スプリントとTモバイルが合併 主導権はドイツテレコムへ ソフトバンクは借金地獄から篭脱け

スプリント(ティッカーシンボル:S)とTモバイル(ティッカーシンボル:TMUS)が株式交換で合併すると発表しました。交換比率はTモバイル1株に対しスプリント9.75株です。

Tモバイルは全米第3位、スプリントは全米第4位のキャリアーです。ドイツテレコムはTモバイルの62%株主、一方ソフトバンクはスプリントの83%株主です。

新会社のCEOは現Tモバイルのジョン・レジャーCEOが就任します。また会長職にはドイツテレコムのティモテウス・ヘットゲスCEOが就任します。つまりソフトバンクの孫正義CEOは新会社の取締役には就くけれど経営の主導権はドイツテレコム=Tモバイルが握るわけです。新会社の投票権の69%はドイツテレコムが握り、14名の役員のうち9名を選出します。

投票権ではなくエコノミック・インタレストで見ればドイツテレコムが42%、一般株主が31%、ソフトバンクが27%株主ということになります。

また新会社はブランドネーム的に優位に立つ「Tモバイル」の社名を残し、「スプリント」は消滅します。これはTモバイルが順調にサブスクライバーを伸ばす一方でスプリントが苦しんできたことを考えると当然の判断です。

この買収は米国司法省、米連邦通信委員会の審査が必要となります。今回の合併の試みは「三度目の正直」であり、行政の意向によっては今回もご破算になるリスクも残しています。

Tモバイルの時価総額は550億ドル、スプリントは260億ドルですから、そもそも両者が対等に合併するというのは滑稽な話であり、有り体に言えばTモバイルがスプリントを救済した、ないしはソフトバンクが297億ドルにも上る純負債をTモバイルに背負込ませ、実質的な「篭脱け」を達成したと見るべきでしょう。

ちなみに純負債+時価総額で計算されるエンタープライズ・バリューではTモバイルが833億ドル、スプリントが556億ドルです。

新会社の携帯ユーザー数は1億人を超え、ベライゾンに次いで全米第2位になります。

TMUS

S

トライオートETF


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