YouTube最新トレンドを徹底解剖!世界のトップ企業がYouTube戦略を拡大させるワケとは?

2015年第2四半期の決算発表後の電話会見 外部リンクで、YouTubeのアクティブユーザー数が10億人を突破したことを公表したGoogle社。その他にもマーケターが知っておくべきさまざまなファクトが明らかとなりました。

まずYouTube動画の視聴時間の総計が1年前の同時期より60%以上増加したとのことです。そして、モバイルデバイスからのYouTube視聴時間は同比2倍にまで増えました。さらに18~49歳におけるモバイル動画視聴者数は米ケーブルテレビのそれを上回ったとしています。この事実は、これまで以上にマーケティング戦略におけるモバイルシフトが不可欠な要素になりつつあることを物語っています。

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電話会見ではまた、YouTubeのホーム画面から入る人の数がこの1年で3倍に増えたことを明らかにしています。視聴者は他のサイトからYouTube動画に流入してくるのではなく、まずYouTubeを訪れ、そこで面白いコンテンツを探すスタイルに変化していることが読み取れます。

そしてYouTube上での滞在時間と視聴時間も伸びているとのことです。モバイルに至っては、1セッションあたりの動画視聴時間が平均40分に達し、これは2014年と比較して1.5倍も長くなっています。モバイル動画は短い方がいい、というこれまでの定説が崩れ、30分を超えるような長尺動画も受け入れられるようになってきていることが分かります。

一方、広告面での動向に関しても、YouTubeへ広告出稿する企業の数がこの1年で40%増え、上位100社の出稿額は60%もの増加を見せました。Google社はこの増加傾向は今後も続いていくと予測しています。

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昨今、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアでも動画トラフィックが増え、動画広告対応を強化するなど勢いを見せていますが、YouTubeの広告収益にはそれほど影響していないようです。反対に、モバイルデバイスにおける動画視聴の拡大トレンドが双方に利益をもたらしていると推測できます。

また、Google社は、年間10万ドル以上を稼ぐYouTuberの数も1.5倍に増えていることを明らかにしています。

世界のトップブランドのYouTube戦略とは?

このように拡大を続けるYouTubeに対し、企業が有効なコミュニケーションプラットフォームとして注目するのは当然の流れと言えます。事実、2014年の人気動画上位10作のうち4本が企業によって制作された動画でした。

そこで米Pixability社は、Interbrand’s 2014 Best Global Brands Report  外部リンクにもとづく世界のトップ100ブランドによるYouTube動画を分析。その結果、この1年で視聴者数や再生数が大幅に増え、チャンネル登録やコメントの増加からエンゲージメントも向上していることが明らかとなりました。

以下は、トップ100ブランドによるYouTube動画の統計です。

▼公式チャンネル数は約2400。動画総数は61万本超で、400億回以上の再生

youtube01画像参照元:http://www.pixability.com/top-100-brands-2015/

▼およそ1割の動画は10分以上の長尺

youtube02画像参照元:http://www.pixability.com/top-100-brands-2015/

▼木曜日の公開が最多。週末のトラフィック獲得のためにSEO対策として

youtube03画像参照元:http://www.pixability.com/top-100-brands-2015/

▼チャンネル内の動画に対する「高く評価」はおよそ900万で、「低く評価」の10倍以上。登録者は約7300万人で、およそ1600万件のコメント

youtube04画像参照元:http://www.pixability.com/top-100-brands-2015/

▼1年間の動画再生回数は28億回、チャンネル新規登録者数は2300万人

youtube05画像参照元:http://www.pixability.com/top-100-brands-2015/

以上のようなブランド公式チャンネルの成長は、各ブランドのYouTube戦略がそのセオリーを確立させつつあることの表れと言えるでしょう。企業やブランドはYouTubeの特性を理解することでその価値を最大限有効活用し、テレビに代表される従来のプラットフォームではなしえなかった形で企業やブランドへの理解促進、ファンとのリレーション強化を図っているのです。

上位100ブランドによるYouTube動画の10%が10分以上の長尺であることからも、単にCM素材をYouTubeにアップロードするだけでなく、YouTube用にブランドコンテンツを制作し、それを目的としてチャンネルを訪れた視聴者をファン化させるという戦略が見えてきます。

またチャンネル登録者数が1年で47%も増加していることも注目に値します。チャンネル登録をすれば、新しいコンテンツがアップされるたびに、すぐに視聴できるようになります。つまり視聴者たちは、単に動画を見ているのではなく、YouTube動画を通して積極的にブランドとつながろうとしているのです。「高く評価」が「低く評価」よりも10倍以上多いことも、その裏付けと捉えることができるでしょう。

トップブランドは、このような視聴者の動向を敏感に察知し、YouTubeにおける動画コンテンツマーケティングに注力しているのです。

日本のYouTube動画広告のトレンドとは?

最後に日本市場に目を向けてみましょう。先週グーグル社は、今年上半期で反響の大きかったYouTube動画広告10本を挙げ、そのトレンドを分析しています。

●SNSやメディアを通しての拡散

再生回数を伸ばす上で、ウェブ上での拡散が欠かせません。シェアされやすい動画広告のポイントとしては、昨今YouTubeで人気の「やってみた」コンテンツ、タレントだけでなく動物やキャラクターなどストーリーに合わせたキャスティング、言語が分からなくても伝わるストーリーや演出、という3点を挙げています。

▼au WALLET「にゃにゃにゃにゃ食堂」はYouTubeの人気コンテンツである動物×人気声優というキャスティングで話題に

 

●YouTuberとのコラボレーション

YouTuberを起用した動画広告も再生回数を伸ばしています。YouTuberならではの企画のユニークさとともに、彼らのファンに対して効率よくリーチできることも広告主にとって大きな魅力となっています。

▼丸亀製麺は、大食いで人気のYouTuberを起用してメニューの幅広さを訴求

 

●タイムリー性、イベント性

年間行事や季節性を取り入れたストーリーも視聴されやすいとのことです。季節イベントは海外でも共感されやすく、再生回数が伸びる傾向にあるようです。

▼トヨタは父の日に合わせ、父娘それぞれの視点から人生の軌跡を描いた動画を公開。国内外で共感を集め、500万回以上の再生を記録

 

●テレビCMとの連動

人気のテレビCMの長尺版や、その撮影現場の裏側をYouTube動画広告として配信するケースも増えています。長さの制限がないTrueView広告なら、テレビCMでは表現できないストーリー構成も可能になります。

▼コカ・コーラは「スプラッシュスライダー」のテレビCMではカバーできなかった舞台裏や多くの参加者の表情を動画広告で紹介

 

幅広い動画コンテンツでファンを獲得・育成する

以上ご紹介した日本の動画を含め、世界的に話題になる動画の多くはHHH戦略 外部リンクにおけるヒーローコンテンツです。

しかし世界のトップブランドたちはそれだけでなく、セールスファネル 外部リンクのすべてをカバーする幅広い動画コンテンツを展開する戦略をとっています。なぜなら今やGoogleに次ぐ大規模な検索エンジンとなったYouTubeにおいて、視聴者たちはチュートリアルやレビュー動画などを積極的に検索しており、オーガニックでも関心を集められるクオリティの高いコンテンツの必要性をよく理解しているからです。

実際、Pixability社は、YouTubeマーケティングを成功へと導くのは、「広告の活用」、「強力なコンテンツ戦略に基づくアクティブなチャンネル運営」、「クリエイターとのパートナーシップ」という3つの要素だと述べています。

トップブランドは、早くから動画マーケティングに取り組んでおり、数々の試行錯誤を重ねた経験値を蓄えています。だからこそ、どのような施策が有効なのかを理解していると言えます。そんなトップブランドたちの動向に常にアンテナを張り、参考にしながらも、独自の動画マーケティング戦略を築いていきたいものです。

 

[参考]

Google Inc. Announces Second Quarter 2015 Results
https://investor.google.com/earnings/2015/Q2_google_earnings.html

YouTube on Mobile: Viewers Sticking Around for 40 Minutes :
http://www.reelseo.com/youtube-mobile-increase-watch-time/

Top 100 Global Brands on YouTube - 2015 Update
http://www.pixability.com/top-100-brands-2015/

Inside AdWords-Japan: 2015 年上半期に話題になった YouTube 動画広告を振り返ろう
http://adwords-ja.blogspot.jp/2015/07/YouTube-video-ads-1st-half-of-2015.html



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