マッキンゼー・グローバル・インスティチュート(MGI)の『デジタル・グローバライゼーション』レポート 2016年版がリリースされる 日本は総合24位 

このレポートの話に入る前に、なぜ外国とのモノや情報の交換が有益なのか、ひとことだけ補足しておきます。それは自分の国に無いものや不足しているものを、外国からもらい、その見返りに自分の国にふんだんにあるもの、あるいは自分が得意としているコトを相手に提供することで、Win-winのカンケーが築かれ、その結果としてお互いの成長が加速するからです。

一例として中国はヘンリー・キッシンジャーの「ピンポン外交」の後で西側世界とつながりを回復する決断をした瞬間を境に、爆発的な成長を経験しました。

世界と、ある国のつながりが、より緊密になっているのか? それともだんだん失われているのか? を継続してモニターする意味は、ここにあるわけです。

まずこのレポートのサマリーは、下のリンクからダウンロードできます。

マッキンゼー・グローバル・インスティチュート『デジタル・グローバライゼーション』レポート 2016年版


同レポートの結論を、一部抜粋すると:

世界のつながりは、過去でもっとも緊密になっている。とりわけ新興国が世界の貿易の相手方になっているケースが、今回、はじめて50%を超えた。新興国同士のつながりが最も急成長している。

モノならびにカネのつながりは、モメンタムを失った。しかしクロスボーダーでのデータのやりとりは、爆発的に増えている。

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ネットは他国とビジネスをする際のコストを大幅に下げ、結果として新しい商機や世界の反対側にユーザー・コミュニティを創出することを引き起こしている。

世界中の中小企業が、ネットの利用により「マイクロ多国籍企業」化している。イーベイ、アマゾン、フェイスブック、アリババなどのプラットフォームを利用すれば、零細企業でもカンタンにグローバルに展開できる。

個人もネットを利用することでグローバルに職を探し、学び、自分の能力を買ってくれる相手を発見し、多国籍ネットワークを構築しはじめている。既にソーシャルメディアを通じてそのような多国籍ネットワークを持ち始めている個人は9億人に達しており、そのうち3.6億人はクロスボーダーでモノやサービスを売ったり、買ったりしている。

これまではグローバルなモノのやりとりが世界のGDPを10%押し上げてきた。しかし今後はグローバルなデータのやりとりがモノのやりとりを凌駕する。2005年から2014年にかけて、グローバルなデータのやりとりは45倍になった。

同レポートは、ある国がどのくらい世界と「つながっている」かを指数化し、それをランク付け(Connectedness Index Rank)しています。以下はそのランキングです:

1.シンガポール
2.オランダ
3.米国
4.ドイツ
5.アイルランド
6.英国
7.中国
8.フランス
9.ベルギー
10.サウジアラビア
11.アラブ首長国連合
12.スイス
13.カナダ
14.ロシア
15.スペイン
16.韓国
17.イタリア
18.スウェーデン
19.オーストリア
20.マレーシア
21.メキシコ
22.タイランド
23.クウェート
24.日本
25.カザフスタン

となっています。なおこの指数はモノ、サービス、カネ(金融)、ヒト、データという5項目を調査対象としています。

サウジやアラブ首長国連合が高いのは、労働力を季節労働者というカタチで輸入しているからだと思います。

中国は当然、モノ(第4位)、カネ(第4位)では上位ですが、ヒト(第82位)、データ(第38位)では低位に甘んじています。これは同国の閉じたインターネットが関係していると思います。

特に注目されたのはドイツで、モノ(第2位)のつながりは順位が高いのは当然として、データでも第2位につけている点が印象に残りました。なお欧州、特にドイツは昔から通信分野ではアメリカよりも充実し、ロー・コストであることが知られてきました。

さて、日本ですが、モノ(第15位)、サービス(第20位)、カネ(第12位)、ヒト(第81位)、データ(第20位)となっており、まあ英語がしゃべれない国民性で、なおかつ移民反対の立場からヒトのつながりが弱いことは当然として、データの部分で劣後しているのは大いに不本意とすべきでしょう。



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