CIA・アメリカ国家安全保障局出身のハッカーが設立した次世代セキュリティー企業、カーボン・ブラックがIPO

カーボン・ブラック(ティッカーシンボル:CBLK)は元CIAならびにアメリカ国家安全保障局(NSA)の、オフェンシブ・ハッカー(=防御ではなく攻撃側に回るハッカー)が設立した次世代セキュリティー企業です。

かつてインターネット・セキュリティーは社内のITアセットをファイアウォールなど「防壁」を設けることで行われてきました。しかし企業のIT活動がどんどんクラウドへ移行し、さらに社員はスマホなどで社外からそれにアクセスするようになったことで、このような従来の防御方法ではハッカーの侵入を防げなくなっています。またこれまでは社内のITアセットにアクセスを試みるトラフィックに対してフィルターをかけることでハッカーを防ぐことが常でしたが、ハッカーの手口は巧妙化し、そのような方法では防げなくなっています。

カーボン・ブラックは「監視カメラ」のように全てのトラフィックを常時モニターする(unfiltered endpoint data)ことで漏れなくハッカーの動きを把握します。また普通のアクティビティーを装うハッカーの侵入プロセスを時系列でフォロー、分析する(streaming analytics)ことでハッカーの意図を未然に察知します。このような水も漏らさぬモニターを実現するためには常時モニターされた膨大なデータを効率的に圧縮し、クラウドにどんどんフィードバックすることが必要になります。そうしたビッグデータの圧縮技術もカーボン・ブラックのユニークなノウハウです。こうした一連の監視体制を整えることで100%ハッカーを撃退します。

同社はサブスクリプション・モデルを採用しており、初年度は下のチャートのように顧客を獲得すると赤字になります。しかし一度同社の顧客になるとリピート・ビジネスが見込めるため、二年目以降は黒字になります。

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同社はこれまでに3700社を顧客にしています。また今後はサービスの大半をクラウドへ移してゆく考えです。

2017年の売上高は1.62億ドル、純利益は8400万ドルの赤字でした。

2

同社はハイランド・キャピタル、セコイア、クライナー・パーキンスなどの著名VCの後ろ盾を得ています。

会社名:カーボン・ブラック(Carbon Black, Inc.)
ティッカーシンボル:CBLK
初値設定:15~17ドル
今回売り出し株数:800万株
ディール後発行済み株式数:6583万株
幹事証券:モルガン・スタンレー、JPモルガン




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