ベン・ホロウィッツがDisrupt SFに登場する

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうかThe Hard Thing About Hard Things〕が出版されてから4年になる。われわれTechCrunchの編集部を含め、多くの読者にとってこの本は今でももっとも権威がありもっとも率直に書かれたビジネス書の一冊となっている。これほど役立つ経営書は他に例を見ない。そこでAndreessen Horowitzの共同ファウンダーであり、この本の著者であるベン・ホロウィッツが9月のTechCrunch Disruptに登場することが決まったことを発表できるのはたいへん嬉しい。

他のベンチャーキャピタリストが書いた類書に比べて、われわれがホロウィッツの会社経営に関するアドバイスを真剣に受け止める理由はどこにあるのだろう? 簡単にいえば、ホロウィッツの現実の経営経験だろう。この本ではその体験が率直に語られている。たとえばホロウィッツはクラウドビジネスのパイオニアであるOpsware(元LoudCloud)の共同ファウンダー、CEOであり、2007年には同社をヒューレット・パッカードに16億ドルで売却することに成功している。しかしそれまでにホロウィッツは何度も窮状を詳しく報じられてきた。ドットコム・バブルの破裂で最大の顧客が倒産するなど、Opswareは一度ならず危機に襲われている。

Netscape Communicationsはマーク・アンドリーセンが創立した後、わずか16ヶ月で上場を果たした。ホロウィッツはそこでいくつかの事業部の責任者を務めた。エキサイティングな経験だったが、ホロウィッツはここでも若きアンドリーセンとの間で緊張した関係があったことを率直に書いている。ホロウィッツらが準備していた株式上場にについてアンドリーセンがメディアに情報を漏らしすぎると不満を述べたところ、アンドリーセンから「この次はお前が取材を受けてみろ、バカ野郎」という意味の答えが返ってきた。

今となってはユーモラスなエピソードだが、当時ホロウィッツは(すでに結婚して3人の子供がいた)は真剣に新しい職を探さねばならないと考えたという。

ホロウィッツの本の魅力は著者が実際に体験したことを書いている点にある。彼は自分が何を言っているか熟知している。 決してものごとをオブラートに包んだりしない。しかし多くの経営コンサルタントや彼らの本は抽象的、理論的すぎる。どうともとれるあいまいな表現も多い。ホロウィッツは本質をずばりと突く。CEOにとって困難なのは社員の降格や解雇、昇給の時期やタイミグなどの問題であり、往々にしてここで失敗するという。起業家が必ず学ばねばならない重要なコンセプトは、なにごとを決定するのでもきわめて広い視点を持たねばならないという点だとホロウィッツはアドバイスする。つまりその決定によって直接の影響を被る人間の視点だけでなしに、それが会社にとってどういう意味を持つのかを意識しなければならないわけだ。

企業のトップは意思決定にあたって非常に大きな圧力にさらされるのが常だから、これを実行するのは容易でないとホロウィッツも認めている。しかし会社の視点で判断するというのは決定的に重要だ。組織を健全に保つ上で最重要なポイントといえるだろう。

この秋、ホロウィッツから直接に話を聞けることになり楽しみにしている。Adreessen Horowitzは創立後9年でシリコンバレーを代表するベンチャーキャピタルとなったが、その経緯、これにともなう起業家精神の深化についても聞けるものと期待している。

読者がスタートアップのファウンダーか、またはそれを目指しているなら、このチャンスを逃すべきではないだろう。Disrupt SFは来る9月5日から7日までサンフランシスコで開催される。チケットはこちらから

〔日本版〕『HARD THINGS』は高橋、滑川が翻訳を担当した。刊行に先立ってTechCrunchでも紹介している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+



from TechCrunch Japan https://jp.techcrunch.com/2018/06/30/2018-06-29-ben-horowitz-is-coming-to-disrupt-sf/
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