5G対応、2画面スマホになる「LG V50 ThinQ 5G」レビュー

LG V50 ThinQ 5Gは今年2月にLG G8 ThinQと同時に発表されたLGの最上位モデルです。Snapdragon 855を採用、カメラは前後に5つのペンタレンズなどフラッグシップにふさわしい製品なのですが、最大の特徴は5Gに対応したスマートフォンである点です。そのため5Gの開始されていない国では販売されていません(代わりに同時に発売になったハイエンドモデル、「LG G8 ThinQ」が投入されています)。V50 ThinQ 5Gは5Gを最大限に活用するスマートフォンでもあるわけです。 筆者は韓国で5G契約と同時に5Gスマートフォンを購入しましたが、サムスンの「Galaxy S10 5G」とどちらにするか悩んだものの、V50 ThinQ 5Gを選んだのです。それはカバー型でディスプレイをもう1枚追加し、左右折りたたみ形状の2画面化できるデュアルスクリーンカバーの存在です。これがあるからこそV50 ThinQ 5Gの存在感があると言えるほど、この2画面化は使い始めると病みつきになります。 V50 ThinQ 5Gは6.4インチ、3120x1440ピクセルのディスプレイを採用。カメラは背面が1600万画素(超広角)+1200万画素(広角)+1200万画素(望遠)で、サムスンとほぼ同等の構成。フロントカメラは800万画素(標準)+500万画素(広角)です。メイカメラはカメラはLGの他のトリプルカメラ機同に、1度のシャッターで3つの画角を切り替えて撮影できる「トリプルショット」に対応しています。 スマートフォンとしての使い勝手は特筆するものはなく、CPUも高速ですから特に不満が出ることはありません。本体は左側の下部にAIアシスタントを呼び出すボタンが付いており、デフォルトではグーグルアシスタントを呼び出せます。これは「ThinQ」の名前の付く他のLGスマートフォンと同様です。さらにはショートカットで4つのアイコンを呼び出せるフローティングアイコンなど、LGスマートフォン上位モデルの標準機能がすべて備わっています。 V50 ThinQ 5Gの使い勝手がいいと感じたのは、カメラのトリプルショット。最近のスマートフォンはウルトラワイド撮影が可能なものも増えていますが、風景やお店などの被写体をウルトラワイドで広く写したあとで、「もうちょっと寄った写真にしたほうがよかったかな」なんて思うこともあります。トリプルショットならウルトラワイド・ワイド・望遠を一度に撮影してくれるのであとから好みの写真を選ぶことができるわけ。なおシャッターは実際には連続して3回、それぞれのレンズで切られるので高速に動く被写体は苦手です。 そしてV50 ThinQの可能性を大きく広げてくれるのがデュアルスクリーンカバーです。V50 ThinQ利用者には必須ともいえるアクセサリで、筆者が本体を買った韓国では品切れで2か月待ちになるほどの人気になっています。 デュアルディスプレイカバーとV50 ThinQの接続は背面の3ピン端子で行います。本体はモトローラのmotomodsのようなマグネット式ではなく、一般的なケースのようにはめ込んで利用します。 デュアルディスプレイカバーを取り付けると、画面の端にコントロールボタンが現れます。ここをタップすると、 画面の切り替え 画面送信 画面インポート メインスクリーン節電 デュアルスクリーンオフ を選べます。 画面の切り替えは左右それぞれで起動したアプリの位置を、メイン画面、デュアルスクリーン画面間で切り替えるもの。画面送信はメイン側表示のアプリをデュアルスクリーン側へ切り替え。画面インポートはその逆です。そしてメインスクリーン節電はデュアルスクリーン側を主に使うときのためのモノ。デュアルスクリーンオフはメインスクリーンだけを利用します。ディスプレイが2枚になると電力がかなり食われるために節電機能が備わっているというわけです。ちなみにバッテリー残量が15%を切ると、デュアルスクリーンは画面オフとなります。 2つの画面は本体を横に向けると横方向の表示になります。メイン画面を下にしてもよし、上側にしても180度回転されて表示できます。なおホーム画面は横表示にならないので、横向きのままずっと使うことはできません。このあたりは今後のファームウェアアップデートで対応してほしいもの。また2枚の画面を1枚にして使うこともできず、片側にアプリを表示し、もう片側にキーボードを表示してノートPCのようなスタイルで使うこともできません。 2枚の画面を使うスマートフォンはZTEの「AXON M」などがありました。V50 ThinQのデュアルスクリーンも目新しさは無いと思うかもしれません。しかし過去モデルと徹底的に違うのは上下左右のベゼルがほぼないため開いた状態でも全画面表示であり、それぞれの画面を目いっぱいまで使うことができます。そのため画面表示エリアに無駄がなく、本体を開くと手のひら一杯に情報が表示される、という印象を受けます。脱着が簡単なので必要な時だけデュアルスクリーンカバーを着けるものと思いましたが、筆者はずっと着けたまま使うほど2つの画面表示が気に入っています。 2枚の画面は片側に常にSNSを表示しておき、タイムラインで気になった情報があればそれをもう片側の画面で検索したり、その結果をSNSでシェアする、という使い方は便利。つまりPCで行っている複数ウィンドウの同時表示と同じことができるわけです。TwitterとFacebook、YouTubeとInstagramのように、似たようなSNSを並列表示するのも意外と使いやすいものです。すでにAndroidスマートフォンなら1画面内で2つのアプリを同時表示できますが、表示エリアが狭いために実用的ではありません。V50 ThinQ 5Gなら2台のスマートフォンを並べたような使い方ができるわけです。なお筆者お気に入りはカメラとギャラリーの左右表示です。 なお韓国では3キャリアが5Gサービスを始めていますが、5Gサービスの一部はデュアルスクリーンに対応しています。野球、ゴルフ、K-POP音楽番組で「全体」「一部の拡大」といった複数画面表示や、ゲーム中に片側の画面で直前のプレイのハイライトをプレイバックしてみる、といったことが可能です。 このように便利なデュアルスクリーンカバーですが、欠点もあります。まずは本体サイズが一回り大きくなってしまうこと。またスクリーンを開かなければ画面が見れないため、通知を見逃しますし、スマートフォンを使うときに必ず一度は両手で画面を開く必要があります。カメラを使うときは、本体の片手保持も難しくなります。当初から2画面で設計された端末ではないので、この辺りは仕方ないことなのでしょう。満員電車に乗るときはあらかじめデュアルスクリーンカバーを外しておくのがよさそうです。 ところで「せっかく2画面あるのだから、1枚の大きい画面として使いたい」と思いそうですが、そういう考えにはなりませんでした。ZTEのAXON Mなどは1画面表示ができましたが、真ん中にディスプレイとディスプレイの間をつなぐヒンジのラインが入るため、「1枚の大画面」には見えず、没入感が削がれてしまうのです。大画面が必要なユーザーはいずれ出てくる折りたたみスマートフォンを選べばいいでしょう。V50 ThinQ 5Gのような「2画面端末」と折りたたみスマートフォンは方向性は似ているものの、最終的なユーザー体験はかなり異なります。 筆者はV50 ThinQ 5Gを2週間ほど使ってみましたが、今ではデュアルスクリーンカバーを常につけて使うようになりました。やはり2つの画面が同時に使える利便性は1枚画面では味わえません。他社のスマートフォンでも後付けでディスプレイが追加できる様になってほしいものです。日本の5G開始時にはV50 ThinQ 5Gの投入を期待したいですね。

from Engadget Japanese RSS Feed https://japanese.engadget.com/2019/07/28/5g-2-lg-v50-thinq-5g/
via IFTTT

コメント

このブログの人気の投稿

【Amazonサイバーマンデー】iPad(第8世代)用のSmart Keyboardが10%OFFとか珍しくない?

ESTメールマガジン 第71号

Googleクラウドに小売業向けに特化した新サービス