Eコマースで動画を活用する際に知っておきたい「オンサイト」と「オフサイト」の動画戦略

Animotoの最新調査によると、消費者がある商品について知りたい場合、文章よりも動画を好む人の方が4倍多いことが分かりました。また、Invodo社の調査でも動画を視聴した人はそうでない人と比べ、1.6倍も購買まで至った人が多いという結果が出ています。

videocommerce画像参照元:http://www.invodo.com/reports/video-commerce-benchmarks-report-2014/

このように動画は、Eコマースの売り上げを左右する重要な存在となってきています。

それではEコマースに動画を取り入れるには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。本記事では、オンサイトとオフサイトに分けて、それぞれの動画戦略をご紹介していきます。

  • オンサイト(ECサイト上)でコンバージョンと平均注文額を増加させる
  • オフサイト(ソーシャルメディアやブランドサイト)で商品やブランドをプロモーションし、新規客を引き付ける

オンサイト(ECサイト上)での動画戦略

まずはECサイトでコンバージョン(CVR)と平均注文額(AOV)を増加させるための、オンサイト動画戦略です。オンサイトに適した動画にはいくつかのタイプがあります。

商品動画

商品動画では、商品をさまざまな角度から捉えるだけでなく、実際の使用時の様子なども伝えることができます。「お店で実物を手にとらないと分からない」といった、オンラインショッピング時にユーザーが抱く不安感の軽減にもつながります。

商品動画には、大きく分けて「商品紹介」「商品デモンストレーション」「商品背景」の3種類があります。それぞれの事例を見てみましょう。

商品紹介

さまざまな角度から商品を見せ、特徴やメリットを伝えます。この動画に向いているのは、衣服・宝飾品など複雑な機能をもっておらず、見た目が重視される商品です。

さらに新作コレクションの紹介などに活用すれば、顧客に最新情報を伝えることもでき、ブランドロイヤリティーを高めることにもつながります。

▽着衣の様子や機能説明。生地の素材や質感などが伝わってくる。

 

商品デモンストレーション

その商品が実際にどのように役立つのかをデモンストレーション(実演)する動画です。使い方が難しいものや、見た目だけでは効果が分かりづらい商品には、デモンストレーション動画が有効です。

例えば、ある洗剤の使い方を実演しすることで、その優れた効果を実感させることができます。また、商品を購入した顧客にとってはマニュアルとして機能してくれます。

▽フードカッターのデモンストレーション動画。簡単に片手でカットできる様子が分かる。

 

商品背景

その商品の開発ストーリーや、原料や製造過程を見せる動画です。商品の裏側をきちんと見せることにより、顧客は商品に対して親近感や信頼を抱くようになります。最終的に商品購入を後押しするのは「ブランドに対しての好意的な気持ち」や「信頼感」です。

▽開発者による商品(ランニング用シューズ)の説明動画。開発者の目線ならではの解説を行っている。

 

お客様のインタビュー動画

口コミの効果は強力です。BrightLocalの調査によると、企業や商品が信頼できるかどうかを判断する際に、口コミを探す人は消費者の85%にも上るそうです。
ECサイトの場合、テキストでの「口コミ」もよく見かけますが、それは誰にでも書けてしまうものです。「お客様の声」を動画にすることで、語っている人の顔、表情などが伝わりより信頼感のある口コミとして機能します。

▽ターゲットである主婦やママなどの声。
自宅のような場所で撮影しており、”つくりこまない”工夫がされている。

 

ブランド紹介動画やAbout Us動画

特定の商品ではなく、ブランドストーリーやECサイト運営事業者を紹介する動画です。
お互いの顔が見えないEコマースの場合、売り手と買い手の間に信頼関係を築くためには、自社のことをよく理解してもらう必要があります。その事業者の概要・事業を行っている理由・買い手のメリットなどを伝える動画は、信頼を生み出すのに有効な方法の一つです。

▽顧客からの収益をどのように事業に活かしているか、買い手のメリットなどを伝えている。

 

オフサイト(SNSやブランドサイトなど)の動画戦略

上述のオンサイト動画戦略は、ECサイトを訪れた見込み客の購買決定の後押しに寄与するものでした。これに対し、オフサイト動画戦略とは、新規客の興味を刺激するとともに、古い顧客の再訪を促すプロモーション活動を指します。

ソーシャルメディアを使った動画拡散

多くの人にアプローチするためには、YouTubeやFacebookなどのソーシャルメディアを積極的に活用しましょう。
例えばFacebookなら、動画はニュースフィード上で自動再生され、シェアされやすい傾向にあるため、ブランドを知らなかった人を含めた幅広い拡散効果も期待できます。Animotoの調査によると、Facebookのプロフィールページでプロモーション動画を共有したことのある人は消費者のほぼ半数に上り、ニュースフィードに流れる企業動画に「いいね!」をしたことがある人も84%いることが明らかになっています。

また、Facebookページに「いいね!」をしている人に対しては、「お客様のインタビュー」「新商品紹介」「商品背景」の動画を配信するのも効果的でしょう。

▽充電ができるスーツケースのプロモーション動画。1万人以上にシェアされている。

Don't forget to get one of your very own

Posted by Barracuda on 2015年5月3日

役立つ情報の提供

ブランドや商品の紹介ではなく、消費者に役立つ情報を提供する動画コンテンツを通して、企業やブランドの存在感を高めることができます。

例えば、インテリア商品をECサイトで販売している場合、「インテリアデザインのコツ」など、インテリアに関連するさまざまな情報を紹介する動画を制作し、YouTubeやブランドサイトなどに掲載してみましょう。その分野に関心を持つ見込み客の目に止まり、興味を引くことができるでしょう。

ブランド紹介動画やAbout Us動画

ブランド紹介動画やAbout Us動画はオフサイトでも有効です。オフサイトは商品について知りたいという欲求を持っている潜在顧客や、企業についてまだ知らないユーザーもアクセスしやすいからです。

以上のように、オフサイトでもさまざまな形で動画を活用することができますが、視聴者をECサイトへ誘導するという重要な役割も忘れてはいけません。YouTubeであれば「説明文内のリンク」や「カード機能」を用いて商品ページへの導線を設計しましょう。

もっともニーズがあるのは商品紹介動画

以上のように、オンサイト/オフサイトでさまざまな動画やプロモーションの選択肢が存在します。しかし、時間も予算も限られている状況では、すべてを実現することは難しいでしょう。

Animotoの調査では、8割の回答者が、その商品やサービスがどのようなベネフィットをもたらしてくれるかが分かる動画がもっとも重要だと答えました。そして「ユーザーの声」「企業紹介」がそれに続いています。

video-commerce02

以上のことから、ROI(費用対効果)を最大化させるために、「もっとも収益を上げている人気商品」の「商品紹介動画」から導入を検討するとよいでしょう。

そしてもっとも大切なことは、その動画が新規顧客向けなのか、既存客向けなのか、目的はコンバージョンなのか、新規顧客の呼び込みなのかを考えた上で、動画の内容を設計するという視点です。

 



from movieTIMES ムービータイムス http://www.movie-times.tv/study/how-to/6531/
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