念どころではありません。 なおIFA2019のドイツテレコムブースには5Gスマートフォンの展示もされていました。ファーウェイの「Mate 20 X (5G)」シャオミの「Mi MiX 3 5G」もあったので販売予定なのでしょう。またサムスンの折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold 5G」のデモも行われていました。おそらくIFA2019が終わって9月下旬くらいになればこれらのスマートフォンを買うことができるのだと思われました。 ちなみにドイツテレコムのお店で確認しましたが、ドイツのキャリアではもはやスマートフォンのSIMロック販売は低価格なプリペイド向けのみ。ハイエンドフォンは定価販売されSIMロックは無いとのこと。ドイツテレコムで買ってもVodafoneのSIMを入れたり、他の国のSIMを入れて使うことができます。つまりメーカー端末をそのまま販売するという、考えてみれば当たり前、まっとうな商売が行われているのです。 さてキャリアで扱いが始まったけど在庫はまだ無いなんて言われてしまうとなおさら欲しくなってしまうのが人の性(さが)です。ならばドイツ以外の国へ飛んで買っちゃうのもありかもしれません。幸いなことにIFA2019のあとはブタペストへ行く用事があり、1日は移動日で余裕があります。 ヨーロッパの他の国は、スイスが真っ先に5Gを始めています。なのでスイスに飛べばGalaxy Note10+ 5Gを買うことができるかもしれません。しかしドイツのようにまだ販売準備中の可能性があります。またスイスはなにかと物価が高いのであまり滞在したくありません。 そこで今度はイギリスに目をつけてみました。サムスンのイギリスのWEBページにはドイツ同様、Galaxy Note10+ 5Gの販売案内があります。価格も出ていて売っているようです。しかしドイツではWEBに案内があってもお店にありませんでした。なのでイギリスも同じ可能性があります。 Carphone Warehouseなどの携帯電話販売チェーン店やキャリアのWEBページを見ても在庫はあるように見えます。しかし結局は 現地に行ってみないと本当に売っているかもわかりません。わざわざ飛んで行って在庫が無い、では飛行機代ももったいないですしね。 そこで通販サイトのArgosのWEBを見てみることにしました。Argosはカタログ販売の通販サイトですが、実店舗もあってWEBでオーダーしたものをお店で受け取ることができます。Galaxy Note10+ 5Gの在庫を見るといくつかのお店が「本日受け取り可能」つまり在庫がある状態です。ということでイギリスならばGalaxy Note10+ 5Gを買うことができそう。ブタペストからロンドンのチケットをあわてて購入、本来使うはずだったブタペストからフランクフルトのチケットは破棄です。 ロンドンには9月11日の深夜に到着。ヒースロー空港付近のホテルで夜を明かし、翌朝市内の繁華街、オックスフォードストリートにあるサムスンの旗艦店を目指します。ここに在庫が無かったらArgosへ行こうという作戦です。もっとも、せっかくの記念すべき端末購入はできればメーカーのお店で買いたいものです。 お店に入るとスタッフが気軽に声をかけてくれます。すかさず「Galaxy Note10+ 5Gください!」とダイレクトに伝えると「OK、在庫見てくるね」と。在庫無かったらどうしようと思ったものの、無事在庫あり。しかも美しい色の「Aura Glow」もあるとのこと。サムスンのWEBページやArgosではブラックしか在庫が無い記載だったのでこれはうれしい誤算です。 さっそくお金を払って即購入!と思いきや「今朝お店に入ってきたので在庫管理システムに登録するので待ってください」とのこと。しかしこれがなかなかうまくいかず、スタッフは30分くらいかけて登録。もしかしたら「登録できないので売れません」なんてことになったらどうしようかと心配してしまいましたが無事ゲットすることができました。 ただしこのままでは香港や日本のSIMカードを入れて使うことができません。ヨーロッパで販売されているGalaxyの一部のモデル(主に上位機種)は最初にヨーロッパのSIMカードを入れて5分間の通話をしないと、他の地域のSIMカードを入れて使うことができないのです。 iPhoneのように元から高価格な製品なら関係ないのでしょうが、Galaxyの場合は国によって価格差が大きいため他の国へ転売されることを予防しているのです。このことはあらかじめ知っていたので、イギリスVodafoneのSIMを持っていたのでそれを入れてさくっと5分間の通話を行いました。 これで完全フリーなGalaxy Note10+ 5Gの完成です。せっかくなのでVodafone UKの5Gをつかまないかなと試してみましたが、ネットワーク検索で出てきたのはキャリア名だけ。なお今の5GはNSA(Non Stand Alone)方式で4Gのコアネットワークを使うために、端末で検索しても出てくるネットワークは4Gの電波だけで、5Gの電波を直接探すことはできません。 今のところ、この端末が5Gモデルであることを示す証はネットワーク設定画面かサービスコマンドを打ち込んで5G対応モデルであることを確認するくらいしかありません。ちなみに今まで筆者はメイン端末にDSDS/DSDV機を使っていたのですが、Galaxy Note10+ 5GはシングルSIM仕様。ちょっと使い勝手が悪くなってしまいました。 気になる価格は256GB版が1099ポンド、512GB版が1199ポンドでした。256GB版にしようとも思ったのですが、タックスリファンドを受けられるのでその分安くなりますから、あえて512GBに。動画を撮ることが増えそうですから正しい選択だったでしょう。 IFA2019取材は帰りのフライトがフランクフルト発なのでロンドンからその日の午後にフランクフルトへ。翌日出国の時に空港でタックスリファンドの申請を行い、クレジットカードには5日後に返金されていました。今回は純正の透明ケースも買って、支払額は1216.99ポンド(クレジットカードで16万6605円)、タックスリファンド額は1万8444円だったので最終的な支払額は14万8161円となりました。購入直後からメイン機として活躍中です。 これで海外各国で5Gを試すことのできる端末を入手したことになりますが、5GのSIMカードはまだどの国もポストペイドのため手軽に入手することができません。また4Gと5Gの周波数の組み合わせは現時点ではLTE B3+NR n78が多いのですが、今後はアンカーのLTEに他のバンドを提供するキャリアも出てくるでしょう。その際にGalaxy Note10+ 5Gがそのキャリアの5Gをつかめるかどうかも不明です。 まあ「初物」ということで、まずはいろいろテストができるだけでも面白いでしょうね。来年の日本の5G開始時にはこのUK版Galaxy Note10+ 5Gが使えるか試してみたいものです。

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