ホールフーズの株価がホラーなことになっている件

うーん。

今日、ホールフーズ(ティッカーシンボル:WFM)の株価がホラーなことになっています。

wfm

ホールフーズはヘルシーさを強調したスーパーマーケットです。今日、決算を発表したのですが少し残念な内容でした。

EPSは予想45¢に対し43¢、売上高は予想36.9億ドルに対し36.8億ドルでした。これは前年比+9%です。また既存店売上比較は+1.3%でした。

決算自体も予想を下回ったけれど、今後の会社側の見通しが特にガッカリする内容でした。

2015年第4四半期はEPS予想38¢に対し、新ガイダンス34~35¢が提示されました。
売上高は予想35.9億ドルに対し、新ガイダンス34.83億ドルが提示されました。

カンファレンスコールの中で同社は自社店同士の食い合いにより30ベーシスポイント程度の既存店売上比率押し下げ効果があったと説明しました。

また重量表示が不正確だった問題でニューヨーク地区での既存店売上比較が悪化しました。そこで同社は外部コンサルタントを雇い、重量表示に間違いがないように努めると発表しました。

さて、投資家の懸念は、足下の業績もさることながら、「ホールフーズは値段が高い」というイメージが定着してしまったのではないか? という点にあります。

これまでホールフーズは新鮮でヘルシーでオルガニックな食品を扱っているから、それに対して消費者がプレミアム価格を払うのは当然だという方針でストア戦略を進めてきました。

しかし最近ではトレーダージョーズという新手のライバルが登場し、消費者の欲しがるヘルシーな食品を、ホールフーズより安い値段で売り始めています。ホールフーズがヤッピー向けの高級志向を強め過ぎたのに対し、トレーダージョーズはボヘミアン的、ないしはカウンター・カルチャー的なオーラを保っています。

このため流行に敏感なミレニアル世代は「ホールフーズは、もうダサい。これからはトレーダージョーズだ」という感じで大挙してトレーダージョーズに流れているのです。

これを見たホールフーズは「365」というバリュー志向のストアを新しく展開すると発表しました。

365_wfm_logo_highres

これはトレーダージョーズと一騎打ちするためのコンセプトです。最初の店舗はロスアンゼルスのシルバーレイク地区に今年中にオープンする予定です。

「365」の成功を投資家は望んでいるわけですが、それと同時に若し「365」が成功し過ぎると、それが本家本元のホールフーズと食い合いになるリスクもあります。

言い換えれば、ホールフーズは、にわかにそのストアコンセプトそのものが崩壊(collapse)するリスクに直面しているわけです。



【注釈】今日のホールフーズの動きは特別に解説が必要だと思ったので、今日UPした決算速報記事を大幅に改筆しました。

from Market Hack http://markethack.net/archives/51975372.html
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