テスラの「Megapack」はピーク時電力を供給する巨大バッテリーシステム

Tesla(テスラ)は新しい公共規模のエネルギー蓄積製品としてMegapackを発表した。同社が南オーストラリアで天然ガス利用の「ピーカー」発電所の代替手段として展開した巨大バッテリーシステムに基づいている。

Megapackは、Teslaが提供する3番目にして最大のエネルギー蓄積システムだ。同社は、住宅用にPowerwall、商業用にPowerpackというシステムも販売している。

Teslaが米国時間7月29日にブログで発表したMegapackは、同社のエネルギー蓄積事業の最新商品であり、電気自動車と比べて売上の少ないこの事業を見直し、成長させようとする取り組みだ。Teslaの第2四半期の総売上64億ドルのうち、ソーラーおよびエネルギー蓄積事業の売上はわずか3.68億ドル(約400億円)だった。

7月24日に発表された決算報告によると、Teslaは第2四半期に415MWh(メガワットアワー)相当のエネルギー蓄積商品を販売した。これは前四半期を81%上回る新記録だった。Powerwallはこれまで5万世帯以上に設置されている。

もしTeslaが、現在一般的な天然ガスピーカー発電所に代えて同社製品を使うよう電力会社を説得できれば、エネルギー事業をさらに拡大できる可能性がある。

TeslaのMegapackは、米国カリフォルニア州モスランディングでPG&Eと進めている567MWのエネルギー蓄積プロジェクトのうち、182.5MWを提供する予定だ。

Megapackは、公共事業規模の容易に設置できるように設計・開発された電力蓄積システムた。バッテリーモジュール、双方向インバーター、 熱管理システム、AC遮断管理装置などからなる組み立て済みの完成品で、最大3MWhのエネルギー蓄積能力と1.5MWのインバーター容量を持つ。

Megapackを発表したブログ記事によると、システムにはTeslaが開発したソフトウェアも含まれ、設備の監視、制御、収益化を行う。

Megapackは、すべてPowerhubと呼ばれる大規模公共プロジェクトマイクログリッド向け監視制御プラットフォームに接続されており、Teslaの自動エネルギー売買向け機械学習プラットフォーム、Autobidderとの統合も可能だと同社は言っている。

MegapackはTeslaのHornsdaleプロジェクトが元になった。 南オーストラリアのジェームズタウン近郊にあるフランスNeoen社の風力発電所に100MWのPowerpackシステムを組み合わせた取り組みだ。TeslaのPowerpackシステムは風力発電所が発電した電力を蓄積し、ピーク時には電力網に送電する。同設備は稼働一年目に4000万ドル近く節約した。

現在公共電力にとっての第一選択は天然ガスによる「ピーカー」発電所だ。ピーカー発電所は、気温上昇や人口増加のために地域電力網がピーク需要に十分な電力を供給できないときに使用される。

Teslaは維持可能な代替手段を提供することを期待している。そしてカリフォルニア州のように意欲的な排出目標を掲げる州では、Teslaが強固な立場を得られる可能性がある。電力会社は、天然ガス利用のピーカー発電所に代えて、Megapackを使ってソーラーや風力の余剰エネルギーを蓄積して電力網のピーク時負荷を低減することができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook



from TechCrunch Japan https://jp.techcrunch.com/2019/07/30/2019-07-29-tesla-has-a-new-energy-product-called-megapack/
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